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問題発生時には、商品回収の社告は必要?~食品産業で働く人のコンプライアンス

問題発生時には、商品回収の社告は必要?~食品産業で働く人のコンプライアンス

(2013年8月23日更新)

 
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コンプライアンスについて意識を高く持つことは、食品産業で働く人々にとっては特に重要な課題であるといえるでしょう。
それは消費者の生命と健康にかかわっているからです。食品関連企業の活動やその動向は、社会から常に注目されおり、コンプライアンスが実践されているかどうかが、その会社の存続をも左右する可能性があるのです。
 

 

ここでは『食品業界で働く人の 実践!コンプライアンス』(監修:田中宏司・松本邦明)から、従業員の一人ひとりが知っておくべき事項をケーススタディでご紹介します。

 

■CASE■


辻さん「発ガン性が疑われる添加物が……社告を打ってはどうかと」

上司「こっそり回収する方法を考えろ!」

会社の商品に、国内では使用が認められていない発がん性を疑われる添加物が、一部使われていることが社内調査で判明しました。広報担当の辻さんは、早急に商品を回収するために社告を打つべきだと考えたのですが、上司の判断は「表沙汰にせず、回収する方法を考えろ」。

同僚も上司と同じ意見ですが、辻さんは釈然としません。

 

■あなたならどう考える?■

(A)消費者の安全を考え、社告を打って一刻も早く回収すべきだ。

(B)会社のイメージを守るために、内密に回収すべきだ。

 

■解説■

食品メーカーは消費者の安全を第一に考えるべきで、(A) が正解です。マスコミにバレる・バレないの問題ではなく、ことは消費者の生命と健康に関する問題です。被害拡大を防ぐために、一刻でも早い商品の回収が求められます。そのためには、マスコミにすすんで正確な情報を公表し、全国紙に社告を掲載して消費者に知らせるべきです。

早期に情報を開示すれば、消費者への被害をそれだけ早く食い止められ、会社の損失も最小限に抑えられます。当初は大々的に報道されるかもしれませんが、自ら公表し、責任を認めて回収に全力を上げれば、マスコミの対応も違ってくるでしょう。のちにこっそり回収したのがわかれば、隠ぺい工作ととられて社会的信用を失い、被害も計り知れません。

 


 

田中宏司  たなか・ひろじ

東京交通短期大学学長。1959年中央大学法学部卒業。1954~90年日本銀行勤務の後、早稲田大学大学院講師等を経て、2002~06年立教大学大学院教授。日本経営倫理学会前副会長、一般社団法人経営倫理実践研究センター理事・主席研究員、経済産業省「ISO26000JIS化本委員会」委員等。多くの主要企業や行政、団体向けに講演・指導の実施や行政の委員会委員を務めている。著書多数。


松本邦明 まつもと・くにあき
1965年 一橋大学経済学部卒業(国際経済学専攻)、 帝人株式会社入社、1975年スイスビジネススクールIMEDE(現I.M.D)に留学、M.B.A.取得。帝人株式会社広報部長、調査役、倫理委員会事務局長として経営倫理の導入定着活動に注力後、2000年退職。

 


 

【出典】
イラスト&ケーススタディー40
『食品産業で働く人の 実践!コンプライアンス』
~企業の社会的責任から職場の倫理問題まで~

身近で起こりうるコンプライアンス違反の事例40項目を取り上げ、着眼点と対応の姿勢を明快に解説しました。

 


 


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