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ストレスチェック実施規程の策定と実施体制の構築

ストレスチェック実施規程の策定と実施体制の構築

(2016年6月28日更新)

 
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ストレスチェックの導入準備では、「ストレスチェック実施規程」の策定と実施体制の構築が重要なポイントとなります。実施規程で策定すべき項目と手順、実施体制の構築について、小西喜朗氏に解説していただきます。

 

*  *  *

 

衛生委員会等での調査審議を経、実施規程を作成

ストレスチェックの導入準備では、「ストレスチェック実施規程」の策定と実施体制の構築が重要なポイントとなります。

労働安全衛生法では、労働者の健康障害の防止及び健康の保持増進に関する重要事項について、衛生委員会等での調査審議を経なければならないとしています(18条)。

本法律を受け、ストレスチェック指針ではストレスチェックの実施体制や実施内容、個人結果の利用方法、健康情報(従業員の健康に関する個人情報)の取扱いなどの11項目について、衛生委員会等での調査審議を経て、実施規程を定め、従業員に周知することが必要であるとしています。

 

【衛生委員会等での11項目の調査審議事項】

(1)ストレスチェック制度の目的に係る周知方法

(2)ストレスチェック制度の実施体制

(3)ストレスチェック制度の実施方法

(4)ストレスチェック結果に基づく集団ごとの集計・分析の方法

(5)ストレスチェックの受検の有無の情報の取扱い

(6)ストレスチェック結果の記録の保存方法

(7)ストレスチェック、面接指導及び集団ごとの集計・分析の結果の利用目的及び利用方法

(8)ストレスチェック、面接指導及び集団ごとの集計・分析に関する情報の開示、訂正、追加及び削除の方法

(9)ストレスチェック、面接指導及び集団ごとの集計・分析に関する情報の取扱いに関する苦情の処理方法

(10)労働者がストレスチェックを受けないことを選択できること

(11)労働者に対する不利益な取扱いの防止

(厚生労働省「ストレスチェック指針」より作成)

 

 

具体的な内容については、厚生労働省のWebサイトに実施規程のひな形がありますので参考にしていただければと思います。

 

実施規程の作成手順と従業員への周知

実施規程の作成について、衛生委員会にてすべて調査審議をしようとしてもなかなか進まないでしょう。そこで、メンタルヘルス担当部門にて、(1)ストレスチェック制度への対応方法を検討して後、(2)本方針についての経営層による決裁を経て組織の基本方針が出され、その方針のもと(3)担当部門による具体的な実施規程の検討に入ります。こうして策定した実施規程(案)を(4)衛生委員会等にて審議し、(5)この結果を踏まえて最終的な実施規程を策定し、(6)実施する前に労働者に周知する、といったプロセスになるでしょう。

実施規程は基本的には事業場単位で策定しなければなりませんが、現実的には本社にて決定し、各事業場にて追認することが多いでしょう。

社内周知の方法としては、イントラネットに載せる、メールもしくは用紙にて配布するといった方法が考えられます。しかし、文章の配布だけでは十分に理解を得られないことも多く、とくにストレスチェックの実施については、誤解や偏見が生じやすいでしょう。できれば、管理職には研修等を通じて、実施目的や健康情報の取扱いについての理解を促進し、管理職から直接部下に伝えることが望まれます。

 

 

ストレスチェック実施体制の構築

具体的な実施体制の構築は、社内メンタルヘルス担当者が中心になるでしょう。通常では産業医がストレスチェックの実施者となり、ストレスチェックの選定や高ストレス者の判定基準についての意見を述べ、事業者が最終決定をします。

そして、ストレスチェックの配布や回収、データ集計、高ストレス者への面接勧奨等を実施事務従事者が行います。人事総務部門や健康管理室等のメンタルヘルス担当や保健師、カウンセラー等が実施事務従事者となる場合が多くなっています。実施者および実施事務従事者は、個人の回答結果に直接触れることにもなりますので、従業員からの信頼を得ることがたいへん重要です。個人情報を含めた健康情報の管理について、十分に留意しなければなりません。

 

 

ストレスチェックを外部委託する場合の注意事項

ストレスチェックについて、厚生労働省は「職業性ストレス簡易調査票」を推奨し、無料のソフトも公開されています。しかし、ストレスチェックを実施する業務では、メンタルヘルスケアやストレスチェックについての知識だけではなく、個人情報の管理に関する専門知識も必要となり、社内だけで確保することが難しい場合もあります。

そのため、ストレスチェックに詳しい外部機関へ委託するケースも増えており、「職業性ストレス簡易調査票」に限らず、独自のチェックを提供する専門機関もあります。また、今回の法改正を契機にストレスチェック・サービスへの新規参入が相次いでいます。なかにはメンタルヘルスケアへの理解がないまま安易に参入しているところもあり、厚生労働省では外部委託する場合の委託先チェックリストを作成しています。

外部に委託する場合、ただストレスチェックを実施するだけではなく、どのような効果を出したいのかを含めて、委託先を十分に検討することも重要です。

 

 


 

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【著者プロフィール】

小西喜朗 (こにし・よしろう)

ウェルリンク株式会社顧問、産業カウンセラー、教育カウンセラー。

1984年、京都大学卒業後、編集者、ジャーナリスト等を経て、2000年にウェルリンク株式会社設立に参画。累計130万人以上が利用する「総合ストレスチェックSelf」を開発する他、メンタルヘルス研修およびコンサルティングを行う。メンタル法律問題研究会理事、日本マインドフルネス学会理事等を歴任し、職場のメンタルヘルスケアをリードする。

共著に『自分で治すがん』(朝日新聞社)、『リラクセーションビジネス』(中央経済社)、「メンタルヘルス・マネジメント」(PHP研究所)、『ポジティブ心理学再考』(ナカニシヤ出版)など。


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