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トヨタ式人づくり~育った人が人を育てる好循環を

トヨタ式人づくり~育った人が人を育てる好循環を

(2014年7月28日更新)

 
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モノづくりには人づくり、そして育った人がさらに人を育てていくサイクルを育てることが、トヨタ式人づくりの目指すところです。

現場で何人かの部下をもつ人を対象にした通信ゼミナール『「トヨタ式人づくり」の基本がわかるコース』のテキストから、トヨタ式人づくりのポイントをご紹介する連載の最終回です。

 

「人づくり」に全員が関心をもとう

トヨタ式「人づくり」が目指しているのは、人が人を育て、育った人がさらに人を育てていく理想的なサイクルをつくり上げることです。一方、トヨタ式「改善」というのは改善活動を通じて、つくる力を高めるだけでなく、同時に知恵を出して働く人を育て、育った人が自分たちで知恵を出してつくる力をさらに高めていくことを言います。
 
つまり、「人づくり」と「改善活動」は車の両輪のようなもので切っても切れない関係なのです。どちらか一方が欠けても本当のつくる力を育てることはできません。そして、「人づくり」で欠かせない大切なことは、現場で働く全員が「人づくり」に関心をもつことです。
 
ある企業では、社員が年度初めに掲げた目標をすべて壁に貼り、誰でも見ることができるようにしています。別の企業では、社員が掲げた目標を名札の下に大きく記入し、すれ違うときに互いに確認できるようにしています。
 
なぜそのようなことをするのでしょうか。目標というのは、個人の胸のなかに秘めたままになってしまったり、上司に提出して終わりになり、場合によっては、年度始めに掲げた目標を1年間見ずに終わってしまうこともあります。
 
しかし、あえて全員の目に見えるところに出せば、全員がその目標に関心をもちます。目標は「資格を取る」でも「元気よくあいさつをする」でも何でもかまいません。大切なのは1人ひとりの目標に全員が関心をもつことです。
 
例えば、廊下ですれ違ったとき、「資格の勉強がんばってる?」と声をかけるだけでもかまいません。そうすることで、互いに目標に対する意識が高まり、達成しようというモチベーションアップにもつながります。
 
こうした「人づくり」への全員の関心が入を育て、人のやる気を引き出し、人の知恵を生んでいくのです。
 
 

「昨日より今日、今日より明日」へと成長しよう

全員の関心が人を育てるといっても、最も大切なのは1人ひとりの「成長しよう」という意志です。私たちの仕事は、毎日同じようなことの繰り返しです。惰性で行なっていては、成長はできません。しかし、そこに小さな気づきと小さな知恵があれば、「昨日より今日、今日より明日」と少しずつ成長していくことができます。そして、その積み重ねが成長につながるのです。
 
モノづくりには人づくりが欠かせません。変化の激しい時代に、お客様のニーズに合わせたモノづくりを可能にするのは人の知恵です。だからこそ、モノづくりの現場で働く人は、人を育てなければいけません。そして、育てられた人は、さらに人そ育てることで育てられた恩を返すのです。この人づくりの素晴らしい、サイクルをつくり、うまく回していきましょう。
そのためには、みなさん自身の成長しようという高い意欲が何よりも大切なのです。
 
 
【ポイント】
(1)「人づくり」と「改善活動」は車の両輪である。
(2)人を育てるためには全員が人づくりに関心をもつことが大切である。
(3)育った人が人を育てる人づくりのサイクルを回していこう。
 
 
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【執筆者プロフィール】
若松義人(わかまつ・よしひと)
1937年宮城県生まれ。トヨタ自動車工業に入社後、生産、原価、購買、業務の各部門で、大野耐一氏のもと「トヨタ生産方式」の実践、改善、普及に努める。その後、農業機械メーカーや住宅メーカー、建設会社、電機関連などでもトヨタ式の導入と実践にあたった。91年韓国大宇自動車特別顧問。92年カルマン株式会社設立。現在同社社長。中国西安交通大学客員教授。
著書に『「トヨタ流」自分を伸ばす仕事術』『トヨタ流「改善力」の鍛え方』(以上、成美文庫)、『なぜトヨタは人を育てるのがうまいのか』『トヨタの上司は現場で何を伝えているのか』『トヨタの社員は机で仕事をしない』『なぜトヨタは逆風を乗り越えられるのか』(以上、PHP新書)、『トヨタ式「改善」の進め方』『トヨタ式「スピード問題解決」』『「価格半減」のモノづくり術』『トヨタが「現場」でずっとくり返してきた言葉』(以上、PHPビジネス新書)、『トヨタ流 最強社員の仕事術』(PHP文庫)、『先進企業の「原価力」』(PHPエディターズ・グループ)、『トヨタ式ならこう解決する!』(東洋経済新報社)、『トヨタ流「視える化」成功ノート』(大和書房)、『トヨタ式改善力』(ダイヤモンド社)などがある。
 
 
 
【通信ゼミナール】
人を育て、自らも育つサイクルをつくろう!
若松義人 監修
トヨタの現場で大切にされ、実践されている人づくりの考え方をあますところなく紹介。「自ら考え、自ら育つ人」の育成を実践できる力を育むことを目指します。

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