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ストレスチェック結果を職場環境の改善にどう活かすか

ストレスチェック結果を職場環境の改善にどう活かすか

(2016年8月25日更新)

 
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ストレスチェックの結果をどのように分析し、課題と対策を設定するのか、職場環境の改善に活かす方法をご紹介します。

 

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1次予防として重要な集団分析結果の活用

ストレスチェックの結果を高ストレス者への面接指導等に活用する個人アプローチに対して、集団ごとの集計・分析結果(集団分析)を職場環境等の改善に活用するのが組織アプローチです。

この集団分析はストレスチェック制度のなかでは努力義務となっていますが、1次予防の観点からは高ストレス者への面接指導より、むしろ重要だと考えられるでしょう。

集団分析では、たとえば企業等の組織全体や男女・年代・役職別、部署別等のストレス傾向を分析します。どのような組織にも、ストレスが多い部署もあれば少ない部署もあります。個人結果に基づく、高ストレス者が存在するように、高ストレス部署も存在するわけです。また、年代ごと、役職ごとにストレス傾向は異なってきます。

こうしの結果をもとに、自組織ならではのストレス傾向を把握し、対策を講ずることが、健康でいきいきと働ける職場づくりには重要です。

 

現場からの意見をもとに分析結果を活用する

集団分析の結果を活用するには、ストレスチェックのデータ活用に関する経験や知識が必要です。実施者等、こうした分野に詳しい専門家の意見を踏まえるのがよいでしょう。

その一方、ストレスチェックの結果だけで組織対策を実施するには限界もあります。現場の業務内容や労働時間、職場環境、労働者の意見等を総合的に捉えることも大切です。ストレスチェック結果と職場の実態の双方から対策を検討していくことで、より現場の実情に即した対策になるでしょう。

具体的には、メンタルヘルス担当者から個々の管理職に集団分析の結果を説明し、改善の方向についての助言を行い、管理職は部署内からの意見を聴取します。そして、管理職が中心となりながら、現場の意見を取り入れた具体的な改善策を実施することが効果的です。

 

分析結果の取扱いについての注意点

集団分析の結果は管理職や部署への評価につながることもあり、場合によっては管理職に不利益が生じます。そのため、分析結果の共有範囲が課題となります。

たとえば、各部署を含めた分析結果全体は産業保険スタッフと役員に限定し、各部署の結果は該当部署の管理職だけにする等、分析結果の共有範囲については事前に衛生委員会等で審議し、ストレスチェック実施規定として事前に策定することがトラブルを防ぐことにもなります。

なお、集団分析の単位については、個人結果が類推されることがないよう原則10名以上の集団で分析することとなっています。また、集団分析の結果を5年間保管する方法や担当者を決めるなど、情報の取扱いについて注意が必要です。

 

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職場改善を進めるために

集団分析の結果をもとに、まず全社的な課題を検討することが必要です。実施者および産業保険スタッフが中心となり、組織全体としての優先課題を決定します。

また、メンタルヘルスケアの課題は部署ごとに異なってきます。ある部署は仕事量が課題となり、別の部署では仕事の困難さなどの質的な課題が大きい、あるいは人間関係が課題となる等、部署毎の特徴が出てくるでしょう。

そのため、組織全体として何をターゲットとするのか、各部署ではどのように課題を設定し、対策の実行にまでつなげるのかを明確にすることが必要です。

こうした課題と対策を設定するには、大きな目標を定めるよりも、具体的かつ確実に実行できる対策にするのが成功のポイントです。メンタルヘルス対策は効果が見えにくく、対策をより具体的にすることで、効果を実感しやすくなるでしょう。そして、小さな対策でもよいので、PDCAを着実に回すことが極めて重要です。

 


 

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【著者プロフィール】

小西喜朗 (こにし・よしろう)

ウェルリンク株式会社顧問、産業カウンセラー、教育カウンセラー。

1984年、京都大学卒業後、編集者、ジャーナリスト等を経て、2000年にウェルリンク株式会社設立に参画。累計130万人以上が利用する「総合ストレスチェックSelf」を開発する他、メンタルヘルス研修およびコンサルティングを行う。メンタル法律問題研究会理事、日本マインドフルネス学会理事等を歴任し、職場のメンタルヘルスケアをリードする。

共著に『自分で治すがん』(朝日新聞社)、『リラクセーションビジネス』(中央経済社)、「メンタルヘルス・マネジメント」(PHP研究所)、『ポジティブ心理学再考』(ナカニシヤ出版)など。


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