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アドラー心理学に学ぶ、職場の「困った人」とのコミュニケーション

アドラー心理学に学ぶ、職場の「困った人」とのコミュニケーション

(2016年5月26日更新)

 
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職場にいる「困った人」。よく観察してみると、実は「感覚タイプ」が違っているのかもしれません。アドラー心理学にコミュニケーションのヒントを学びます。

 

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コミュニケーションがうまくいかない職場の「困った人」

「うちの課の新人、何度細かく説明してもわかってないみたいなんだよな。ときどき目が泳いでるし」

「うちの上司、指示が雑なんです。『チャッチャッとやっとけばいいんだよ』とか、『ここはガーッと派手な感じで』とか。まったく意味がわからなくて、メンバーがみんな困ってるんです」

「優秀だという鳴り物入りで入った中途採用の社員なんですが、理屈っぽいし、資料つくらせても難解なんですよね。間違ってはいないんだけど、なんというか、もう少し遊びがあっても……」

 

人がそれぞれ個性豊かなのは当たり前のことですが、同じ目標をもち、課題を解決し、よりよい成果を上げることが求められる職場のなかに、上記のようなコミュニケーションがうまくいかない「困った人」がいると、頭が痛いものです。ところが、その人たちをよく観察してみると、ある一定のところでは成果を上げていたり、特定の人たちからは高評価を得ていたり、ということがあるから不思議です。

リーダーや人事・教育部門には、メンバーや社員としっかりコミュニケーションをとり、その人のもつ力を最大限に生かせるようにモチベーションを高めさせるという役割があります。それはもちろん「困った人」に対しても同様ですが、コミュニケーションがうまくいかないから「困った人」なわけです。いったいどう対応すればよいのでしょうか?

 

3つの「感覚タイプ」とは

そうしたとき、一人ひとりがもつ、ある「タイプ」に注目するのもひとつの方法です。この「タイプ」を知ることにより、自分のクセや相手と合わない(と思い込んでいる)部分のギャップが埋められることがあります。それが「感覚タイプ」というものです。

感覚タイプとは、人が行動する際に、どの感覚をメインに使っているかを大きく3つ、(1)視覚型、(2)聴覚型、(3)触覚・運動型 に分けて捉えるものです。

人にはそれぞれに必ず優位な感覚と劣位な感覚があります。とはいえ、100対0対0というような極端なものではなく、どの感覚もそれぞれ持ち合わせてはいるものの、そのなかでより頼りにし駆使するものと、さほど利用しないものがある、ということです。

たとえば、何かを思い出すときなどに、まず情景がありありとクリアに浮かんでくるのが視覚型、情報や年月日、時間、距離などのデータ的なものがまず浮かんでくるのが聴覚型、においや手触り、自分の体の動き・感覚(走ったり飛んだりや寒暖の肌感覚など)が最初に出てくるのが触覚・運動型です。

 

コミュニケーションのとり方には、感覚タイプの特徴がでる

あなたのまわりにいる「この人とはコミュニケーションがとりやすいな」と思える人を観察してみてください。その人のアプローチの仕方は、あなた自身のアプローチの仕方と似てはいないでしょうか?

触覚・運動型の人は、理路整然として論理的な聴覚型の人の説明よりも、自分と同じように「ガーッといって、ドーンと突き当たると、ブワッと開けるんだよ」という感覚的なもののほうが理解しやすいし、聴覚型の人は擬音語擬態語たっぷりで話されるより、時系列に理路整然と、正確な数字や時間を交えて話される方が理解しやすいのです。視覚型の人は、細かい文字の羅列や膨大なデータを示されるよりも、1枚の図表でパッと要点を掴み取るのが得意だったりします。

コミュニケーションのとり方には、その人の感覚タイプの特徴がでます。感覚タイプが同じ人のアプローチは自分にとって理解しやすい形ですから、コミュニケーションがとりやすいのも当然です。これは反面、「感覚タイプが違う人のアプローチはわかりにくい」ということでもあります。

 

「困った人」とコミュニケーションがうまくとれないのは、あなたと「困った人」との感覚タイプが違うことが原因かもしれません。「困った人」と決めつけてしまう前に、その人の言動をよく観察して、感覚タイプを探ってみましょう。そこからコミュニケーションのヒントがきっと見つかるはずです

 

 

*「アドラー心理学に学ぶ『勇気づけ』の職場づくり」一覧はこちら

 

リーダーのための心理学入門コース

 


 

【著者プロフィール】

永藤かおる(ながとう・かおる)

(有)ヒューマン・ギルド研修部長。心理カウンセラー。1989年、三菱電機(株)入社。その後ビジネス誌編集、海外での日本語教育機関、Web 制作会社など、20年以上のビジネス経験のなかで、人事・採用・教育・労務管理等に携わる。どの現場においてもコミュニケーション能力向上およびメンタルヘルスケアの重要性を痛感し、勤務と並行して学んだアドラー心理学を生かして現在㈲ヒューマン・ギルドにてカウンセリング業務および企業研修を担当。著書に『「うつ」な気持ちをときほぐす 勇気づけの口ぐせ』(明日香出版社)、PHP通信ゼミナール『リーダーのための心理学 入門コース』(監修:岩井俊憲、執筆:岩井俊憲・宮本秀明・永藤かおる、PHP研究所)などがある。


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