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トヨタ式人づくり~お客様のために何ができるかを考える

トヨタ式人づくり~お客様のために何ができるかを考える

(2014年7月22日更新)

 
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モノづくりに携わる企業において、「知恵を出して働く人」「協力し合える人」を育てるトヨタ式人づくりが、今ほど真剣に求められている時代はないといってもいいでしょう。現場で何人かの部下をもつ人を対象にした通信ゼミナール『「トヨタ式人づくり」の基本がわかるコース』のテキストから、トヨタ式人づくりのポイントをご紹介する連載第二回です。

 

前工程は神様、後工程はお客様

 
生産現場で働いていると、「お客様のため」と言われてもピンと来ないことがあるかもしれません。しかし、「お客様」は「商品を購入してくれる人」だけではありません。そのことを理解しておく必要があります。
 
トヨタ式では「前工程は神様、後工程はお客様」と言います。これは、前工程の部品などを供給してくれる協力会社は、自分たちのモノづくりにはなくてはならない「神様」であり、自分たちの仕事を引き受けてくれる後工程の人たちは全員「お客様」だと思って接しようという意味です。
 
モノづくりにおいては、100パーセント良品というのが大原則です。したがって、「お客様」である後工程に不良品を渡すことなどあってはならないのです。
 
同じ工場内、同じ社内だからと馴れ合うのではなく、後工程の人たちを「お客様」だと思って大切に接しなければならないのです。
 
例えば、同じ工場内で組立工程に部品を供給する際・部品の並べ方がバラバラで、油が付いたままだとすると、組立工程の人は作業に取り掛かる前に必要な部品を選んだり、油を拭き取るといった余計な作業が必要になります。
 
「後工程はお客様」と考えれば、何をすべきかがすぐにわかります。つまり、単に必要な部品を供給すればよいということではなく、すぐに作業ができるようにきちんと並べて届けるといった心配りが必要です。このように、仕事をする際には「自分にとってのお客様は誰か」を念頭に、「お客様のために何ができるか」を考えることが大切なのです。
 
こう考えれば自分たちが何ぞすればよいのかがわかります。自分たちの仕事を完壁に行なうのと同時に「ここをこうしたら後工程の人はもっとやりやすくなるな」と考えていくのです。先ほどの部品の並べ方を例に挙げれば、複数の部品が作業順に並んでいれば、作業はとてもしやすいはずです。これがお客様のことを考えて、自分の仕事に「プラスアルファの知恵」をつけるということになります。
 
このように、お客様のこと、生産現場であれば後工程のことを考えることは知恵を出すことにつながります。そして、それが自分の成長、企業の成長へとつながっていくのです。
 
 

「何か困っていることは?」と聞いてみよう

お客様のことを考えるために、例えば、自分たちのお客様である後工程の人に「何か困っていることはありませんか?」と聞いてみましよう。
 
すると自分たちが考えている改善のニーズと、後工程の人が求めている改善のニーズのズレが見つかるはずです。自分の工程だけでなく、前工程や後工程のことを知ること、そしてその人たちのために何ができるかを考えることは自分の仕事の幅を拡げ、大きく成長させてくれるでしょう。
 
 
【ポイント】
(1)後工程はお客様。お客様を意識した仕事をしよう。
(2)後工程の「しやすさ」を考えることが知恵を出すことにつながる。
(3)後工程に「困っていること」を聞いてみよう。ニーズはそこにある。
 
 
 
 

 
【執筆者プロフィール】
若松義人(わかまつ・よしひと)
1937年宮城県生まれ。トヨタ自動車工業に入社後、生産、原価、購買、業務の各部門で、大野耐一氏のもと「トヨタ生産方式」の実践、改善、普及に努める。その後、農業機械メーカーや住宅メーカー、建設会社、電機関連などでもトヨタ式の導入と実践にあたった。91年韓国大宇自動車特別顧問。92年カルマン株式会社設立。現在同社社長。中国西安交通大学客員教授。
著書に『「トヨタ流」自分を伸ばす仕事術』『トヨタ流「改善力」の鍛え方』(以上、成美文庫)、『なぜトヨタは人を育てるのがうまいのか』『トヨタの上司は現場で何を伝えているのか』『トヨタの社員は机で仕事をしない』『なぜトヨタは逆風を乗り越えられるのか』(以上、PHP新書)、『トヨタ式「改善」の進め方』『トヨタ式「スピード問題解決」』『「価格半減」のモノづくり術』『トヨタが「現場」でずっとくり返してきた言葉』(以上、PHPビジネス新書)、『トヨタ流 最強社員の仕事術』(PHP文庫)、『先進企業の「原価力」』(PHPエディターズ・グループ)、『トヨタ式ならこう解決する!』(東洋経済新報社)、『トヨタ流「視える化」成功ノート』(大和書房)、『トヨタ式改善力』(ダイヤモンド社)などがある。
 
 
トヨタ式人づくり【通信ゼミナール】
人を育て、自らも育つサイクルをつくろう!
若松義人 監修
トヨタの現場で大切にされ、実践されている人づくりの考え方をあますところなく紹介。「自ら考え、自ら育つ人」の育成を実践できる力を育むことを目指します。
 
 
 
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