課長職にマネジメントの革新を!
RSS

ゆとり世代とのコミュニケーション―「おいおい、こんなことまで言わせるのか」

ゆとり世代とのコミュニケーション―「おいおい、こんなことまで言わせるのか」

(2015年9月 8日更新)

 
  • はてなブックマーク
  • Yahoo!ブックマーク
  • Check

ゆとり世代とのコミュニケーションギャップはどうして生まれるのか。育成のポイントは? ゆとり世代が受けてきた教育や、彼らの特徴から考えてみましょう。

 

上司と部下のかみあわない会話

部下「課長、がんばったのですが、目標達成できませんでした」

上司「そうか。でも君、がんばったのだから、すばらしいよ!」

部下「ありがとうございます!」

 

管理職の皆さんで、このような会話をされている方は、まずおられないと思います。がんばっているか、いないか――それは、ここではあまり関係ありません。みんな、がんばっています。それよりも結果に対してどうなのか、どうするのか、と問いたいわけです。

 

部下「課長、今月もがんばったのですが、目標達成できませんでした」

上司「毎月『がんばった』と言うけれども、目標を達成できないのはどうなんだ」

部下「課長、でも私はがんばっています。そこを見てください!」

上司「だから、結果がでていないじゃないか!」

部下「そう言われましても……」

 

少し強調しすぎかもしれませんが、いわゆる「ゆとり世代」の若者と上司・先輩のこのような“かみあわない会話”が、職場で問題になっています。ゆとり世代とは、今年2015年に28歳以下の若者を指しますが、なぜこのような会話になるのかを考えてみましょう。

 

ゆとり世代の特徴とは

「子どもに生きる力とゆとりを」「個性尊重の教育をめざして」のスローガンをもとにした「ゆとり教育」とはどのようなものだったのかを振り返ってみましょう。主な項目を2つあげます。

(1)授業時間は20%削減、授業内容も30%削減……たとえば円周率は「3」、英語の筆記体を習わないなど

(2)相対評価から絶対評価へと評価方法の転換……たとえば運動会の徒競走で順位づけしない、結果よりプロセス重視の評価軸

このようにプロセス主義の絶対評価に基づく「ゆとり教育」を受けてきた結果、すべての子どもたちに当てはまるとは言えませんが、学力低下と競争意識の希薄さが現れるようになりました。そして彼らが社会人となったとき、相対評価のもと結果を問われ続けて社会人になった上司・先輩とのコミュニケーションのギャップが生まれるようになったのです。

 

ゆとり世代をひと言でいうと「悪気なく悪いことをする素直で良い人」です。一見矛盾するようですが、彼らを言い表すには最も象徴的な表現です。たとえば、冒頭の会話で、部下は悪びれもせずに自分の努力を主張しています。自分の努力は認めてもらえてあたりまえと思っているのです。しかし上司には、結果が伴わないのに努力を主張する部下の態度は理解できません。そして、部下は自分の努力を認めてくれない上司は理解できないのです。

 

ゆとり世代の主な特徴をあげてみましょう。

【長所】

・性格がおおらかである

・ゆったりしている

・素直である

・自己評価が高い

・控え目である

 

【短所】

・根拠なき自信をもっている

・落ち込みやすい

・常に「待ち」の姿勢で、積極性に欠ける

・対人関係が希薄

・競争意識に欠ける

・指示したことしかできない

 

絶対評価の教育で、子どもの数が少ないこともあって、ほめられ続けて育ってきた彼らは、「根拠なき自信」をもっています。大学生になるころには、今や4割から6割を占めるといわれる推薦・AO入試があり、大学全入時代となっていました。挫折という挫折をほとんど経験しないで育ってきた彼らは、当然「ストレス耐性」がつかないままに社会に出てきています。そして、いざ社会人になると、いままでとはまったく異なった縦社会のなかで、環境に馴染めず自信を喪失したり、人間関係に悩んだりして最悪の場合は辞めてしまうことになるのです。

 

ゆとり世代の長所を生かす

もちろん、短所だけではありません。ゆとり世代の長所、その代表的なものは「素直さ」です。「素直で良い人」というのは彼らの最大の長所であり、社会人としても大切な要素です。ですので、この「素直さ」に目を向け「こんなことまで言わなければならないのか」「こんなことまで気を遣わなければいけないのか」というところまで徹底的に教え込むことです。具体的に話をすることで、彼らもしっかりと理解し、実行レベルに移すことができます。

 

ゆとり世代の育成においては、これまでとは違う彼らの特徴を理解し、認め、受け入れ、きちんと向き合うことが前提となります。手がかかることを承知のうえで、彼らの成長目標をしっかり掲げ、じっくり我慢強く育てていく環境をつくることが欠かせません。

 

 

就業規則やマナー以前の「社会人の常識・良識」を教える教育図書『社会人、やっていいこと・悪いこと』

 

ゆとり世代の若者を育成する現場では、「おいおい、こんなことまで言わせるのか」とか「そんな当たり前のこともできないの」と配属先の上司・先輩が困惑し、人事・教育担当者に「新人研修で何を教えていたんだ!」とクレームをいれるケースがあります。「そんなことは知っていて当然だ」と思われていた、就業規則やビジネスマナー以前の、社会人としての常識・良識。それを教え込む教材がほしいという、企業の教育ご担当者の声によって生まれたのが教育図書『社会人、やっていいこと・悪いこと』です。

たしかにビジネス知識やスキル・ノウハウを学ぶ本は、書店、あるいはネットを調べればすぐに見つかります。しかし、社会人としての常識・良識とはどのようなことか、何が良くて何がダメなのか、そのようなことを具体的にわかりやすく学べる本や情報はほとんどないのが実情です。

また新入社員研修の現場においても、就業規則、マナー、商品知識、仕事の進め方などはカリキュラムにあっても社会人の常識・良識というテーマは見当たりません。

だれも教えてくれない、この「社会人の常識・良識」を、6つの章に分けてマンガでわかりやすく解説した本書は、2006年の発刊以来、人事・教育担当者の皆さまからたいへん好評をいただき16刷を重ねることができました。そして、このたび、時代の変化を鑑み、コンプライアンス、ハラスメント、ネットリテラシーなど新しいテーマを加え改訂版を発刊することとなりました。

本書は、入社内定者に送り感想文を提出させる、新入社員研修のテキストとしてテーマ別に議論させる、指導員や先輩社員と1日1テーマのお互いの振り返りをしながらコミュニケーションツールとして活用する、などを想定してつくられています。

ゆとり世代の教育の一環として、ぜひご活用をご検討ください。

 

PHP研究所 企画制作部部長 平井克俊

 

※『2015年度版「ゆとり世代」を理解する本』柘植智幸(著)より一部抜粋、編集

 

<PR>

社会人、やっていいこと・悪いこと

直販教育書

『[改訂版]社会人、やっていいこと・悪いこと』

~だれも教えてくれないビジネス社会の常識・良識~

マナーの本にも就業規則にも載っていない、また新人研修でも教えられない、一人の人間、社会人として身につけたいマナー以前の常識・良識を、職場で起こりがちな事例を使って考えさせる内容です。4コママンガとわかりやすい解説で「なるほど、そうなんだ!」と理解・納得できます。


メールマガジン

更新情報をメルマガで!ご登録はこちらからどうぞ