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社員研修の効果を高める運営と環境づくり

社員研修の効果を高める運営と環境づくり

(2014年3月10日更新)

 
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社員研修の担当者は、自らの使命・役割と立ち位置を充分に自覚し、効果を最大にする運営と環境づくりに努めなければなりません。そのポイントを『[実践]社員教育推進マニュアル』より、ご紹介します。

 

*  *  *

【ポイント】
・教育担当者の自社における使命、役割、責任を自問自答しよう。その自覚が人を育む
・研修では、受講者の上司はもちろん、経営トップ、全社の協力も取り付けよう
・研修には、受講者同士、教育担当者と受講生の交流による相互理解という効果もある
 

誰のための人材育成か

教育担当者は、社内では「育成」の専門職である(兼任もある)。「育成」が仕事である以上、多様なステークホルダー(利害関係者)が存在する。
 
 1)受講者
 2)受講者の上司
 3)自身の上司、もしくは経営トップ
 
したがって、「研修効果」というときに、一体、誰にとっての効果なのかということが問われるわけである。各研修を実施するごとに、「誰にどのような効果をもたらすことが自らの使命(ミッション)であるのか」を自問自答していただきたい。教育担当者は、トリプルミッションである。なお、本節では、「受講者」にとっての効果的運営と環境について言及する。
 
自身の立ち位置を明確にすることも大事である。例えば、自分は「マネジメント研修を実施する立場」なのか、「マネジャーを育成する立場」なのか。当該研修において、自らの役割を自覚することが、受講者に対する責任のひとつとなる。
 

研修参加への第一歩――教育担当の仕事は仕組みづくりから

さて、どこからが研修の始まりだろうか。受講者にとっては、研修参加の案内がなされるところからである。この段階で、受講者本人に、「なに、研修だって? この忙しいのに、そんな暇あるか」「教育担当のご都合主義で研修を受けさせられるのは勘弁願いたい」「まあ、たまの息抜きにはなるか」などという発言をされるようでは、研修効果も何もあったものではない。
 
職場の上司を通じて、研修参加への意味づけと動機づけを図れるかどうか。研修前に受講者が自ら目標設定や自主的な事前学習を行えるかどうか。教育担当の仕事はこの仕組みづくりから始まるのである。
 

研修に経営トップを巻き込む

いよいよ研修本番。ここでもやはり大切なのは、最初である。研修冒頭に、次のようなことを心がけねばならない。
 
 1)研修の目的やねらいを再確認する
 2)研修におけるルールを明確にする
 3)受講者の動機づけを図る
 4)普段の実力が研修内でも遺憾なく発揮できるように受講者をリラックスさせる
 
なお、研修の目的やねらいの確認は、教育担当者ではなく、企業のトップや人事部門の責任者が行うほうが有効な場合がある。
 
こうした機会に経営理念や経営方針を確認することもでき、社員に対する経営トップの思いや期待を伝えてもらうこともできる。経営トップをどれだけ巻き込めるかが、教育担当者の腕の見せどころと言えよう。
 

研修の副産物

研修の目的は、研修の内容そのものの習得という面もあるが、受講者同士の交流による切磋琢磨や、部門を越えた者同士のコミュニケーションによる社内活性化、ひいては、教育担当者と受講生の交流による相互理解といった面もあり、後者は集合研修の醍醐味でもあろう。外部講師の場合には、外の世界の刺激を得ることにもなる。
 
したがって、研修中の休憩時間は比較的余裕をもって確保し、受講者同士、受講者と講師の雑談を促すのもよいだろうし、研修後に懇親会を実施して交流を促進させるのもよい。一度、同じ研修時間(=苦楽)をともにした者同士の会話は弾むものである。
 
ただし、研修そのものとのメリハリはつけること。例えば2日間にわたる研修や合宿研修の場合、懇親会で深酒しすぎたり羽目を外しすぎたりすると、研修運営に支障を来すことになり、また、休憩時間にリラックスしすぎると、休憩後のテンションの立ち上げが困難になる。何事もバランスが大事である。
 
 
 ※出典:『[実践]社員教育推進マニュアル』(2009年1月・PHP研究所発行)
 
 

 
 

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【著者プロフィール】
 
茅切伸明  かやきり のぶあき 
慶應義塾大学 商学部卒業後、(株)三貴入社。 その後、(株)日本エル・シー・エー入社。 
平成1年3月 住友銀行グループ 住友ビジネスコンサルテイング(株)(現SMBC コンサルティング(株))入社。セミナー事業部にて、ビジネスセミナーを年間200 以上、企業内研修を50以上担当し、他社のセミナーを年間50以上受講する。 
平成18年4月 (株)ヒューマンプロデュース・ジャパンを設立。「本物の教育」「本物の講師」「本物の教育担当者」をプロデュースするという理念を掲げ、現在まで年間500以上、累計3,000以上のセミナー・研修をプロデュースするとともに、セミナー会社・研修会社のコンサルティング、セミナー事業の立ち上げ、企業の教育体系の構築なども手掛ける。 
著書に、『実践社員教育推進マニュアル』、通信教育『メンタリングで共に成長する新入社員指導・支援の実践コース』(以上、PHP研究所)、『だれでも一流講師になれる71のルール』(税務経理協会) 
 
 
松下直子 まつした・なおこ 
株式会社オフィスあん 代表取締役。社会保険労務士、人事コンサルタント。 
神戸大学卒業後、江崎グリコ(株)に入社。新規開拓の営業職、報道担当の広報職、人事労務職を歴任。現在は、社会保険労務士、人事コンサルタントとして顧問先の指導にあたる一方、民間企業や自治体からの研修・セミナー依頼に応え、全国各地を愛車のバイクで巡回する。
「人事屋」であることを生涯のライフワークと決意し、経営者や人事担当者の支援に意欲的に向き合うかたわら、人事部門の交流の場「庵(いおり)」の定期開催や、新人社会保険労務士の独立を支援するシェアオフィス「AZ合同事務所」の経営など、幅広く人材育成に携わっている。
著書に、『実践社員教育推進マニュアル』『人事・総務マネジメント法律必携』」(ともにPHP研究所)、『採用・面接で[採ってはいけない人]の見きわめ方』」『部下育成にもっと自信がつく本』」(ともに同文舘出版)ほか。

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