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研修効果の「見える化」

研修効果の「見える化」

(2015年12月 7日更新)

 
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研修の効果測定を成功させるポイントは「見える化」にあります。研修の目的を明確にし、その目的に対して、達成度を測ることが効果測定を行うポイントです。

 

*  *  *

研修に測定可能な達成目標を設定する

研修を実施する前に研修の目的を明確にし、具体的な研修目標を立てなければ、効果測定はできない。まず、測定可能な達成目標の設定が大切である。そして、研修カリキュラム・講師を検討し、研修を実施する。研修後に学んだスキルが、職場でどのように活用され、当初の目標が達成されたか、改善されたのかを測定するというステップを踏む。最終的に、職場にどのような良い影響を与え、組織目標の達成に貢献したかを見極める。下図のように、教育担当者は研修効果が生まれるサイクルを理解しておきたい。

 

【研修効果の<見える化>サイクル】

研修効果の見える化サイクル

研修の目的を明確にする

研修効果を測定する際、研修そのものを評価するのか、成果を評価するのか、また、経営者・上司・受講者・教育担当者・講師など誰の立場で評価するのかによって、測定方法や測定内容が変わってくる。研修の効果測定を有効にするために、研修のテーマや対象者に合わせ、次に挙げる10の目的の中から何を目的にするか明確にしていただきたい。

 

1)研修が知識・スキルの習得、意識・態度・行動の変容に貢献したかを評価する

2)研修を継続するか否かを判断する

3)研修プログラム内容を改善する

4)研修のフォローアップを検討する

5)研修が業務にどのように影響したかを評価する

6)研修効果の高い受講者を明確にする

7)職場での活用法、仕掛けを検討する

8)経営者・職場の上司に研修への積極的な協力を促す

9)今後の研修ニーズを調査する

10)研修予算を獲得する

 

研修の目的に対して、その達成度を測ることが効果測定を行うポイントである。それは、研修目的をどのように設定するかで決まる。態度・行動の変容が目的なら、その態度・行動の変化を測定しなければならない。業績の向上にあるのなら、売上や利益、コストに影響を与える先行指標を測定するべきである。しかし、「KPI(Key Performance Indicator:成果と強い関係のある指標)」を○○%向上させるというような目標を設定している研修はまだまだ少ない。

効果を測定する際に大切なことは、測定項目の数を欲張らずに、測定方法も負担にならないように選択することである。限定した評価項目で精緻なデータを取ったほうが、期待する測定効果が得られる。また、測定結果は、経営者に報告するだけでなく、受講者、受講者の上司にもフィードバックするべきである。上司の協力を仰ぐことができたり、受講者のモチベーションを促すことで、研修効果を高めることにつながる。効果が出てくると、研修に対して前向きになり、研修のPDCAサイクルが「善循環」で回りはじめる。

 

目的を4W1Hで検討する

効果測定の目的は次のように「4W1H」で検討すると明確になる。常に意識して研修の効果を高めていただきたい。

 

●Why なぜ評価するのか? 何のために評価するのか?

●What 何を評価するのか?

●Whom 誰に評価を依頼するのか?

●When いつ評価するのか?

●How どのように評価するのか?

 

研修効果測定で一番悩むのは、どのような先行指標を取るのが適切なのかが分からないことであろう。研修目標にふさわしい先行指標を選ばなければ、評価が的はずれになる。下の図を参考にして、あまり欲張らず、信頼性の高いデータを選ぶとよい。

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評価の対象

評価の対象は、受講者だけではない。次のようなさまざまな視点で評価するとよい。

1)受講者

2)受講者の上司

3)受講者の同僚、部下

4)受講者が対応する顧客

5)受講者が所属する組織

6)研修講師

7)教育担当者

8)研修内容

9)研修技法

10)受講者の業務

 
 
※出典:『[実践]社員教育推進マニュアル』(2009年1月・PHP研究所発行)
 

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【著者プロフィール】
茅切伸明(かやきり・のぶあき) 
株式会社ヒューマンプロデュース・ジャパン 代表取締役。
慶應義塾大学商学部卒業後、(株)三貴入社。 その後、(株)日本エル・シー・エー入社。 平成1年3月 住友銀行グループ 住友ビジネスコンサルテイング(株)(現SMBC コンサルティング(株))入社。セミナー事業部にて、ビジネスセミナーを年間200 以上、企業内研修を50以上担当し、他社のセミナーを年間50以上受講する。 平成18年4月 (株)ヒューマンプロデュース・ジャパンを設立。「本物の教育」「本物の講師」「本物の教育担当者」をプロデュースするという理念を掲げ、現在まで年間500以上、累計8,000以上のセミナー・研修をプロデュースするとともに、セミナー会社・研修会社のコンサルティング、セミナー事業の立ち上げ、企業の教育体系の構築なども手掛ける。 
著書に、『実践社員教育推進マニュアル』、通信教育『メンタリングで共に成長する新入社員指導・支援の実践コース』(以上、PHP研究所)、『だれでも一流講師になれる71のルール』(税務経理協会) 
 
 
松下直子(まつした・なおこ) 
株式会社オフィスあん 代表取締役。社会保険労務士、人事コンサルタント。 
神戸大学卒業後、江崎グリコ(株)に入社。新規開拓の営業職、報道担当の広報職、人事労務職を歴任。現在は、社会保険労務士、人事コンサルタントとして顧問先の指導にあたる一方、民間企業や自治体からの研修・セミナー依頼に応え、全国各地を愛車のバイクで巡回する。
「人事屋」であることを生涯のライフワークと決意し、経営者や人事担当者の支援に意欲的に向き合うかたわら、人事部門の交流の場「庵(いおり)」の定期開催や、新人社会保険労務士の独立を支援するシェアオフィス「AZ合同事務所」の経営など、幅広く人材育成に携わっている。
著書に、『実践社員教育推進マニュアル』『人事・総務マネジメント法律必携』(ともにPHP研究所) 、『採用・面接で[採ってはいけない人]の見きわめ方』『部下育成にもっと自信がつく本』(ともに同文舘出版)ほか。

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