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部下に嫌われても、ハードな仕事で能力を引き出せ

部下に嫌われても、ハードな仕事で能力を引き出せ

(2015年1月29日更新)

 
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部下に嫌われても、能力を引き出す――これが、できる上司の鉄則です。インバスケット式できる上司の思考法・行動法を、『何が起こっても一瞬で対処できる上司が使う50のキーワード』(鳥原隆志著)からご紹介します。

 

*  *  *

 

私が専門としているインバスケットでは、限られた時間で多くの案件を処理してもらうトレーニングを主としています。例えば60分で20案件を処理してもらうなど、かなりハードでもあり、多くの方がインバスケット試験終了後は汗をかいたり、脱力したりしています。しかし、彼らがそこで言うのは「自分の限界を知った」ということです。

 

人間が一番能力を伸ばすのは、自分の限界点に到達したときです。上司も修羅場を経験することで、上司としての考え方や判断力、部下への接し方が変わります。それは部下も同じなのです。

 

部下に限界点まで達する仕事を与えることで部下は成長します。ですから、部下の能力を引き出すには、能力発揮度80%でできる仕事では不十分であり、120%ほどの仕事を与えてこそ能力は発揮されます。

 

一方で、限界まで追い詰めると部下には嫌われるでしょう。一部のモチベーションの高い部下は、ありがたいと思うかもしれませんが、多くの部下は悲鳴を上げるかもしれません。

 

私も以前とんでもない上司の下で働きました。雲をつかむような指示を出されたり、目標を何度も引き上げられたり、当時はもうこの人の下で働きたくないと思いました。

「それはできません」「いや、君ならできる」

そのような会話が繰り返され、上司は一歩も引きません。仕方がなくそれらのミッションを達成するために、今までのやり方を変えると、四苦八苦しながらもそれらをクリアすることができたのです。今思っても二度と一緒に仕事をしたくない上司ですが、いまだにその上司とは付き合いをさせてもらっています。それは感謝とともに彼を上司像の一部として持っているからです。自分の力を伸ばしてくれたのは間違いなく彼であり、今、戦えるのも彼に教えてもらった自分の限界の破り方があるからです。

 

部下の能力の伸び方には個性があります。いきなり伸びるタイプもいれば、ゆっくりと成長するタイプもいます。ですから、限界に追い込む際に気にしなければならないのは、その部下の「成長角度」です。今その部下がどの角度で成長しているかを把握して、さらに、過去からの比較をすると、成長曲線ができます。そこから彼らの未来の成長曲線をイメージすると、誰にどのような限界の与え方をすればよいのかを考えることができます。成長角度が上を向いている限り機会を与え、成長角度が下を向いている部下には脅威を与えなければなりません。脅威とは、このままではいけない、ということを理解させることです。これが理解できないと限界値を与えても限界まで行かないからです。

 

成長角度のお話をしましたが、これは上司にも当てはまります。上司の成長角度は誰も上げてくれません。自分自身で限界値に追い込める能力と資質があるから上司になっているのです。しかし、残念ながら上司の多くが数年で成長角度がフラットになり、そのうち下降に向かいます。

自身の成長角度はどれくらいか?

一流の上司だからこそ嫌われる仕事をして、成長角度を上げ続けていきたいものです。

 

 

仕事を部下に丸投げするのではなく、部下の能力を伸ばすのが目的で、手法としてどの仕事を与えればよいのかを考える。

少しきついかな、ではなく、きつい仕事を与える。

 


 

【著者紹介】

鳥原隆志 (とりはら・たかし)

株式会社インバスケット研究所 代表取締役。インバスケット・コンサルタント。CDA(キャリアカウンセラー)。

大手流通業にて、家具やワイン、精肉などさまざまな販売部門を経験し、スーパーバイザー(店舗指導員)として店舗指導や問題解決業務に従事する。その経験と問題解決スキルを活かし、株式会社インバスケット研究所を設立。これまでに作成したインバスケット問題はゆうに腰の高さを超える。

現在、日本のインバスケット・コンサルタント第一人者として、国内だけでなく海外でも活動中。個人向けカウンセリングサービスも行っている。

著書に、『究極の判断力を身につけるインバスケット思考』『入社2年目のインバスケット思考』『人を動かす人柄力が3倍になるインバスケット思考』(以上、WAVE出版)、『たった5秒思考を変えるだけで、仕事の9割はうまくいく』(KADOKAWA/中経出版BC)、『仕事は8割捨てていい』(大和出版)などがある。

 

何が起こっても一瞬で対処できる上司が使う50のキーワード

 

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