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研修を受けさせても、なぜ社員の行動が変わらないのか

研修を受けさせても、なぜ社員の行動が変わらないのか

(2016年12月16日更新)

 
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研修を受講させても変わらない、行動変容が見られないというケースがあります。何が原因なのでしょうか? 研修受講後に変化した意識やアクションを持続させる仕組みを解説します。

 

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「研修はとても大切ですし、必要性も理解しているのですが、せっかく受講させてもなかなか変化してくれなくて……」。人材育成の責任者やご担当者から、よくお聞きするご意見です。

実際、私も民間企業で人材育成企画の責任者をしていたときのもっとも大きなテーマは“いかに行動変容させるか”ということでした(もちろんその先の成果獲得も見据えての観点です)。

 

研修受講後の行動変容が阻害される要因

研修を通して、受講されている方の意識やマインドは着実にプラス方向にシフトしています。したがって冒頭の文章を正確に表現し直すと「変わったけれども、元に戻ってしまう(可能性もある)」ということになります。これは、どうしてでしょうか。

 

理由はいくつか挙げられますが、比較的多いケースが、“(研修を終えて)職場に戻ってみると周囲は今までと何も変わっていない”という現実です。

 

研修会場は“非日常空間”と言えます。そのような環境で、忙しい日常の中ではなかなか考える時間が確保できない本質的な課題やご自身のスタンスにじっくりと向き合っていただきますから、意識やマインドが変化するのはある意味当然の成果です。

 

研修を受講された方たちは、各々が気づきや学びを得て、あるいはアクション・プランを設定し、モチベーションを高くもってそれぞれの職場に戻っていかれます。そして、さっそく“やってみる”わけですが、最初は意識しないとなかなか習慣化しない、あるいは、今までと少し違う言動や振る舞いを職場の仲間の前で実行するのは、照れくささに似た感情も湧き起こるかもしれません。

 

先輩社員から「研修から帰ってきたと思ったらどうしたんだ? お前、少し変だぞ」、あるいは部下から「課長、最近何か具合でも悪いのですか?」などと言われ、(先輩や部下に悪気はないのでしょうが)すぐに以前と変わらない自分に収まってしまった、などという笑えない実話もあります。

 

確実に変化した意識やアクションを継続させる仕組み

私が担当しているPHPゼミナールでは、研修を通して受講者ご本人のコミットメントレベル、すなわち本気度を高めるためのエッセンスをふんだんに盛り込んでご提供しています。

例えば「課長研修」では、講義中心の進め方ではなく、グループ討議や演習を通じてご受講者自らが「気づき」、「発見」することを大切にしています。そして「組織の変革は自己のリーダーシップから」という考え方を繰り返しお伝えし、研修の最後には、明日からの行動についての決意表明をしていただきます。

さらに、事後課題として『指導者の条件』(松下幸之助 著)を課題図書としてお渡しし、職場に戻ってから、松下幸之助の人材育成理念である“「衆知」を集めた強いチームづくり”について振り返り、考えを深めていただいています。

また、研修の効果を高めるためには、なぜやるか、何のためにやるか、どこを目指すためにするのかを、責任者と受講生とが共有することが欠かせません。昇進昇格、人事考課とどう密接に関連付けるかもポイントとなります。

ですので、担当講師として確実に変化した受講生の意識やアクションを継続させるための風土づくり、あるいは上司や同僚の方を巻き込んだ行動変容を支援する職場環境の仕組みづくりなども、あわせてご提案しています。

 

研修は、受講後の行動変容とその後の成果獲得が最終的な目標となります。企業で人材育成を担当される皆さんと共に、受講前、受講後の職場での取り組みと連携しつつ、着実に成果があらわれる研修をつくっていきたいと思います。

 

課長研修

 


 

【講師プロフィール】

北川智章 きたがわ・ともあき
人材育成コンサルタント。
1989年、キヤノン販売株式会社(現キヤノンマーケティングジャパン株式会社)に入社。エリアセールスを経て、民間大手企業のアカウント営業を担当。顧客の取引先満足度調査第1位を獲得したことをはじめ、多くの大型案件を獲得。1996年~人材育成事業に携わる。研修トレーナー、コンテンツ開発リーダー、研修企画プランナーを歴任し、その後、人材開発コンサルティング業務に従事。2009年~ビジネスソリューションカンパニーの人材育成事業責任者に就任。カンパニー人材像の策定、若手中長期育成計画、世代別・階層別プログラムメンター制度などを企画・推進する。
2013年、人材育成コンサルティング「パフォーマンス@デザイン」代表として独立。現在、PHPゼミナール講師。


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