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社員教育体系のつくり方

社員教育体系のつくり方

(2014年5月 7日更新)

 
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経営戦略に基づく人材を育成するためには、階層別、職種別、目的別に教育テーマを抽出し、能力開発の方法を体系化する必要があります。『実践 社員教育推進マニュアル』よりそのポイントをご紹介します。

 

【ポイント】
・教育担当者は教育コンサルタントになったつもりで教育体系をつくる
・教育体系はタテ軸・ヨコ軸に何を設定するかで決まる
・プロセスを明確にし、スケジュールを立てておくことで確実に推進できる
 
 
 

教育体系の設計

 
経営戦略に基づく人材を育成するためには、階層別、職種別、目的別に教育テーマを抽出し、能力開発の方法を体系化する必要がある。教育体系は、決して経営者と教育担当者だけでつくるものではない。現場の上司や社員のニーズをしっかり把握してつくりあげることが大切である。
 
教育体系を構築するための成功ポイントは、最初のステップにある「教育ニーズの収集」にある。教育ニーズを収集するには、経営者のニーズ、上司のニーズ、現場の社員のニーズ、そして、長期的ニーズ、短期的ニーズ、また会社のニーズ、業務上のニーズ、個人のニーズなど多角的に見る必要がある。経営の課題は何で、その課題に対して誰にどのような教育をしていくか、教育の課題を明らかにすることである。
 
教育担当者は、教育コンサルタントになったつもりで、経営者や現場の上司や社員を「顧客」と見なして、現場の上司や社員にとっての要望や満足を追求するくらいの気持ちで取り組んでいただきたい。
 
教育体系はどのようなステップで設計していくのか、はじめに全体の流れを確認しておく。
基本的には6つのステップをふまえて教育体系を構築していく。詳しくは下の図表を見ていただきたい。
 
 
教育体系設計のプロセス
 

教育体系 2つの構築パターン

 
教育体系にはその会社独自の考え方や特色が出る。階層別研修からはじめていって、その後職種別、目的別の研修に展開していくパターンと、最初からしっかり教育体系を設計して、個別の研修を展開していくパターンがある。
 
一般的に、教育体系はタテ軸に役職や等級などの階層のセグメント、ヨコ軸は階層別・職種別や目的別など研修をセグメントしたマトリックスで考えると分かりやすい。その横に、選抜研修、選択研修、キャリアデザイン研修などを配列する企業が多い。分かりやすいモデル例として社員1200名の製造業の教育体系を紹介しておく。
 
製造業の教育体系
 

構築のスケジュール化

 
教育体系を新たに構築する場合は、スケジュールを立てて行わないと、なかなか前に進まないことが多い。また、他社のものを真似て形だけ整えてみても意味がない。教育体系設計のプロセスはどこまで精緻にやるか、研修会社と共同で設計するのか、外注することで任せてしまうのかで大きく工程が変わってくる。まずは、何をどの順番でいつやるのかを決める必要がある。
 
一般的に教育体系の構築や見直しには、1年間程度の期間をとることが望ましい。しかし、教育企画だけが仕事ではない教育担当者にとって、じっくり時間をかけて行うことは難しいかもしれない。業務の繁閑を見極めて、他の仕事に支障のないように取り組んでいただきたい。
 
特に、経営者からのヒアリング、現場のニーズ調査は重要である。ここを疎かにすると良い教育体系はつくれない。さらに、今日のような厳しい時代にはなかなか希望の教育予算が取れないことが多く、事前に必要な費用を見積もっておいたほうがよい。
 
次に、基本的なスケジュール表を掲載するが、このスケジュール通りに進める必要はないので柔軟に進めていただきたい。同時並行でやったほうがいいこともあるので、効率的に進めることが望ましい。
 
教育体系構築のスケジュール
※出典:『[実践]社員教育推進マニュアル』(2009年1月・PHP研究所発行)
 
 
 
【著者プロフィール】
 
茅切伸明  かやきり のぶあき 
株式会社ヒューマンプロデュース・ジャパン 代表取締役。
慶應義塾大学商学部卒業後、(株)三貴入社。 その後、(株)日本エル・シー・エー入社。 平成1年3月 住友銀行グループ 住友ビジネスコンサルテイング(株)(現SMBC コンサルティング(株))入社。セミナー事業部にて、ビジネスセミナーを年間200 以上、企業内研修を50以上担当し、他社のセミナーを年間50以上受講する。 平成18年4月 (株)ヒューマンプロデュース・ジャパンを設立。「本物の教育」「本物の講師」「本物の教育担当者」をプロデュースするという理念を掲げ、現在まで年間500以上、累計8,000以上のセミナー・研修をプロデュースするとともに、セミナー会社・研修会社のコンサルティング、セミナー事業の立ち上げ、企業の教育体系の構築なども手掛ける。 
著書に、『実践社員教育推進マニュアル』、通信教育『メンタリングで共に成長する新入社員指導・支援の実践コース』(以上、PHP研究所)、『だれでも一流講師になれる71のルール』(税務経理協会) 
 
 
松下直子 まつした・なおこ 
株式会社オフィスあん 代表取締役。社会保険労務士、人事コンサルタント。 
神戸大学卒業後、江崎グリコ(株)に入社。新規開拓の営業職、報道担当の広報職、人事労務職を歴任。現在は、社会保険労務士、人事コンサルタントとして顧問先の指導にあたる一方、民間企業や自治体からの研修・セミナー依頼に応え、全国各地を愛車のバイクで巡回する。
「人事屋」であることを生涯のライフワークと決意し、経営者や人事担当者の支援に意欲的に向き合うかたわら、人事部門の交流の場「庵(いおり)」の定期開催や、新人社会保険労務士の独立を支援するシェアオフィス「AZ合同事務所」の経営など、幅広く人材育成に携わっている。
著書に、『実践社員教育推進マニュアル』『人事・総務マネジメント法律必携』(ともにPHP研究所)、『採用・面接で[採ってはいけない人]の見きわめ方』『部下育成にもっと自信がつく本』(ともに同文舘出版)ほか。

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