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安全な製品の保管・流通・消費[食品業界のコンプライアンス(3)]~田中宏司

安全な製品の保管・流通・消費[食品業界のコンプライアンス(3)]~田中宏司

(2013年5月31日更新)

 
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通信ゼミナール「食品業界のコンプライアンス実践コース」では、食品に携わる企業の全従業員、なかでも新入社員や若手社員を対象に、食品現場のコンプライアンス(法令順守)は何を意味し、ねらいとしているのかを、わかりやすく解説しています。そのなかから、安全な製品を確保するための主要ポイントを解説した第一章をご紹介する連載第3回です。

 

*   *   *   *   *

 

フードチェーンとは何か

食品は・生産者から流通業者などを経て、消費者に届けられるまでの間、安全を確実に保つため、多くのチェックと管理が必要となります。
原材料(農林水産物)から食品が加工、製造され、流通、販売を経て消費者のもとへ届けられるまでの一連の流れ、またはこの過程のことをフードチェーン(食品供給行程)といいます。この流れの中で、生産者、製造・加工メーカー、流通業者、そして行政が共通の意識をもって、それぞれの役割と責任をしっかりと果たしていくことが重要です。あなたの会社はもとより、関連する取引先などを含めたフードチェーン全体でとらえ、その行程内で、食の安全を損なう要因を厳しく排除していかなければなりません。
また、消費者も食品を購入してから自分で食べるまでの過程(購入→保管→調理→食事)を、家庭の中でのひとつのフードチェーンとみなして、身のまわりの食べものの安全に注意をはらう必要があります。添加物や原材料などについての十分な知識をもち、身体にいい食品かどうかを選別する能力をつけ、自分の家で食べものを正しく保存、調理することが大切です。

 

フードチェーン全体を見渡す

例えば、「異物混入」という事故のケースを考えてみると、食品会社が注意深く管理をしていたとしても、既に原材料の中に異物が入っていたり、また、中間倉庫や流通の過程で混入するという場合もあります。さらに、消費者・お客様が購入した後で異物が入るということも考えられます。

食品事故は、こういつたケース以外にも、さまざまな要因が考えられますが、いずれにしても、自社の関連する取引先や流通業者などでのチェック、指導、場合によっては立ち入り検査も行い、管理の徹底を促すべきです。そして、以下のような食品の安全に対する関係者による取り組みも必要です。
搬入、販売に関する記録の作成と保存、流通管理(保存温度・衛生管理・貯蔵、運搬時のカビや毒対策)の徹底、残留農薬検査の実施、飲食店、調理、販売施設等の監視指導の実施など。
あなたの会社や取引先や流通業者を含めたフードチェーン全体を見渡してみて、どこでどのような事故が起こる可能性があるのかを調査、検討して、それらの要因を管理して対策を考えていくことが重要です。

 

 

【要点チェックをしよう】

 

◎食品が消費者へ供給されていく流れをフードチェーンという。

◎取引先、流通業者への管理、指導を徹底する。

◎フードチェーン全体を見渡し、安全を確保する。

 

(次回に続く)
※バックナンバーを読む
「安全な食品づくりのために」
「安全を確保していく姿勢」

 


 

【監修者プロフィール】

田中宏司  たなか・ひろじ

東京交通短期大学学長。1959年中央大学法学部卒業。1954~90年日本銀行勤務の後、早稲田大学大学院講師等を経て、2002~06年立教大学大学院教授。日本経営倫理学会前副会長、一般社団法人経営倫理実践研究センター理事・主席研究員、経済産業省「ISO26000JIS化本委員会」委員等。多くの主要企業や行政、団体向けに講演・指導の実施や行政の委員会委員を務めている。著書多数。

 


 


【通信ゼミナール】
全社員必須!意識を高め、確実に実行する
『食品業界のコンプライアンス実践コース』

食品現場のコンプライアンス(法令順守)は何を意味し、ねらいとしているのかを、わかりやすく解説します。


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