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「ゆとり教育世代」の受け入れ準備

「ゆとり教育世代」の受け入れ準備

(2013年10月21日更新)

 
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「ゆとり教育」を受けた若者たちが続々と社会人になっています。それに伴って、企業の現場では「ゆとり教育世代」の言動にとまどう上司や先輩が増えているそうです。

  

 

企業の職場を混乱させる「ゆとり教育世代」の言動

 

いったいどのような言動なのでしょうか。代表的な例をみていきましょう。

・遅刻や欠勤の連絡をメールでしてくる

・指示をしないといつまでも何もせずに待っている

・少し叱っただけで業務に支障が出るくらい落ち込む

・結果が出なくてもがんばってさえいれば評価してもらえるのが当たり前だと思っている

・仕事の話であっても話しやすい人としか会話をしない

・同期と比較されただけでやる気がなくなる

 

信じられないかもしれませんが、すべて実際の企業の現場で起こっているケースです。このようなことを何も疑問をもたずにしてしまうのが「ゆとり教育世代」だといわれています。

 

このようなケースに直面したとき、現場の人間は「なんでこんなやつを採用したんだ」と採用担当者にクレームを入れます。確かに、上記のようなケースが頻繁に起こっていると、現場の人は、指導がままならないばかりか、自分の業務にさえ支障が出てしまうでしょう。

 

しかし、怒りの矛先を採用担当者に向けるのは筋違いです。そもそも、怒りを覚えること自体間違っています。怒りを覚えて拒絶するのではなく、どうすれば彼らを社会人として正しい道へと導くことができるのかを考えていくべきでしょう。

 

「ゆとり教育」がつくる若者の価値観

 

株式会社じんざい社の柘植智幸氏は、このような現状を見て「彼らのことを理解しないと、彼らのことを育てることはできない」と言います。つまり、今まで通りの社員教育を押し付けるのではなく、彼らの育ってきた背景をよく理解し、彼らにあった教育をしなければならないのです。

 

では、「ゆとり教育」とは、どのような教育だったのでしょうか。その特徴をあげてみましょう。次のような例は、ニュースや新聞でよく取りあげられているのでご存じの方も多いと思います。

 

・学校が週休2日制

・授業内容がカット

・円周率が3

・運動会では順位をつけない

・学芸会では全員が主役

 

このような環境で育ってきた彼らが、どういう思考で、どう反応するのかを理解しておく必要があると柘植氏は言うのです。

 

たとえば、「運動会では順位をつけない」というケースで考えてみましょう。

 

「落ちこぼれをなくそう」「個性を尊重しよう」というスローガンのもと「ゆとり教育」はスタートしました。競争や順位づけをなくし、運動会では全員が1位、通知表は相対評価から絶対評価に変わりました。

 

その結果、「ゆとり教育世代」は、他と競争して結果を残すことではなく“努力をすることがほめられること”という価値観をもってしまったのです。

 

一方、上司世代の多くは、「同期は仲間であると同時にライバルだ」と考え、「同期よりも大きな成果をあげたい」「同期よりも早く出世したい」と当たり前のように考えているでしょう。そのため、周囲からは「同期の彼に負けないようにがんばれ」と叱咤激励され、本人たちもその言葉がモチベーションになり、それに応えるために必死に働きます。

 

もし、「ゆとり教育世代」にも同じように「同期の彼に負けないようにがんばれ」と言ったとしたらどうなるでしょうか。おそらく、期待通りの反応は返ってこないでしょう。むしろ、「なんで負けないようにがんばらないといけないのか」「どうして競争させられるのか」と疑問をもってしまうでしょう。さらにひどい場合は、「がんばっているのに、なんでほめてくれないんだ」とモチベーションが下がってしまうことも考えられます。

 

このように、「ゆとり教育世代」と上司世代には考え方や価値観の大きなギャップが存在します。今まで当たり前だと思われていたことが当たり前ではなくなったのです。それは、上司世代と「ゆとり教育世代」が経験してきたことの多くがまったく違うものだからです。

 

新入社員の受け入れ準備は

 

これからの内定者教育、新入社員教育は、そのような前提に立って考えていくべきではないでしょうか。そして、今までの常識を押し付けるのではなく、彼らとのギャップを理解し、そのギャップを埋めていく教育方法を考えていく必要があります。

 

内定式が行なわれる10月から入社までの半年間。研修、通信教育、書籍、eラーニングなどを使って内定者に教育をする企業が多くあります。これらは、社会人としての心構えやマナーを身に付けさせるうえで欠かすことはできません。しかし、内定者に教育を行なうと同時に、企業側も今まで以上に新入社員を受け入れる準備をしていくことが求められているのではないでしょうか。

 

 PHP研究所 企画制作部 海野翔太

内定者フォロー研修・通信教育


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