課長職にマネジメントの革新を!
RSS

食品の安全を守る毎日の個人衛生

食品の安全を守る毎日の個人衛生

(2014年6月26日更新)

 
  • はてなブックマーク
  • Yahoo!ブックマーク
  • Check
食中毒は、毎年、梅雨から夏にかけて発生件数が増加し、毎年8月は厚生労働省によって「食品衛生月間」に定められています。そこで、今回は毎日の個人衛生の大切さについてご紹介します。

 

食品事故発生! 食中毒菌混入の原因は……

ある食品事故の事例を紹介します。
食品メーカーA社では、業界トップクラスの最新設備を搭載した工場をつくりました。A社は、この新工場に社運をかけていました。それは、新年度の生産計画の70%を新工場で受け持つ、3年後には元からある2つの工場の生産分もすべて新工場で行なうという経営陣の決断からもうかがい知ることができます。
 
ところが、新工場の稼働がスタートしてしばらく経ったある日、A社の製品から食中毒が発生したことが発覚。A社では、食中毒菌が混入していると疑われる生産分のロットをすべて回収し、原因が究明できるまでの生産自粛を決定しました。
 
保健所等の指示を受け、A社では原因究明活動が行なわれました。しかし、なかなか食中毒菌が混入した原因がつかめません。それもそのはずです。A社では、今回の食中毒菌混入の原因は古い2つの工場だと仮説をたて、古い工場を中心に調査をしていました。それは、設備が整っている新工場に比べ設備が十分ではない古い工場の方が事故発生の可能性が高いと考えていたからです。
 
しかし、調査の結果、食中毒菌の混入は新工場で起こった可能性が高いということが判明しました。はっきりとした原因は明らかになっていませんが、状況的に従業員が食中毒菌を持ち込んでしまった可能性が高いと考えられています。
 
この事故が原因で、A社は回収費用と生産自粛での売上減少が原因で大幅な赤字を計上。さらには、社会的な信用を失い、今なお売上が通常の半分にも戻らないといいます。
 
 

段階的な取り組みで食品事故を防ぐ

この事例は、最新の設備を揃えても食品事故が起こりうるということを教えてくれます。言い換えれば、設備だけでは食品事故を防ぐことはできないのです。
 
では、食品事故はどのようにして防いでいけばよいのでしょうか。
 
DVD【新版】PHP食品衛生シリーズ『毎日の個人衛生』『清掃・洗浄・殺菌の大切さ』『衛生管理の手順とルール』を監修した加藤光夫氏(㈱ フーズデザイン代表取締役)は、「食品衛生のピラミッドを使って段階的に危険を除去していけば、食品事故を防ぐことができる」と言います。
 
食品衛生のピラミッドとは次のようなものです。
 
 
HACCP
 
 
まず、安全な仕入先から安全な原材料を仕入れること。原材料自体に危険の可能性がある場合、どのような取り組みも効果を発揮しません。まずは原材料の安全を確保することが大切になります。
 
次に、従業員一人ひとりの食品衛生への取り組みです。これは、一般的衛生管理プログラム(PRP・PP)と呼ばれ、更衣や手洗い、工場環境の整備などを指します。
 
3段階目がオペレーションPRP(OPRP)です。PRP(PP)の中でも特に危険だと考えられる箇所を管理し、食品からの危険の除去を行ないます。たとえば、盛りつけ時の表面温度のチェックなどがOPRPの活動になります。
 
最後がCCPです。調理工程の中で危険性の高い部分を重点的に監視し、衛生面でのとどめをさします。金属探知機やX線検査機を用いたチェックがその代表例です。
 
これらの段階を一つひとつ確実に実行していき、食品事故の可能性をゼロに近づけていきます。食品衛生のピラミッドに基づいた活動は、食品工場にとって欠かせないものなのです。
 
 

従業員教育で食品の安全性を保つ

 
多額の資金を投入して工場設備を充実させたとしても、たった一人の不注意で食品の安全性は保てなくなります。また、企業として食品衛生のピラミッドにもとづいた仕組みを作ったとしても、たった一人が守らないだけで食品事故の起こる可能性が生まれてしまいます。
 
食品衛生のピラミッドを実行していくためには、工場で働く従業員一人ひとりが各段階の取り組み内容と意味、目的をしっかりと理解していく必要があるのです。それは、幹部社員や一般社員、パート、アルバイトなどの立場を問いません。
 
食品の安全・安心を守るのは工場設備でも仕組みでもありません。それらは手段の一つであり、安全で安心な食品を作るのは工場で働く一人ひとりなのです。だからこそ、食品衛生についての教育を徹底して行なっていく必要があります。
 
PHP研究所では、DVD【新版】PHP食品衛生シリーズ『毎日の個人衛生』『清掃・洗浄・殺菌の大切さ』『衛生管理の手順とルール』(監修:加藤光夫(㈱フーズデザイン代表取締役))を発刊しました。
 
手洗いや更衣の方法など工場で働く従業員一人ひとりの取り組み方、工場環境の整備方法や食材の取り扱い方、洗浄・殺菌の方法、HACCPなどの考え方を解説しています。さらには、食品事故のリスクについても具体的な事例を用いて言及しています。
 
工場で働く年数を問わず全従業員が学習していただける内容です。食品衛生の入門知識の教育教材として、食品衛生の重要性を再確認するツールとして、そして安全で安心な食品づくりのために、【新版】PHP食品衛生シリーズをぜひご活用ください。
 
 
PHP研究所 企画制作部 海野翔太
 

 
 
【DVD】
手洗いから健康管理まで!
食品衛生のスタートは手洗い・更衣から!
食品衛生の正しい理解と、個人で行なう衛生管理の手順を学習する内容です。手洗いや更衣の正しい手順・方法だけでなく、食中毒の危険性や個人衛生の重要性をドラマを使ってわかりやすく解説しています。
※デモムービーの視聴もできます。
 

メールマガジン

更新情報をメルマガで!ご登録はこちらからどうぞ