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時間に追われ、きつい言い方をしてしまう~コーチングQ&A

時間に追われ、きつい言い方をしてしまう~コーチングQ&A

(2016年5月16日更新)

 
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私は入社以来今日まで、仕事の進め方はまず自分で考え、また、自分から先輩・上司に話を聞いて、参考にし、工夫して自分なりのやり方をつくってきました。マネジメントも同様です。

 

先輩・上司の中には、厳しい人、話しにくい人などもいましたが、彼らを反面教師とし、自分がその立場になった時には決してあのようにはならないぞと自分に言い聞かせて現在に至りました。

私としては、部下には積極的に声をかけ、仕事以外の話題でもよく会話を交わし、話しやすい雰囲気を作っているつもりですが、一部の部下には威圧感を与えているかもしれません。私に対して仕事の報告や相談はしても、余計な冗談は言わない人がいることも事実です。

コーチング研修で教わったように、指示命令は、質問型に改善するほうがよいとは思いますが、とにかく業務量が多く、時間に追われる状態が通常なので、ついキツイ言い方になってしまうことが多いのは事実です。しかし、ゆとりのあるときに必ず声を掛けてフォローするよう心がけています。

まだまだ努力していかなければならないと思いますが、やはり自分に余裕がなさすぎるということが一番の問題でしょうか。

(東田二郎・営業マネジャー〈仮名〉)

 

*   *   *

 

東田さんは、これまでの会社生活の中で先輩上司から学んだことを適切に活かし、ご自分なりの望ましいスタイルをつくり上げてこられたようですね。それは素晴らしいことだと思います。それに加えて、今回学んだコーチングのスキルも使えるようになると、さらにリーダーシップのレベルを上げることが可能になると思います。

 

部下育成とコーチングマインド

リーダーには、

1)当面の課題の達成(成果・業績をあげる)

2)部下を育成し、担当する組織を強化する

という二つの大きな役割があります。これは、職種や組織の大小にかかわらず、あらゆるチームリーダーに共通する役割だといわれています。

そして、(1)には指示命令型コミュニケーションが、(2)にはコーチング型コミュニケーションが、より有効であると考えてよいでしょう。まずこのことをしっかり認識していただきたいと思います。

ところが、忙しくて部下とじっくり話をする時間がとれない、ということもまた、多くのリーダーに共通する悩みであり、そのためどうしても(1)に関するコミュニケーションばかりになってしまう、というのが実態だろうと思われます。

しかし、ここで考えていただきたいのですが、どんなに実務能力のあるリーダーでも、1人で部下3人分、もしくは5人分といった量の仕事をこなすことはできません。

逆に、5人なら5人の部下がいたとして、彼らがそれぞれ10%ずつ仕事の力をアップさせれば、それだけリーダーの負荷は減り、将来に向けての手を打つことが可能になります。

リーダーとは、そういう状況をつくることが実は最大の役割なのであって、目の前の膨大な量の仕事を次々と処理していくのがリーダーのあるべき姿ではありません。

要するに、部下を育成し、預かっている組織を強化することこそが最優先課題なのです。となれば、部下と話をすること、それもコーチングマインドをもって部下育成を図るコミュニケーションをとることほど重要な仕事はないとさえ言えます。

 

優れたリーダーになるための条件とは

とは言っても、現実にはそう簡単にはいかない、というのが事実だろうと思います。しかし、申し上げたいのは、リーダーとしての最優先課題は何かという考え方であり、まずそのことを自分の心の中に確固たる信念としてつくり上げておくことが大切だということです。

目前の課題に関する指示や、時には厳しい叱責をしなければならないのは、リーダーとして当然のことですが、その場合でも、業務の処理や当面の成果にだけしか関心がないのと、部下の成長を心から願うという姿勢が根底にあるのとでは、部下への伝わり方はまったく違ってきます。

東田さんのお仕事や職場の実態がわかりませんので、あくまで原則論を申し上げたにすぎませんが、実はこうした「考え方」や「思い」の有無が優れたリーダーに成長していくかどうかの大きな分岐点であることを感じさせる実例をいくつも見てきましたので、あえて記させていただきました。何らかのご参考になれば幸いです。

 

【POINT】自らのチームを強化することこそがリーダーとしての最優先課題

 

 

出典:『リーダーのためのコーチング実践Q&A』(2005年8月/PHP研究所)

 

 



 

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【著者プロフィール】

星雄一(ほし・ゆういち)

1969年、松下電器産業株式会社(現・パナソニック株式会社)に入社後、(株)PHP研究所に出向。月刊「PHP」編集部、出版部、直販普及本部などを経て、1997年、同社取締役。2008年、専務取締役。2009年、任期満了により退任。営業・編集・出版・子会社設立運営・人材育成と多方面の経験を活かして、PHPゼミナールの企画運営や研修講師育成にあたる一方、経営幹部のマネジメント、リーダーシップ全般の研修も担当。また、「PHPコーチング」プログラムを企画開発し、自らもコーチング講師として講演・講師活動を行なう。現在、(株)PHP研究所客員。

 


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