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労働災害を防ぐには?

労働災害を防ぐには?

(2012年6月 7日更新)

 
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通信ゼミナール『安全活動の基本と急所がわかるコース』 のテキストから、労働災害を防ぐ方法を考えてまいります。労働災害を防ぐにはろう労働災害を防ぐには労働災害を防ぐには 

労働災害発生のしくみ

下の「労働災害の発生のしくみ」を簡略化した図を左側から見てください。つまり、労働災害の発生メカニズムは、図の左側から順に、「安全衛生管理の不十分」という間接原因をスタートとして直接原因→事故発生→作業者の被災=労働災害発生という図式で解析できるのです。

 

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労働災害を防ぐには

上図のように、労働災害を防ぐには、事故を起こさないことです。
そのために、
■まず直接原因の不安全状態と不安全行動を職場から追放すること。
■さらに、間接的な原因である会社側の安全衛生管理や従業員への指導を徹底すること。

これが安全確保の基本です。

 

では、現場で働く皆さん作業者の立場で、不安全状態と不安全行動を追放するために日常心掛けるポイントを例示してみましょう。

1)「不安全状態」にしない。見つけたら上司に報告して安全状態に戻す。
例えば、
●材料は、不安全な置き方をしていないか。
●通路に物がはみ出していないか、水や油がこぼれていないか。
●高い場所に設けられた手すりに損傷がないか。
●機械類は、整備されているか、異常な音や振動はないか、回転部や可動部に手が入る隙間ができていないか。
●電動工具や電気配線に漏電はないか、発熱していないか。
●器具・工具類は、適切なものが準備されているか、損傷などはないか。

 

2)「不安全行動」をしない。教えられた作業手順や動作、安全ルールを実行する。         
災害の直接原因となった不安全行動には、次のような行動があります。

●運搬作業中や機械取り扱い中に、誤った動作をした。

●クレーンでつり上げた荷や、回転する機械などの、危険な場所に接近した。

●運んだ荷の置き場所の安全確認や機械の停止確認をしないで手を出すなど、安全を確認しないで次の動作をした。
●イスや脚立などから、飛び降りた。トラックの荷台などに、飛び乗った。通路や階段などで不用意に走った。
●使用すべき道具の代わりに手などを用いた。
●指示された安全上の措置を怠った。
●機械や工具などの、正しい使い方をしなかった。
●機械などの、安全装置の機能をきかなくした。

 

不安全行動の防止

では、なぜ不安全行動をしてしまうのでしょうか。その3つの理由と防止心得を理解しましょう。

【理由1】

安全な作業方法を知らないで不安全行動をする(安全知識の不足)。職場に入ったばかりの人に多い不安全行動の理由です。


★防止心得★
安全知識を早く正しく覚えるためには、上司や先輩から教わることは素直な気持ちで真剣に聞き、分からないことは、はずかしがらずに聞きなおしましょう。

 

【理由2】
安全な作業方法を知っているが、実際には実行できずに不安全行動をしてしまう。(安全技能の未熟)
作業に不慣れな人が犯す不安全行動の理由です。
 

★防止心得★
安全作業のやり方は、上司から作業手順書に沿って実地に訓練を受けたはずです。自然に手順通りの安全な動作ができるまで、アドバイスを受けながら、くり返し練習して技能をしっかり身につけましょう。

 

【理由3】
安全な作業方法を知っていて、実行できるのにやらない、または、やれない。
(安全態度の不足、ヒューマンエラー、体調不良)
作業に慣れ始めた人などに、多く見受けられる不安全行動の理由です。これが不安全行動の理由の中で最も多く、また最もやっかいな理由です。
「ケガなんてしないさ」「大丈夫だろう」と安全を確認しないで、次の行動に移ったり、機械や工具の危ない使い方をしたり、あるいは「めんどうだから」と近道して危険な機械のわきを通ったり、決められた作業手順を省略したり、他の工具を代用したり、「危ないと分かっていながら」飛び降りたり、走ったりする行動です。
ベテラン作業者の不安全行動による労働災害の多くも、こうした理由によるものです。


