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松下幸之助 物をつくる前にまず人をつくる

松下幸之助 物をつくる前にまず人をつくる

(2011年3月16日更新)

 
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「せっかく新入社員教育を行なっても、いざ職場に配属されると、効果が長続きしない……」
企業の人事教育担当者の方から、こんな言葉をよく耳にします。それは、職場の上司・先輩に基本が徹底できていないという問題が、根強く残っているからです。 

新人の早期戦力化はすべての企業における至上命題。
今回は、受け入れ側の職場風土や管理者の考え方について、松下幸之助の考えの一端をご紹介します。


◎物をつくる前にまず人をつくるmatsushita.jpg

「松下電器は何をつくるところかと尋ねられたら、松下電器は人をつくるところです。併せて電気器具もつくっております。こうお答えしなさい」


まだ創業間もないころから、松下幸之助は、事あるごとに、従業員にそう話していた。そのあたりの心境を、後年、次のように語っている。


「当時、私の心境は“事業は人にあり”、つまり人がまず養成されなければ、人として成長しない人をもってして事業は成功するものではないという感じがいたしました。したがいまして、電気器具そのものをつくることは、まことにきわめて重大な使命ではございまするが、それをなすにはそれに先んじて人を養成するということでなくてはならない、という感じをしたのであります。
 

それで日常の製作の仕事をするかたわら、そういうことを感じまして、そういう話をさせたのであります。それで、そういう空気はやはりその当時の社員に浸透いたしまして、社員の大部分は松下電器は電気器具をつくるけれども、それ以上に大事なものをつくっているんだ、それは人そのものを成長さすんだ、という心意気に生きておったと思うのであります。それが、技術、資力、信用の貧弱な姿にして、どこよりも力強く進展せしめた大きな原動力になっていると思うのであります」


ここで松下幸之助のいう人材の育成とは、単に技術力のある社員、営業力のある社員を育成すればよいということではない。自分が携わっている仕事の意義、社会に貢献するという会社の使命をよく自覚し、自主性と責任感旺盛な人材を育成すること、いわば産業人、社会人としての自覚をもち、経営の分かった人間を育てるということで、それが松下幸之助がめざした真の意味での人材育成であった。

 


◎人を使うのは公事である


松下幸之助は、企業というものは、たとえ自分が興した企業であっても、またどんな業種であれ、世の人々の求めがあればこそ成り立っている公の機関、公器であると考えていた。


そのような認識に立つなら、企業の活動にあたって人を使うということも、私事ではなく、公事であると、次のように言っている。
 

「自分1個の都合、自分1個の利益のために人を使っているのではなく、世の中により役立つために人に協力してもらっているのだということになろう。
 

そしてそう考えれば、やりにくいことをあえてなし遂げる勇気も湧いてくる。たとえば、人を使って仕事をしていれば、時には叱ったり、注意をしなければならないことも出てこよう。ところがそういうことは、人情として、されるほうもするほうも、あまり気持ちのよいものではない。ともすればめんどうだとか、いやなことはしないでおこうということになりがちである。

 

しかし、企業は社会の公器であり、人を使うことも公事であるとなれば、私情でなすべきことを怠ることは許されない。信念をもって、世の中のために、叱るべきは叱り、言うべきは言わねばならないということになる」


経営者、責任者も、さまざまな感情をもった人間である。だからともすれば、その感情にとらわれて、なすべきことを怠ることになりがちである。
 

だから、つねに、“人材育成は公事”という観点から、私心にとらわれないようにしようというのである。

 

PHP人財育成WEBサポート「ビデオアーカイブズプラス」松下幸之助資料室より

 


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