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新入社員フォロー研修は、なぜ重要なのか

新入社員フォロー研修は、なぜ重要なのか

(2015年1月20日更新)

 
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「新入社員フォロー研修」の重要性が再認識されています。入社して3カ月経ったころに研修を行なうと、具体的にどのような効果があるのでしょうか。『実践 社員教育推進マニュアル』からの転載でご紹介します。

 

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新入社員フォロー研修の実施時期と効果

新入社員は、入社数カ月経つと、「これでよかったのか」と疑問を持ち始め、「失敗してしまった」「自信がない」など、独りで悩みを抱えて行き詰まってしまうことがある。そして、友人と比較をし、氾濫する転職の情報が気になって、迷いを生じる。

そうしたとき、一緒に入社した仲間と失敗談や成功談を語り合うだけでもフォローの効果があり、適切なインストラクターの指導のもと、悩みを解消しながら次へのステップアップを学習すると効果的である。

フォロー研修の実施は、社員に対する期待のアピールともなるため、この時期に、フォロー研修の主旨を伝えるとなおよい。

これまで「新入社員フォロー研修」は、入社半年後に実施するということが一般的だったが、新入社員の早期退職傾向を考慮すると、今後は3カ月後に実施することが必要である。

フォロー研修は、入社前研修、新入社員研修以上に効果がある。入社時の研修は新入社員もよく分からないまま受講している。配属されてはじめて仕事も見えてきて、悩みも増えてくる。そういう時期のほうが問題意識が高く、具体的な質問がたくさん出てくる。不安を少しでも早く解消することが「五月病」を克服する契機になるとともに、辞職者を確実に減らすことにもつながる。

 

【新入社員フォロー研修の効果】

・実際の現場を体験することで、何が足りないか、何を学ぶべきか目的がはっきりする

・仕事内容や上司の期待が分かっているので、具体的な目標設定がしやすい

・同期だからこそ話せることがあり、安心感を与えると同時にモチベーションも上がる

・悩みが解消され、ストレスを解消できる

・新入社員がどんなことで悩んでいるのか情報収集し、上司にフィードバックできる

 

 

新入社員フォロー研修の内容

新入社員フォロー研修に組み込むべき内容は、「入社時に行った研修内容が職場で活かされているか」「自分の目標を達成するために克服すべき課題は何か」など、それぞれの社員の「自己認識」を深めるワークを取り入れることが大切である。

 

【新入社員の悩みの原因の例】

・上司や先輩が忙しいので、相談したくても話しかけづらい

・仕事でミスをして叱られることがつらい

・残業続きで自分の時間が取れない

・仕事が自分に向いているのか分からない

・先輩を見ていると、会社で頑張る気が失せてくる

・上司との相性が合わない

 

「困っていること」「悩んでいること」「うまくできていないこと」を聞き出すと、仕事を教えてもらえない、コミュニケーションや人間関係といったことで悩んでいる場合が多い。彼らの気持ちをしっかり受け止めて、仕事がうまくできるようになるには時間がかかることを教えていくことが大事である。課題がはっきり分かったことだけでも成長になると伝えるとよい。その課題を一つひとつ乗り越えていくことが、さらなる成長につながることも教えておく。3カ月後のフォロー研修の後も、継続的に「6カ月後」「2年目になる前」といったタイミングで研修を実施することが効果的である。

 

受け入れ側に求められること

受け入れる側としてはどうしても「即戦力」を期待してしまうものだが、むしろ人間として大切なこと、例えば努力、忍耐、感謝、また社会人としてのマナーやしつけ、人間関係といった、本来家庭や学校で教わっているべき事柄を、今後は会社でじっくり教育していくことが求められている。会社はそれを覚悟しておくべきであろう。

できれば採用担当者も研修を見学し、彼らがどのように成長しているかを知っておくことも大切である。「次の採用で忙しいけれども、気にかけている」という姿勢が、彼らのモチベーションに影響を与えるだろう。このような人材に対する取り組みが、会社と新入社員の絆を深めていくことにつながるのである。

 

【新入社員のモチベーションが下がる理由】

 (1)仕事ができない

 (2)仕事を覚えきれない

 (3)失敗した

 (4)思い描いていたのと違う

 (5)やりたい仕事ができない

 (6)職場の人間関係が悪い

 (7)上司との相性が悪い

 (8)仕事がきつい

 (9)帰りたくても帰れない

 (10)休みが取れない

 

最初は、仕事ができず失敗するのは当たり前だが、そうした壁を先輩がどうやって乗り越えたのかといえば、以下のようなことが挙げられるだろう。

 

(1)相談に乗ってもらえる人がいた

(2)同じ気持ちでいる仲間がいた

(3)乗り越えたお手本に会えた

 

したがって、メンター(ブラザー・シスター)制度を設けることやフォロー研修を実施することは、とても重要なことなのである。

 

※出典:『[実践]社員教育推進マニュアル』(2009年1月・PHP研究所発行)
 
 
 
 
 
 
 
【著者プロフィール】
 
茅切伸明  (かやきり・のぶあき) 
慶應義塾大学 商学部卒業後、(株)三貴入社。 その後、(株)日本エル・シー・エー入社。 
平成1年3月 住友銀行グループ 住友ビジネスコンサルテイング(株)(現SMBC コンサルティング(株))入社。セミナー事業部にて、ビジネスセミナーを年間200 以上、企業内研修を50以上担当し、他社のセミナーを年間50以上受講する。 
平成18年4月 (株)ヒューマンプロデュース・ジャパンを設立。「本物の教育」「本物の講師」「本物の教育担当者」をプロデュースするという理念を掲げ、現在まで年間500以上、累計3,000以上のセミナー・研修をプロデュースするとともに、セミナー会社・研修会社のコンサルティング、セミナー事業の立ち上げ、企業の教育体系の構築なども手掛ける。 
著書に、『実践社員教育推進マニュアル』、通信教育『メンタリングで共に成長する新入社員指導・支援の実践コース』(以上、PHP研究所)、『だれでも一流講師になれる71のルール』(税務経理協会) 
 
 
松下直子 (まつした・なおこ) 
株式会社オフィスあん 代表取締役。社会保険労務士、人事コンサルタント。 
神戸大学卒業後、江崎グリコ(株)に入社。新規開拓の営業職、報道担当の広報職、人事労務職を歴任。現在は、社会保険労務士、人事コンサルタントとして顧問先の指導にあたる一方、民間企業や自治体からの研修・セミナー依頼に応え、全国各地を愛車のバイクで巡回する。
「人事屋」であることを生涯のライフワークと決意し、経営者や人事担当者の支援に意欲的に向き合うかたわら、人事部門の交流の場「庵(いおり)」の定期開催や、新人社会保険労務士の独立を支援するシェアオフィス「AZ合同事務所」の経営など、幅広く人材育成に携わっている。
著書に、『実践社員教育推進マニュアル』『人事・総務マネジメント法律必携』(ともにPHP研究所)、『採用・面接で[採ってはいけない人]の見きわめ方』『部下育成にもっと自信がつく本』(ともに同文舘出版)ほか。

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