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コーチング手法が有効でない場面~コーチングQ&A

コーチング手法が有効でない場面~コーチングQ&A

(2016年4月14日更新)

 
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私には現在は直接の部下はおりませんが、現場作業を依頼する時に、研修で学んだコーチングスキルを活用するよう心がけています。しかし、相手の人たちと普段一緒に仕事をしているわけではないので、話すときにどうしても他人行儀になってしまいます。

このような場合、どのようなことを心がければスムーズに作業依頼できるか、アドバイスをお願いいたします。

(広田一郎・電気工事会社主任〈仮名〉)

 

*   *   *

 

コーチングはコミュニケーションのスキルですから、どのような関係においても活用できることは事実ですが、どんなスキルでもそうであるように、有効性をもつ一定の範囲というものがあります。言い換えれば、そのスキルを使う目的というものがあるわけで、どんな目的にも使えるというわけでも、使わなければならないというわけでもありません。

 

コーチングの有効範囲

ではコーチングの場合はどういう目的で使う場合に有効なのかというと、基本的には、相手の自主性や可能性を引き出し、相手の成長を促す、ということになるでしょう。

ご質問のケースは、社内の他部門に対してなのか、社外の協力業者に対してなのかわかりませんが、いずれにしても、業務の内容や諸条件を明確に伝え、協力をお願いする、ということが基本でしょう。そこに必要なのは、きちんと説明する力と、共存共栄のスタンスで協力を仰ぐという謙虚な姿勢です。要するに、コーチングが有効性を発揮するような場面ではないのではないかと思われます。

ただ、依頼する業務の進め方について、こと細かく指示したほうがいい場合と、相手側の自主的な判断にある程度ゆだねたほうがいい場合とがあります。後者においては、コーチングスキルが有効性を発揮する場面があるかもしれません。というのは、当然広田さんも発注者として方法や手順・段取りなどを考えてはおられるでしょうが、実際の作業に当たる立場からはまた別のアイデアが出る可能性があるからです。

従って、こういうケースにおいては、基本的な枠組み(作業の目的、締め切り、費用など)を示したら、方法論についてはこちらの考えを言う前に先方の意見を聴くということを心がけてはいかがでしょうか。

それに対して疑問点や反論があれば、それをストレートに言うのではなく、「そのやり方だとこういう問題が出てくる可能性があるように思えますが、それに対してはどうお考えですか」というような質問という形で返し、相手の考えをさらに深めてもらうことが効果的です。それによって、こちらが当初考えていたよりも良い方法・手順が発見できる可能性は大きいのではないでしょうか。

なお、発注する側はどうしても受注側より上の立場に立つことが多いので、無理な押しつけや高圧的な姿勢と受け取られることがないよう、常に自分自身を戒めることは忘れてはならないでしょう。

 

【POINT】どんな場面でもコーチング手法が有効というわけではない

 

出典:『リーダーのためのコーチング実践Q&A』(2005年8月/PHP研究所)

 

 


 

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【著者プロフィール】

星雄一(ほし・ゆういち)

1969年、松下電器産業株式会社(現・パナソニック株式会社)に入社後、(株)PHP研究所に出向。月刊「PHP」編集部、出版部、直販普及本部などを経て、1997年、同社取締役。2008年、専務取締役。2009年、任期満了により退任。営業・編集・出版・子会社設立運営・人材育成と多方面の経験を活かして、PHPゼミナールの企画運営や研修講師育成にあたる一方、経営幹部のマネジメント、リーダーシップ全般の研修も担当。また、「PHPコーチング」プログラムを企画開発し、自らもコーチング講師として講演・講師活動を行なう。現在、(株)PHP研究所客員。


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