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外部研修講師の選び方~ほんもの講師と名ばかり講師、チェックリスト

2020年10月15日更新

外部研修講師の選び方~ほんもの講師と名ばかり講師、チェックリスト

本物の講師とは、受講者の行動変容を促すことができる講師です。エビングハウスの忘却曲線の理論を当てはめて考えてみましょう。

「エビングハウスの忘却曲線」とは

研修講師は、受講者の満足度や話のうまさだけで評価してはいけない。研修効果は、研修の目的に合わせた「気づき」を与え、「やる気」を促し、「行動」させることにある。本物の講師とは、受講者の行動変容を促すことができる講師である。単に評判のよい、話し上手の講師とは一線を画する。研修効果を考える場合、エビングハウスの忘却曲線の理論を当てはめて、研修を受けて成果を出す人を考察したい。

エビングハウスの忘却曲線これは、ドイツの心理学者のヘルマン・エビングハウスによって導かれた、中期記憶(長期記憶)の忘却を表す曲線である。

・20分後には、42%を忘却し、58%を覚えていた。
・1時間後には、56%を忘却し、44%を覚えていた。
・1日後には、74%を忘却し、26%を覚えていた。
・1週間後には、77%を忘却し、23%を覚えていた。
・1カ月後には、79%を忘却し、21%を覚えていた。

研修を受講し、スキルやノウハウ、知識を覚えても、次の日には74%も内容を忘れる。講師はスキルやノウハウ、知識、仕事の本質を指導するのは当然であるが、人間は忘れる動物であることを前提に、現場でいかに実行してもらうかに焦点を当てないといけない。

例えば、1日研修を受講したとしても、学んだことを次の日に覚えている人は26%になる。また、「2・6・2の原則」で上位2割が自らやる気に火をつけ行動する人と仮定すると、研修を受講して、主体的に行動し続けて、成果を出す人は100人のうち5人くらいしかいない。

研修を受けて成果を出す人の割合

本物の講師と名ばかり講師

ある格言に、「腹をすかせた子どもに魚を与えず、魚の釣り方を教えよ」とあるように、一生食べていけるやり方を教えることが「本物の教育」である。本物の講師は受講者を本気にさせ、動かせなければならない。気づきを与え、やる気を促し、実行して継続できるように、受講者を本気にさせることが講師の仕事と考えていただきたい。

研修講師に任命されたなら、業務として講師をこなすのではなく、講師としての使命感を持って本気で取り組まなければならない。教育の理念・使命を持っていなければ、人を本気にさせ、行動させることはできない。そこで、「本物の講師」と「名ばかりの講師」の見抜き方をここに紹介しておく。

外部研修講師を選ぶ時のチェックリスト

1)教育理念・信念を熱く語れるか?
2)常に専門的な知識・経験を深める努力をしているか?
3)教育の本質を理解しているか?
4)教育に対して強い情熱を持っているか?
5)専門分野以外の仕事は基本的に断るか、専門講師を紹介しているか?
6)人を動かす力を持っているか?
7)知識やノウハウだけでなく、やり方・意味を教えられるか?
8)課題に合わせた内容にカスタマイズしてくれるか?
9)学ぶ姿勢・学ぶ志を伝えているか?
10)今後の経営や生き方について提言があるか?

プロフィールをみるだけではわからないかもしれない。やはり、こうしたことを念頭において、じっさいに研修講師と話をしてみることで、本物の講師か、名ばかり講師かはわかってくるはずだ。

※出典:『[実践]社員教育推進マニュアル』(2009年1月・PHP研究所発行)

茅切伸明(かやきり・のぶあき)

株式会社ヒューマンプロデュース・ジャパン 代表取締役。慶應義塾大学商学部卒業後、(株)三貴入社。 その後、(株)日本エル・シー・エー入社。 平成1年3月 住友銀行グループ 住友ビジネスコンサルテイング(株)(現SMBC コンサルティング(株))入社。セミナー事業部にて、ビジネスセミナーを年間200 以上、企業内研修を50以上担当し、他社のセミナーを年間50以上受講する。 平成18年4月 (株)ヒューマンプロデュース・ジャパンを設立。「本物の教育」「本物の講師」「本物の教育担当者」をプロデュースするという理念を掲げ、現在まで年間500以上、累計8,000以上のセミナー・研修をプロデュースするとともに、セミナー会社・研修会社のコンサルティング、セミナー事業の立ち上げ、企業の教育体系の構築なども手掛ける。 著書に、『実践社員教育推進マニュアル』、通信教育『メンタリングで共に成長する新入社員指導・支援の実践コース』(以上、PHP研究所)、『だれでも一流講師になれる71のルール』(税務経理協会)

松下直子(まつした・なおこ)

株式会社オフィスあん 代表取締役。社会保険労務士、人事コンサルタント。 神戸大学卒業後、江崎グリコ(株)に入社。新規開拓の営業職、報道担当の広報職、人事労務職を歴任。現在は、社会保険労務士、人事コンサルタントとして顧問先の指導にあたる一方、民間企業や自治体からの研修・セミナー依頼に応え、全国各地を愛車のバイクで巡回する。「人事屋」であることを生涯のライフワークと決意し、経営者や人事担当者の支援に意欲的に向き合うかたわら、人事部門の交流の場「庵(いおり)」の定期開催や、新人社会保険労務士の独立を支援するシェアオフィス「AZ合同事務所」の経営など、幅広く人材育成に携わっている。著書に、『実践社員教育推進マニュアル』『人事・総務マネジメント法律必携』(ともにPHP研究所) 、『採用・面接で[採ってはいけない人]の見きわめ方』『部下育成にもっと自信がつく本』(ともに同文舘出版)ほか。

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