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原材料表示の順番を入れ替えるのはOK?~食品産業で働く人のコンプライアンス

原材料表示の順番を入れ替えるのはOK?~食品産業で働く人のコンプライアンス

(2013年7月29日更新)

 
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コンプライアンスについて意識を高く持つことは、食品産業で働く人々にとっては特に重要な課題であるといえるでしょう。それは消費者の生命と健康にかかわっているからです。食品関連企業の活動やその動向は、社会から常に注目されおり、コンプライアンスが実践されているかどうかが、その会社の存続をも左右する可能性があるのです。
 

ここでは『食品業界で働く人の 実践!コンプライアンス』(監修:田中宏司・松本邦明)から、従業員の一人ひとりが知っておくべき事項をケーススタディでご紹介します。

 

■CASE■


【お客さま・消費者に対して】

「カニ入りが目玉です! カニの原材料表示を3番目から2番目に!」

開発担当の深井さんは、新商品の包装と表示内容についての会議で、デザイン見本を示しながら説明しました。

「カニの重量は3番目です。この商品はカニ入りが目玉ですから、それをキャッチコピーに出しました」

すると、ある新入社員が「それなら、力二の原材料表示の順番を3番目から2番目に変えることはできませんか」と質問しました。


■あなたならどう考える?■

(A)目玉のカニを2番目に表示して、商品イメージを上げるほうがよい。

(B)表示について法令で決まっている以上、順番を守るべきだ。

 

■解説■

宣伝する立場からすると、「カニ入り」が売り文句ならば、消費者受けを考えて、その原材料表示の順番を前のほうに持っていきたい気持ちは、わからなくもありません。しかし、JAS法では、原材料については使用重量順に表示するよう定められています。


だからこそ、消費者は食品表示の正しい情報を得て、より適切に商品を選ぶことができるわけで、このケースのように表示の順番を入れ替えれば、消費者に誤解を与えてしまいます。明らかにJAS法違反です。「たかが原材料表示の順番ぐらい」と軽く考えないことです。
 

これまでにも、原材料表示の順番が実際と異なることが発覚して、会社の信用に傷をつけた企業が少なからずありました。(B)に徹するようにしましよう。

 



【監修者プロフィール】

田中宏司  たなか・ひろじ
東京交通短期大学学長。1959年中央大学法学部卒業。1954~90年日本銀行勤務の後、早稲田大学大学院講師等を経て、2002~06年立教大学大学院教授。日本経営倫理学会前副会長、一般社団法人経営倫理実践研究センター理事・主席研究員、経済産業省「ISO26000JIS化本委員会」委員等。多くの主要企業や行政、団体向けに講演・指導の実施や行政の委員会委員を務めている。著書多数。


松本邦明 まつもと・くにあき
1965年 一橋大学経済学部卒業(国際経済学専攻)、 帝人株式会社入社、1975年スイスビジネススクールIMEDE(現I.M.D)に留学、M.B.A.取得。帝人株式会社広報部長、調査役、倫理委員会事務局長として経営倫理の導入定着活動に注力後、2000年退職。

 


 

【出典】


イラスト&ケーススタディー40
『食品産業で働く人の 実践!コンプライアンス』
~企業の社会的責任から職場の倫理問題まで~

身近で起こりうるコンプライアンス違反の事例40項目を取り上げ、着眼点と対応の姿勢を明快に解説しました。


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