課長職にマネジメントの革新を!
RSS

新任管理職研修の内容と企画のポイント

新任管理職研修の内容と企画のポイント

(2015年7月 3日更新)

 
  • はてなブックマーク
  • Yahoo!ブックマーク
  • Check

管理者研修は、自社のマネジメント体制に合わせて体系的に実施することが大切です。特に新任登用時の研修では、プレーヤーからマネージャーへの意識変換が不可欠です。管理者研修のプログラムと管理者の役割・責務について『実践 社員教育推進マニュアル』からご紹介します。

 

*  *  *

 

初級管理職研修のプログラム例

 

初級管理職研修は講義だけでなく、ケーススタディやディスカッションなどを盛り込む。

新任管理職研修

新任管理職研修

 

新任管理職研修プログラムの考え方

組織の業績や生産性は、管理者の能力や行動にかかっていると言っても過言ではない。それほどにも管理者の果たすべき役割は大きい。管理者研修ほど、経営者のニーズや現場のニーズに応えていかなければならない研修はない。

 

管理者の役割とは、業績を上げることで利益を得るという会社のニーズに応えること、部下を指導・育成することである。社員の価値観が大きく変わる中で、部下の感情や期待にも応えていかなければならない。つまり、会社のニーズと社員のニーズを統合していくことが求められる。

 

管理者の主な役割と責務を洗い出してみよう。

(1)業務管理:部署の目標・方針を設定し、計画を立案、部下の目標を設定し、チームをまとめて業績を上げていく。

(2)問題解決:問題意識を持って、現場を革新していくために、問題発見・問題解決していく。

(3)組織活性化:部下のモチベーションを上げて、組織の協働と学習する組織を図る。

(4)部下育成:部下の能力や適性を観察し、指導・育成していく。

 

また、管理職研修で指導すべきスキルは、次のようなものである。

(1)経営課題の把握、適正な目標・方針の設定技術、コミュニケーションスキル

(2)問題意識と観察力、問題解決、意思決定のスキル

(3)部下指導、モチベーション、コーチングのスキル

 

その上でのポイントは、次のとおりである。

(1)新任登用時には必ず初級管理者研修を実施する。

プレーヤーからマネージャーへの意識転換を必ず行う。研修には経営者も参加し、管理者に対する期待を伝え、責務を自覚させると効果が高まる。

(2)経営理念、経営哲学といった会社の基本的な価値観や会社のビジョン、期待される人材像との整合をとった研修内容やカリキュラムを組む。

(3)公平で納得性のある評価をするために目標管理制度研修や人事考課者研修も企画する。

(4)人事諸制度との整合を図り、組織・人的管理が属人的管理とならない研修内容とする。

(5)広い視野を養うために、公開セミナー等も活用する。

 

管理者は、部門の方針を決め、部下を育成し、目標を達成して成果を上げる層で、組織の中でも重要な役割であり、期待されている。組織の成果や風土は管理者の考え方や能力により左右されるので、教育を重点的に行い、育成していくことが、会社が成長していくために最も重要だと言える。管理者研修は、場当たり的な教育ではなく、体系的に実施し育成していかなければならない。

 

初級管理職研修の内容と企画のポイント

(1)管理の基礎知識

基礎教育として行い、管理者としての役割や立場、組織の働き、管理の技術、仕事の改善や問題解決、部下の育成や評価を習得させることが目的である。会社の理念や方針も理解させる。さらに、これからはリスクマネジメントも重要性が高まる。講義中心になる。

(2)各管理者の管理技術

OJTや目標管理、方針管理、問題解決、リスクマネジメントの教育など、ニーズが高く、重要性が高いものを習得させる。新任の管理者教育で行うものが、OJT研修、コーチング研修や問題解決研修である。

(3)リーダーシップ

知識・技術教育だけではなく、実習などを通じて実践的に体験させる。管理スタイルのチェックシートやゲーム、シミュレーション技法などを使う。

(4)分析・戦略思考

事業戦略、部門戦略、ランチェスター戦略、ポートフォリオ戦略など、上級管理者になるために学んでおくべきことである。戦略形成に必要な経営分析や財務分析研修などもここに含めておく。

 

なお、管理者研修を企画するときのポイントは下記のとおりである。

(1)管理者教育を体系的に考え、段階的に実施する

(2)場当たり的な教育をしない

(3)自社のマネジメント体制に合わせた内容にする

(経営理念や方針、中期経営計画など、自社の戦略・計画に合った教育をする)

(4)知識学習と体験学習のバランスに配慮し、現場で行動に移すところまで企画する

(5)職場の問題を事例に使い、実践的に考えさせる

 

※出典:『[実践]社員教育推進マニュアル』(2009年1月・PHP研究所発行)

 

課長研修

 

 

【著者プロフィール】

茅切伸明(かやきり・のぶあき)

株式会社ヒューマンプロデュース・ジャパン 代表取締役。

慶應義塾大学 商学部卒業後、(株)三貴入社。 その後、(株)日本エル・シー・エー入社。

平成1年3月 住友銀行グループ 住友ビジネスコンサルテイング(株)(現SMBC コンサルティング(株))入社。セミナー事業部にて、ビジネスセミナーを年間200 以上、企業内研修を50以上担当し、他社のセミナーを年間50以上受講する。平成18年4月、(株)ヒューマンプロデュース・ジャパンを設立。「本物の教育」「本物の講師」「本物の教育担当者」をプロデュースするという理念を掲げ、現在まで年間500以上、累計3,000以上のセミナー・研修をプロデュースするとともに、セミナー会社・研修会社のコンサルティング、セミナー事業の立ち上げ、企業の教育体系の構築なども手掛ける。著書に、『実践社員教育推進マニュアル』、通信教育『メンタリングで共に成長する新入社員指導・支援の実践コース』(以上、PHP研究所)、『だれでも一流講師になれる71のルール』(税務経理協会)

 

松下直子(まつした・なおこ)

株式会社オフィスあん 代表取締役。社会保険労務士、人事コンサルタント。

神戸大学卒業後、江崎グリコ(株)に入社。新規開拓の営業職、報道担当の広報職、人事労務職を歴任。現在は、社会保険労務士、人事コンサルタントとして顧問先の指導にあたる一方、民間企業や自治体からの研修・セミナー依頼に応え、全国各地を愛車のバイクで巡回する。「人事屋」であることを生涯のライフワークと決意し、経営者や人事担当者の支援に意欲的に向き合うかたわら、人事部門の交流の場「庵(いおり)」の定期開催や、新人社会保険労務士の独立を支援するシェアオフィス「AZ合同事務所」の経営など、幅広く人材育成に携わっている。著書に、『実践社員教育推進マニュアル』『人事・総務マネジメント法律必携』(ともにPHP研究所)、『採用・面接で[採ってはいけない人]の見きわめ方』『部下育成にもっと自信がつく本』(ともに同文舘出版)ほか。


メールマガジン

更新情報をメルマガで!ご登録はこちらからどうぞ