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メンター制度導入のポイント

メンター制度導入のポイント

(2014年10月10日更新)

 
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メンター制度は、離職を防ぐことではなく、人を育てる風土を育てることが目的になります。制度導入のポイントを『実践 社員教育推進マニュアル』からの転載でご紹介します。
 
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メンターの育成事例

メンター役の呼称はメンターのままでもよいし、目的や立場にふさわしいものにすればよい。
お兄さん、お姉さん、里親と呼んでいるところや、OJTリーダー、指導係、チューターなど呼称はいろいろある。
先輩のメンターと新入社員のメンティは、基本的には1対1であるが、先輩3名対新入社員1名という形を取っているところもある。
メンターには、相談に応じる能力と指導能力の両方が必要である。そのため、相応の人物を選出しなければならないし、選出後も、一定の学習を経てからその任に就かさねばならない。メンターが学習すべき内容は専門的であるため、メンター育成研修は、専門的に学習した社内インストラクターが行うか、社外の専門家に依頼するのがよいだろう。ブラザー・シスターの場合は、仕事の仕方や流れを教えるだけなので、そこまで高度な技能は求めなくてよい。
 

メンターの役割

1 学生と社会人の違いを認識させる
2 社会人としての行動規範を示す
3 仕事への取り組み姿勢や考え方を教える
4 上司や先輩などの仲介役となる(紹介をするなど)
5 悩み、迷いのよき相談相手となる
6 不安を取り除き、スムーズな成長、思い切った挑戦を支える
7 自分がモデルとなり、キャリアビジョンを描かせる
8 周囲の攻撃から守る
9 成功のイメージを抱かせる
10 適切なアドバイスをする
 

メンターに必要な資質と能力

1 会社の規律を守り模範行動を示せる
2 業務をスムーズに遂行できる
3 自立している
4 積極的向上心、自己啓発能力がある
5 コミュニケーション能力がある
6 指導能力がある
7 相談能力がある
8 将来へのビジョンを持っている
 

メンター制度をうまく機能させるために

メンター制度は効果が期待できる部分が大きい反面、注意すべき点もある。
・直属の上司や10歳以上年齢が離れた先輩社員は、メンターに就かない。入社3~5年目の先輩が理想的だが、2年目の社員でもよい。
・なんでも相談に乗るとメンターへの依存心が強くなるので、注意する。
・メンター制度は、離職を防止することが目的ではない。人を育てる風土をつくることと、若手社員の部下指導力を養成することが目的である。
・メンターには、人を育てるという熱意があるかどうかが問われる。メンターと上司とが情報交換をしながら連携・協力していけるかどうかが、成果を大きく左右する。
・この制度を実施する前に、会社として、メンターの研修を実施することはもとより、相談しやすい社内の雰囲気をつくっておく。
・メンター制度を導入した初年度は、役職者への説明会、せめて上司への説明会を開催しておく。また、メンター研修を実施する場合、メンター制度の説明・役割などの部分を所属長が一緒に受講してもよい。
・メンターを経験することを昇進のときの評価に加味することや、優秀なメンターを表彰する制度があるとさらによい。
 

メンター制度と五月病対策

新しい環境や人間関係にうまく馴染めないことから、心身に不調を来す新入社員が少なくない。いわゆる「五月病」である。職場に配属されて1カ月余り、朝起きるたびに吐き気や頭痛、腹痛に襲われ、遅刻や欠勤を繰り返すような社員が増えているという。職場に溶け込めないために自己嫌悪に陥り、退職してしまうケースも出てきている。
 
【五月病を誘う疑問や不安、不満】
・「毎日会社に来て、同じ仕事をただ漫然と繰り返していいのだろうか」
・「もっと自分に合った仕事があるのではないか」
・「希望していた仕事に配属されなかった」
・「人間関係に疲れた」
・「仕事についていけない」
 
このように悩みはじめるのは、ちょうど緊張が緩む五月初旬くらいからが多い。悩みがストレスとなり、何とかしようと焦れば焦るほどそのことで頭が一杯になってしまい、目指すべき目標まで見失いかねない。特に、次のような人が五月病になりやすい傾向にある。
・理想の高い人
・まじめで責任感の強い人
・おとなしく内向的な人
・感情を抑えてしまう人
・相談相手のいない人 など
 
メンタルヘルス対策として、周囲が配慮し、会社としてサポートしていく必要がある。職場の上司や先輩の声かけが、五月病予防に最も効果がある。
 
ひと昔前のように、飲食に誘って「がんばれ!」とか「俺たちの若い頃は……」と精神論で接しても、新入社員の悩みは解消されない。新入社員が五月病を乗り越えて生き生きと健康的に働くためには、「働きやすい環境づくり」としてメンター制度を導入し、一人ひとりをきめ細かくケアすることが肝要である。
 
※出典:『[実践]社員教育推進マニュアル』(2009年1月・PHP研究所発行)
 
 
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新入社員教育
 
 
 
 
 
【著者プロフィール】
 
茅切伸明  かやきり のぶあき 
慶應義塾大学 商学部卒業後、(株)三貴入社。 その後、(株)日本エル・シー・エー入社。 
平成1年3月 住友銀行グループ 住友ビジネスコンサルテイング(株)(現SMBC コンサルティング(株))入社。セミナー事業部にて、ビジネスセミナーを年間200 以上、企業内研修を50以上担当し、他社のセミナーを年間50以上受講する。 
平成18年4月 (株)ヒューマンプロデュース・ジャパンを設立。「本物の教育」「本物の講師」「本物の教育担当者」をプロデュースするという理念を掲げ、現在まで年間500以上、累計3,000以上のセミナー・研修をプロデュースするとともに、セミナー会社・研修会社のコンサルティング、セミナー事業の立ち上げ、企業の教育体系の構築なども手掛ける。 
著書に、『実践社員教育推進マニュアル』、通信教育『メンタリングで共に成長する新入社員指導・支援の実践コース』(以上、PHP研究所)、『だれでも一流講師になれる71のルール』(税務経理協会) 
 
 
松下直子 まつした・なおこ 
株式会社オフィスあん 代表取締役。社会保険労務士、人事コンサルタント。 
神戸大学卒業後、江崎グリコ(株)に入社。新規開拓の営業職、報道担当の広報職、人事労務職を歴任。現在は、社会保険労務士、人事コンサルタントとして顧問先の指導にあたる一方、民間企業や自治体からの研修・セミナー依頼に応え、全国各地を愛車のバイクで巡回する。
「人事屋」であることを生涯のライフワークと決意し、経営者や人事担当者の支援に意欲的に向き合うかたわら、人事部門の交流の場「庵(いおり)」の定期開催や、新人社会保険労務士の独立を支援するシェアオフィス「AZ合同事務所」の経営など、幅広く人材育成に携わっている。
著書に、『実践社員教育推進マニュアル』『人事・総務マネジメント法律必携』(ともにPHP研究所)、『採用・面接で[採ってはいけない人]の見きわめ方』『部下育成にもっと自信がつく本』(ともに同文舘出版)ほか。

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