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変化対応型組織を目指せ!~社長による改革断行

2016年4月11日更新

変化対応型組織を目指せ!~社長による改革断行

今の時代、企業が生き残っていくためには、変化対応型組織であることが求められます。時代を先取りして大変革を成し遂げるための条件を考えます。海老一宏氏のコラムです。

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組織はもともと変化を嫌う

企業や組織は時代を先取りして変化していかなければなりません。しかし、変化することの難しさは組織人である皆さんがよくご存知でしょう。

なぜ難しいかと言えば、組織はもともと変化を嫌うものだからです。つまり組織は変化したものを完成させるために動いているからです。別な言い方をすれば、組織は安定を求めて日夜努力を続けているのです。だから作りあげている最中に「また変えろ」とか「壊せ」というのは受け入れ難いことであり、構成員は変化が自分達のゴールとは思っているのではなく、むしろ安定や完成を求めています。

 

社員は組織の目標に沿って完成を目指す一方、オーナー社長は変化の必要性を空気の微かな動きで読み取る能力を持っています。それは自分の財産と生命をかけたものを守る自然な能力で、これがないオーナーは悪しきワンマン経営者でしかありません。もし次期社長がサラリーマン社長の場合は、空気を読む力があることと、いざとなったら大変革を断行してまで会社を守る意識のある人を選ぶことです。ですから消去法で社長になったような人や、社内の人気だけで選ばれた人は、認識を新たにすべきだと思います。

 

実例:40歳でバトンを引き継ぎ、危機を乗り越えたT氏

「そんな綺麗事は通用しないよ。役員や部下の後ろ盾があっての社長だ。勝手なことなどできない」――そんなサラリーマン社長の声が聞こえて来そうです。

 

しかし、私の友人の元大手東証一部の社長経験者T氏は違っていました。彼は絶大な力のあった二代目社長からわずか40歳でバトンを引き継ぎました。役員陣は先代、先先代の社長の取り巻きで、多くの同僚や部下もやっかみがあり、新社長に対しては否定的か様子見の状況でした。まさに四面楚歌。こんな状況で、運が悪く会社最大の危機が襲ってきました。海外のファンドが株の買い占めによる経営権の奪取を仕掛けてきました。

 

最終的にはファンドの買収を余儀なくされたものの、T氏はこの難局を歳上で経験豊富な役員や部下を見事にまとめて社内改革を行い見事に乗り切りました。彼は社長就任の打診を受け入れたことや、役員陣をまとめたことをこのように話してくれました。

「私は自分が社長の器とも思えず、最初は断ろうと思いました。しかし、断ることはイコール会社を辞めることです。どうせ辞めるなら社長としての責任を果たして辞める。この決意が私を変えました。周りの者はあらゆることに反対してきましたが、私は彼らに『あなたの意見は責任を問えるのか?』と問いながら真剣に説得したのです。その真剣さが、次第に彼等の気持ちを変えました」。

前社長はT氏の素直さや真面目さとともに、必要なら何事もやり抜く強い精神力を見いだしていました。しかし、彼はこのように本音をもらしてくれました。

「社長に就任してすぐに何度も経験も知識もない事態に遭遇しました。たくさん優秀な人がいるのに誰にも相談できない。その孤独感は凄まじいものでしたが、自分で考えて行動して難局を乗り切りました。しかし、今でも夢にうなされます」。

社長たるもの、社員の顔色を見ているようではいけない。このことをT氏は私に教えてくれました。

 

カルロス・ゴーン氏によるニッサンのリバイバルプラン

社長による大改革で有名なのは、カルロス・ゴーン氏によるニッサンのリバイバルプランです。リーマンショックの打撃を受けていたニッサンを復活させただけでなく、社会構造まで変えてしまいました。簡単に言えばそれまでの常識であった「日本の系列の体制」を打破し、競争を取り入れたのです。

彼の頭の良さと行動力と政治力は素晴らしいものでした。リバイバルプランを実行するにあたり、社内に若手と中堅だけでクロスファンクションチームを作って作業や意識改革を進めたのです。「このままではニッサンはだめになる」という意識が社内にあったとはいえ、上層部や幹部の混乱と危機意識は想像するに難くありません。

このように組織を変える第一の方法は「既存のしがらみのない人材を外部から連れてくるか、内部から見出すこと」です。

「そこそこ儲かっているが、先行きが見通せない。しかし、幹部に危機意識がない」、こんな組織はいずれ静かに、あるいは突然沈んでいきます。社長は次期社長を3年かけてでも外部、内部から探す必要があります。

 

次回は、会社の内部からイノベーションを起こす方法をお話します。

 

 

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【著者プロフィール】
海老一宏 (えび・かずひろ)
人材紹介コンサルタント。キャリアカウンセラー。アクティベイト株式会社代表取締役社長。
1957年、宮城県仙台市生まれ。中央大学卒業後、東証1部上場企業 品川白煉瓦株式会社(現、品川リフラクトリーズ)に入社。人事、経理、営業に携わる。1992年に起業し、レンタルビデオ・CDショップを開業。1店舗からのスタートで、FC本部の経営まで事業を拡大。2000年に人材紹介会社に入社し、トップエージェントとして活躍。2005年に独立し現職に。財団法人みやぎ産業振興機構のビジネスプロデューサーも務める。エージェント歴は15年。面談者は6000名以上。エン転職コンサルタントで6年連続利用者評価NO.1(当社調べ)。
著書に『40歳からのサバイバル転職成功術』(ワニブックスプラス)、『一流と言われる3%のビジネスマンがやっている誰でもできる50のこと』(明日香出版社)。

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