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浜田広「上司は部下の役に立つべき存在である」

浜田広「上司は部下の役に立つべき存在である」

(2017年1月18日更新)

 
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49歳でリコーの四代目社長に就任、バブル崩壊の危機などを乗り越え、長期に渡る増収増益の基礎を築いた浜田広氏の人材育成論をご紹介します。

 

*   *   *

 

「上司の役目とは何か」に対する答えは人それぞれだろう。目標を達成することで企業業績に貢献するのも上司の役目なら、部下を指導して部下を育てるのも上司の役目である。では、そんな上司に必要なことは何かというと、「納得」と「お役立ち」であるというのがリコー四代目社長・浜田広氏の考え方である。

 

「自分が納得できない仕事はしなくてもいい」

浜田氏は1983年、49歳でリコーの四代目社長に就任、バブル崩壊の危機などを乗り越え、長期に渡る増収増益の基礎を築いた経営者である。1996年にリコー会長に就任、日経連(現・日本経団連)副会長なども務めている。

役員時代、浜田氏は「自分が納得できない仕事はしなくてもいい」という発言をしたことで知られている。聞きようによっては「やりたくない仕事はやらなくてもよい」とも取れるが、真意はこういうことだ。

浜田氏によると、納得できない仕事を納得できないままにやっていると、たいした成果は期待できないが、反対に素晴らしい成果を上げている人は、自分で納得して、自分で考えて、自分の責任で行動しているものだ。

つまり、部下は「上司の命令だから」と納得のいかないままに仕事をするのではなく、納得できない時はすぐに上司にそれを表明する。そんな時、上司は頭ごなしに「命令だ、やれ」と言うのではなく、「お前はそんなふうに理解していたのか。そういうことではなく、こういうことなのだよ」と分かりやすく説明をする。結果、部下が「それなら分かりました。納得しました」となって仕事をすることが大切だ、というのが浜田氏の発言の真意だった。

人は権力や権限だけでは動かない。人を動かすためには理解や納得が欠かせない。上司と部下も同じことで、お互いに理解と納得を得ながら仕事を進めてこそ素晴らしい成果を上げることができる。

 

「上司は部下の役に立つべき存在である」

浜田氏がもう一つ言い続けていたのが「上司は部下の役に立つべき存在である」だ。多くの場合、上司は部下を「役に立つ」かどうかで評価する傾向があるが、浜田氏は上司が部下の役に立つべきと考えていた。理由はこうだ。

上司から見れば、営業の場合、部下の向こうにお客さまがいる。工場なら、部下の向こうに技術や商品がある。つまり、部下の向こうに企業にとって最も大切なお客さまがいて、商品や技術があるのだから、上司は部下たちが良い仕事ができるようにいかに役に立つかを考えなければならないというのが浜田氏の考え方だ。

浜田氏は言う。

「部下たちがより楽をして、よりたくさんの成果が上がるように、部下の役に立つことをするのが上司の仕事」

 

上司と部下の関係についての考え方は上司によって違ってもかまわない。しかし、忘れてはならないのは、部下の向こうにお客さまがいることであり、部下の「〇〇しやすさ」を実現することはお客さまの「〇〇しやすさ」を実現することにもなるということだ。そのためにも上司と部下は日ごろからしっかりとしたコミュニケーションをとり、理解と納得のもとにいい仕事をすることが必要だ。

 

 

参考文献 『浜田広が語る「随所に主となる」人間経営学』(浜田広・大塚英樹著、講談社)

 

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【著者プロフィール】

桑原晃弥(くわばら・てるや)

1956年、広島県生まれ。経済・経営ジャーナリスト。慶應義塾大学卒。業界紙記者、不動産会社、採用コンサルタント会社を経て独立。人材採用で実績を積んだ後、トヨタ式の実践と普及で有名なカルマン株式会社の顧問として、『「トヨタ流」自分を伸ばす仕事術』(成美文庫)、『なぜトヨタは人を育てるのがうまいのか』(PHP新書)、『トヨタが「現場」でずっとくり返してきた言葉』(PHPビジネス新書)などの制作を主導した。

著書に『スティーブ・ジョブズ全発言』『ウォーレン・バフェット 成功の名語録』(以上、PHPビジネス新書)、『スティーブ・ジョブズ名語録』『サッカー名監督のすごい言葉』(以上、PHP文庫)、『スティーブ・ジョブズ 神の遺言』『天才イーロン・マスク 銀河一の戦略』(以上、経済界新書)、『ジェフ・ベゾス アマゾンをつくった仕事術』(講談社)、『1分間アドラー』(SBクリエイティブ)などがある。

 


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