★防止心得★
安全作業のやり方を知っているのに、できるのに、やらない人は、本人の態度、心掛けに問題があるのです。自分の身体は自分で守るとしっかり心に決めて、さらに、自分こそ職場安全のリーダーであるという気構えをもって、安全のルールを毎日確実に実行すること。この一言につきるのではないでしょうか。


新しい職場で新しい作業を与えられ「担当した作業をしっかりこなそう」と意欲に燃えている新人の期間にこそ、自ら安全な態度を養ってください。


ただし、自分でも気がつかないで、無意識に不安全行動をする場合もあります。うっかり、ぼんやりして「不注意」なことをしたり、危険なものを安全と「錯覚」して操作を間違ってしまう場合です。これもやっかいな問題で、「ヒューマンエラー」と呼ばれます。特に、仕事中に考え事をしたり、体調が良くない時に起きやすくなります。
 

人間の不注意をカバーするための機械・工具の安全装置などは、常に正常に働くように点検確認をし、また、錯覚を起こさないよう次の動作に移る前に、「指差呼称」で安全確認を励行しましょう。
 

職場で集中して仕事に打ち込めるよう健康的な明るい家庭生活を心がけ、もし、体調が良くない時は、作業前の朝礼などの際に必ず上司に申告し、作業配置などの指示を仰ぎましょう。

 

・・・指差呼称のやり方・・・

指差呼称では、眼、腕、指、口、耳などを総動員して確認します。

1)眼は、確認すべきことを、しっかりと眼で見る。
2)腕・指は、右腕を伸ばし、右手人さし指で差す。
3)口は、大きな声で「○○ヨシ!」などと唱える。
4)耳は、自分の声を聞く。

 

PHP通信ゼミナール『安全活動の基本と急所がわかるコース』 

第一章「職場の安全衛生とは」より抜粋

(バックナンバー)

 


 

太郎良譲二  たろらじょうじ
1948年生まれ。1971年、(株)PRC入社、企画制作本部にて映像作品の企画・脚本・演出に携わる。1973年、故近藤英一郎師(TWI・3Jコンダクター、元人事院、元労働省訓練局、元東京安全衛生教育センター講師)の主催するTWIトレーナーコース(JI)を修め、同師に産業訓練全般にわたる教育指導をいただく。
1978年、初代代表取締役社長の死去により同社代表取締役就任。現在まで自主企画による産業視聴覚教育用映画スライド、ビデオ(一般に市販教材・作品と呼ばれる)約400作品を制作し、毎年、新作品を発表している。
その他、特定の企業・公益団体等から委託を受けた企業・製品広報をテーマとした映画スライド、ビデオを約100作品制作している。
公職、聴覚言語障害者安全衛生教育資料開発委員会委員(1983年~1992年、85年より代表委員。日本障害者雇用促進協会より国庫金委託研究事業)、社団法人産業安全技術協会監事。他、船員災害防止推進会理事、建設業労働災害防止協進会理事、JITA会メンバー(社団法人日本産業訓練協会OB会)、日本生産性本部アカデミーマスター、日本ベンチャー学会会員。産業視聴覚教育コンサルタント。

 


 

PHP通信ゼミナール

『安全活動の基本と急所がわかるコース』

労働災害防止に対する安全意識の高揚と、災害を防止する一員としての自覚喚起をねらいとしています。

特長1)安全のスペシャリストが災害防止のポイントを的確に解説します。
特長2)イラストをまじえた具体的な事例を取り上げているので、臨場感を持って学習できます。
特長3)職場で実施される安全作業教育のフォローアップ教材として活用できます。  

[監修]

荒井喜久男(厚生労働省大阪産業安全技術館解説員/大阪安全衛生教育センター講師)
太郎良譲二((株)PRC代表取締役/産業視聴覚教育コンサルタント)
  


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