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組織人としての義務を果たすということ

組織人としての義務を果たすということ

(2016年3月 4日更新)

 
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世の中を騒がせている企業不祥事から、会社組織の抱える問題が透けて見える――海老一宏氏が解説します。

 

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なぜ、このような問題を起こしてしまうのか?

STAP細胞問題、不正会計処理、免震ゴムの試験データ改ざん、杭打ちデータ改ざんと世の中を騒がせている問題に共通していることの一つが、上司がなぜ部下の不正や嘘を見抜けなかったのかということです。

 

これらの問題には、見抜けなかった以前に、「なぜ、このような問題を起こしてしまうのか?」という疑問をどうしても感じます。STAP細胞問題は少し異質ですが、その他の企業の問題は、当事者が「もし、この不正が明るみに出たら自分はどうなるか?」と考えなかったのかということです。会社の業績どころか存続まで危ぶまれる事態を起こしたら、ただでは済みません。懲戒解雇になるのは目に見えています。事実、直接不正を指示してはいないかもしれませんが、歴代社長が会社から莫大な賠償請求の訴訟を起こされているケースもあります。

 

この疑問の答えは恐らく、不正や嘘をつかなければならない組織的プレッシャーがあり、本当のことを報告しても、それはそれで自分の身が危ない状況に追い込まれていたということだと感じます。

 

上司はなぜ、見て見ぬふりをしたのか

ではなぜ、上司は部下の不正や嘘を見抜けなかったのかです。恐らく当事者をここまで追い込んでしまう上司は、部下に異常なプレッシャーを与え無理をさせている自覚はあるはずですから、不正や嘘があってもおかしくないと思いながら、仮に多少怪しところを見つけても見て見ぬ振りをしていたのではないでしょうか。あるいは知っていて無視をした可能性もあります。

 

上司の心境としては、無理を承知で仕事をしている環境は自分が作ったわけでもなく、自分一人で解決しようもなく、何事もないことを祈りながら部下に仕事を押しつけていたというところではないでしょうか。つまり、上司もまた、不正や嘘を見抜いても得をしない状況だったに違いありません。もっと簡単に言えば、上司も部下も「できませんと言えば、俺は首かどこかに飛ばされる。サラリーマン人生は終わる。だからできましたと言うしかない」だったのだと思います。

 

会社組織の抱える問題

しかし、これは明らかに異常な会社組織です。

部下に仕事を教え、仕事を管理し、部下の抱える問題を解決し、部下を守り、共に会社人生を歩む良き先輩となるのが上司ではないでしょうか?

会社組織が抱える問題が見えてきます。一つはこのような無茶な経営をしている経営陣の責任です。もう一つは、先ほども指摘した上司である管理職の責任です。

いったい、いつから経営陣や管理職が無責任になってしまったのでしょうか?

仕事の指示を出して出来たかどうか管理するだけが、経営陣や管理職の仕事だと、誰に教わったのでしょうか?

 

さらに私は、ここにもう一つの問題を加えたいと思います。それは「監査役はいったい何をしているのか?」です。

責任をもってやるべき業務監査ができていないのです。もちろんその原因の一つは社長の浅はかな考え、つまり監査は適当にやっているぐらいでいいという考えや、それに沿った人選もあるでしょう。

事実、監査役の方は大変良く監査の事は勉強していますが、紳士的な方が多いのか“鬼の監査”をするような方はあまり見かけることはありません。

しかし、自分の首が危なくなり、会社の存続すら厳しくなってしまうことを考えてみれば、監査役も自覚を高め、経営陣も内部監査に本来の責任ある仕事を求めることをすべきです。

 

上司の在り方、経営陣の在り方、監査役の在り方。この三つを見直さないと素晴らしい日本になりません。

 

 

 
 
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【著者プロフィール】
海老一宏 (えび・かずひろ)
人材紹介コンサルタント。キャリアカウンセラー。アクティベイト株式会社代表取締役社長。
1957年、宮城県仙台市生まれ。中央大学卒業後、東証一部上場企業 品川白煉瓦株式会社(現、品川リフラクトリーズ)に入社。人事、経理、営業に携わる。1992年に起業し、レンタルビデオ・CDショップを開業。1店舗からのスタートで、FC本部の経営まで事業を拡大。2000年に人材紹介会社に入社し、トップエージェントとして活躍。2005年に独立し現職に。財団法人みやぎ産業振興機構のビジネスプロデューサーも務める。エージェント歴は15年。面談者は6000名以上。エン転職コンサルタントで6年連続利用者評価NO.1(当社調べ)。
著書に『40歳からのサバイバル転職成功術』(ワニブックスプラス)、『一流と言われる3%のビジネスマンがやっている誰でもできる50のこと』(明日香出版社)。

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