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食品製造の課題とHACCP

食品製造の課題とHACCP

(2012年7月30日更新)

 
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食品製造において、最も優先すべきものでありながら実行に最も困難をともなう課題が、安全性の追求です。

口に入れるもの、体内に入るものの製造を担う以上、関係者の責任は大きく真剣に取り組まねばなりません。ここ数年は、連日マスコミにとりあげられる事故、事件を受けて、消費者・取引先からの要求もますます厳しくなってきています。

一方で、競争が激しさを増すなか、コストへの対応も避けて通れない課題となっています。“安全性の追求”と“コスト対応”、その双方に同時に取り組まなければならないのが、食品製造に携わる企業の現状です。

 

■HACCPは面倒で費用ばかりかかる?


HACCPとは、「危害分析重要管理点(Hazard Analysis and Critical Control Point)」の略称で、HAで危害を分析し、CCPで重要管理点を見つけ、ここにとどめをさすという衛生管理の概念です。
 

一般的に衛生管理、そしてHACCPを構築するには費用がかかる、という見方があります。しかしこれは間違いです。実は、安全性のアップとコストダウンは一緒に取り組めるものなのです。

 

例えば、工場内をきれいにすれば、異物が少なくなり、異物混入の危険を減少させることができます。そのために、清掃・洗浄を徹底することになりますが、その前に整理整頓をして清掃・洗浄を実施しやすくします。こうすることで、その製造現場はとても安全な状態になります。そして、清掃・洗浄を徹底的に行うことによって、それまでより、より安全で効率的な製造が可能になるのです。
 

さらに、ここで泡洗浄を導入すると、ブラッシングもあまり必要なくなり、そうなると、床の傷みも少なくなります。床をゴシゴシこすらなくても、泡で汚れを浮き出させてあとは水で流すだけなので、床は傷まないのです。さらに、清掃・洗浄時間も飛躍的に短くなり、少人数で実施できるようにもなります。また、老朽化した工場でも、清掃洗浄をしっかり行えば、安全で衛生的な工場にすることができます。こうした過程には、特別に大きな費用はかかりません。

 

次に、HACCPを導入することで、加熱殺菌での温度管理や、製造での廃棄、ロスがなくなり、製造効率が良くなります。今まで60%だった稼働率が70%になれば、単純計算で10%のコストダウン、あるいは利益が出るわけです。


■HACCPは企業の力を高める原動力

 

現在は衛生管理、HACCPを導入しなければ得意先との取引ができない、という業界の流れの中で、仕方なく取り組んでいるという企業も多いのが実情でしょう。しかし実際には、この取り組みは経営効率のアップ、競争力に貢献する大きな原動力になります。


また、この取り組みは難しいものかというと、そうではありません。実際に取り組みを進めていくと、素朴な疑問、わからないことが次々と出てくるものです。そこでメンバー皆で知恵を出し、改善案や解決方法を見つけることができると、「なんだ、そんなことだったのか」となることも多いのです。

 

■【通信教育】Q&A方式で疑問に答える『よくわかるHACCP実践コース』


このたび弊社では、上記の通信教育を開講いたします。本通信教育は、HACCP構築現場の従事者から出てきた90の疑問(事例)に対して、加藤光夫先生が回答・解説する“Q&A方式”のテキストになっています。現場に即した内容なので、食品製造に携わるすべての従業員の方が、学びを深め、実践に活かす力を身につけていただけます。現場で働く皆さんにお役立ていただければ幸いです。

 

PHP研究所 企画制作部 編集長 平井克俊

監修・執筆者プロフィール

加藤光夫 かとうみつお
1948年東京生まれ。日本大学商学部経営学科卒業。総合コンサルティング会社を経て、食肉コンサルティング会社へ移行。米国の食肉センター、食品工場、スーパーマーケット、フードビジネスなどの、運営、管理システム、商品開発手法、衛生管理手法「HACCP」などを実習、研究、日本に紹介する。
1984年、(株)フーズデザイン設立。食品の商品開発とHACCPの構築コンサルティングをスタートさせる。契約先は、団体、食品メーカー、生協、スーパーマーケット、外食業、広告代理店など。
著書に「儲かるHACCP 現場で即実践」(鶏卵肉情報センター)、「現場で役立つ食品工場ハンドブックキーワード365」共著(日本食糧新聞社)ほか多数。

 



【通信教育】

Q&A方式で疑問に答える
『よくわかるHACCP実践コース』

HACCP構築を進めるにあたり現場の従事者から寄せられた素朴な疑問や対応策を90項目にまとめ、わかりやすく解説したものです。食品安全の推進、HACCPの構築にぜひお役立てください。


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