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「ものづくり」は「人づくり」【コラム】

「ものづくり」は「人づくり」【コラム】

(2016年2月28日更新)

 
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製造業において、厳しい競争に打ち勝っていくための方策は、「人づくり」。働く人の知恵や経験こそが、現場を支える力になるのではないでしょうか。DVD『製造社員 やっていいこと・悪いこと』制作担当者のコラムです。

 

 

*  *  *

 

米沢牛産地の取材から

山形県米沢市。ここは米沢牛の産地として有名です。駅前は、精肉店や焼肉屋が立ち並び米沢牛激戦地区として栄えています。

そこにフラッグシップショップとして焼肉屋の店舗を構えている米沢牛の卸売企業に取材に行ったことがあります。米沢牛の中でも高級ブランドとして地元はもちろん全国に名を馳せている企業です。

その取材のなかで印象に残っている話をご紹介します。

 

「牛肉は品質が命です。良い肉をつくるには、良い餌と良い牧場が欠かせません。それと良い加工工場も必要です。昔は、そこで他社との差をつけることができていたけど、今は技術や知識が一般的になったので差をつけるのが難しくなりました」

 

そういう問題意識を抱えているにもかかわらず、その企業は米沢地区の売上上位を長年にわたってキープしています。企業のブランドイメージがその一因であるのは言うまでもありませんが、それだけでは厳しい競争を勝ち抜いていくことはできません。

 

「ある一定のレベルまでは、そこそこの資金力があればどの会社も同じような品質の牛肉をつくることができます。ですが、われわれには経験があります。それがあるから、お客さまのいろいろな要望に応えることができているんです」

 

経験とアイデアがマーケットでの支持につながる

技術や知識の革新には限界があります。そして、それは取材の話にもあったように資金力のある企業であればお金で買うことができます。言い換えれば、技術や知識の企業間の差はほとんどない状態になっているといえます。

では、そのような状況でどうやって他社に差をつけ、競争を勝ち抜いていけばいいのでしょうか。その答えが経験です。一定レベルまで達して飽和状態になった技術や知識に経験にもとづいたアイデアを加えることで、他社よりも良い品質を実現でき、マーケットでの支持を得ることができるようになります。

 

取材をした企業でも売上が落ち込んだ時期があったそうです。その原因は、技術や知識で競争優位性を確保できなくなったからでした。

 

「売上を回復するためには何をすればいいのか、徹底的に議論しました。そこで出た答えが社員の質だったんです。われわれには、どこにも負けない経験がある。ですが、それを生かすことができていなかった。生かすことができるように、社員の質を変えていこう、そのための教育を行なおうと考えました」

 

月1回、社員自身が講師になって勉強会を開催することにしました。これまでは、縦割り組織であったためそれぞれが持っている経験やアイデアを横展開することができていませんでしたが、部門の垣根を越えて勉強会を開催することで、意見交換が闊達になり、作業工程の改善方法や新しい商品アイデアなどが生まれただけでなく、積極的にアイデアを出す社員が増えたそうです。

これが、ものづくりの現場における教育、つまり「人づくり」です。与えられた条件で与えられた目標をこなすことは最低限のことです。しかし、その繰り返しの毎日では社員は成長しません。ましてや、時代の変化にともなってお客さまから飽きられてしまいます。

現場で働く一人ひとりが「どうすれば良くなるだろう」「どうすればお客さまに買ってもらえるだろう」と頭をフル回転させて考え、実行すること。これがものづくりの現場で欠かせないのです。

 

トヨタの人づくり

ものづくりは人づくり。この言葉は製造業の人材育成を語るときによく出てくる言葉です。自動車業界のトップとして世界をリードするトヨタでも、この言葉を人材育成の根幹において現場社員の教育を行なっています。それは、より良いものづくりを実現するには、人が何よりも重要だと考えられているからです。

トヨタには「機械に人の知恵を加えよう」という言葉があります。これは、人の可能性が無限大であるということを表した言葉です。たとえば、10の性能がある機械があったとします。その機械は、正常に動けば常に10の成果をあげてくれますが、どんなことがあっても11の成果をあげることはできません。しかし、その機械に人の知恵が加われば、10が11、10が15と機械の性能以上の成果をあげることが可能になります。繰り返しになりますが、人の知恵は無限大だからです。

良い製品をつくっていくためには、人づくりが欠かせません。設備・機械を操作できる人、与えられた生産目標を確実にクリアできる人も必要ですが、それだけでは本当の意味でのものづくりはできないのではないでしょうか。

 

より良くするために、より成果を出すためにと自発的に知恵を出せる人を育てていかなければならないと米沢での取材で感じました。

 

DVD『製造社員 やっていいこと・悪いこと』発刊にあたって

PHP研究所では、『製造社員 やっていいこと・悪いこと~ものづくりに求められる“現場の基本”~』と題し、製造現場向けの新入社員教育用DVDを発刊いたしました。

本作品は、2巻構成になっており、1巻目では、マナーや身だしなみ、ルールを守るといった社会人としての基本をしっかりと学習します。2巻目では、チームで働くために大切な仕事の姿勢、ものづくりに求められる心構えといったマインド面を高めていくことを目的としています。

御社のものづくり社員の育成の一助にご活用ください。

 

企画制作部 海野翔太

 

 


 

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  ~ものづくりに求められる“現場のキホン”

 

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