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今を大切にする~大阿闍梨・酒井雄哉師

今を大切にする~大阿闍梨・酒井雄哉師

(2011年3月29日更新)

 
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修行僧が7年間で約4万キロを歩く千日回峯行は、過酷な荒行として知られています。この行は、仏様と行者との約束で行なうもので、もし行者が歩けなくなった場合、周りの人は助けてはならないという決まりがあるそうです。 

もし行者が何らかの理由で行を中止したら、仏様と約束したことに対して嘘をついたことになるため、自分で責任を取らなければならないという、なさけ容赦ない決断を求められるそうです。

 

酒井雄哉師は、その厳しい千日回峯行を、一回目は54歳、二回目は62歳という高齢にもかかわらず二度も満行されました。また年齢だけでなく、体力的にも精神的にも極限状態に置かれる行を通して、それを乗り越えるためにさまざまな気づきを得ることができたそうです。例えば、千日回峯行の中で苦行・難行と言われる「堂入り」は、九日間不眠・不臥・断食・断水状態で行われ、生きたままで出堂できるかどうかわからないため“生き葬式”とよばれる儀式が行われるほど過酷な行です。

 

酒井師は、その堂入りで差し入れされたうがい用の水についての体験を次のように語っています。

 

「6日か7日ぐらいになってくるとね、やっぱり幻想とかね、いろんな現象が現れてきたりするんですよね。お水なんかでもね、持ってきてもらってうがいするでしょ。(中略)

 

今までね、水気とかそういうもの忘れてたから、うがいすると、寝た子に鞭打って叩き起こすようじゃない。そうしたら最後、早く次の水こないかなとか、口の中カチカチだあとか、そういう雑念が入ってくるわけですよ。そのうちに、行は一生懸命やってるので、もうひとつ後ろにいる自分が肩たたいて、『おまえな、これ、長く持つ方法考えたほうがいいぞ』ってわけ。(中略)

 

年寄りだとか病人さんが氷の塊を舐めているのを思い出してな。そうか、含みながらうがいする方法を考えたらいいんじゃないのって。口に舌でもって水をくるくるくるくるやって、いい加減になったらぱっと出してるとね、その水が長く行ったり来たりすることになる。水をこう味わったとき、口ん中にね、なんとも言えない甘みを感じるんだよね。この甘い感触をどんだけの人が知ってるだろうかってね」

(CD『大阿闍梨酒井雄哉が語る「今」を大切にする生き方』Disc2「一日が一生」より)

 

それから酒井師は、「何のために、この水でうがいしているのか」と考え、水の大切さを思い水への感謝の心がさらに深まっていくのです。

 

私たちが普段何気なく目にしているものや口にしていることが、このような極限状態を通して、意味や教えがあることに気づかされる。酒井師の行から、学ぶべきことはたくさんあるようです。

 


 

酒井雄哉 (さかい ゆうさい)

比叡山飯室谷不動堂長寿院 住職

戦時予科練へ志願し、鹿屋にて終戦、戦後職を転々とするが、いずれもうまくいかず、叔母の勧めもあって比叡山へ上がる。ご縁あって小寺文頴師の弟子となり、四十歳で得度をする。1971年より、三年籠山に入り1974年に満行。比叡山宝珠院の住職を拝命される。四十九歳で箱崎文応阿闇梨に転師、1975年4月、千日回峯行に出峯、満行後にさらにその半年後、二千日回峯へと行を断行。比叡山の歴史で過去、二千日回峯の満行者は文献からしても、四百年間の中で三人目の仏行者。著書多数。 

 


 

37761酒井CD 表紙.jpgCD

大阿闍梨 酒井雄哉が語る
 「今」を大切にする生き方
 』

生きるとは何か――。いかに生きるべきか――。
千日回峯行を二度も満行し、国内外で数多くの巡礼を続けてきた酒井雄哉師が、自らの体験談を交えながら「生きることの大切さ」を語ります。厳しい修行に裏打ちされた滋味あふれる言葉の数々は、混迷の時代に生きる現代人に生きる力を与えてくれるでしょう。

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