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時には「ハードな言い方」も必要なのか~コーチングQ&A

時には「ハードな言い方」も必要なのか~コーチングQ&A

(2016年6月 7日更新)

 
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コーチング研修受講後、部下に仕事を依頼する時など、ソフトに言うように心がけていますが、いいのでしょうか。たまにはハードも必要でしょうか。

(下田三郎・サービス業・課長〈仮名〉)

 

*   *   *

 

下田さんのおっしゃる「ソフト」「ハード」の意味合いやニュアンスがちょっとはっきりしないのですが、一応言葉のトーンや表情のこと、一言で言えば「話し方」のことと解釈しておきます。

 

ご機嫌とりはかえって逆効果になる

コーチングにおいては、相手が話しやすい環境をつくるという意味で、話し方はソフトであることが望ましいことは言うまでもありません。しかしそれも程度問題であって、あたかも部下の機嫌をとるような、あるいは作為を感じさせるようなソフトさはかえって逆効果になりかねないでしょう。

下田さんはコーチである前に上司であるわけですから、コーチングが有効だからといって、常に部下に対してコーチングだけを使わなければならないなどということはありません。上司としては、毅然とした態度、はっきりした決断、迅速的確な指示、明確な助言指導などが当然要求されます。

マネジメントに必要なこうしたさまざまなスキルの一つがコーチングなのであって、状況や相手に応じてこれらを使い分けることがこれからの上司には必要です。ですから、例えば叱るとか厳しく要求するといった「ハード」な対応も当然必要になります。こういうことがきちんとできないと、「ソフト」の効果も薄くなってしまうでしょう。

 

コーチングは部下の自発性を促すためのスキル

ところで、下田さんのご質問で少し気になるのは、ソフト、ハードという対応の仕方を、部下をこちらの意図に沿って動かすための手法として捉えておられるのではないかということです。

コーチングは、相手の自主的な判断、主体的な行動を促すものであって、部下を操作する手段ではありません。したがって、相手の可能性や、相手が答えをもっていることを信じ、その上で必要なアドバイスや質問や指示をしていく、相手が自分で答えを見出し自ら動き出すようにサポートしていく、というスタンスだけは崩さないことが必要です。そうすれば、相手の話を聴くときはできるだけソフトな対応が望ましいとしても、ソフトかハードかという選択をいちいち考える必要はないといえるでしょう。

なお、ソフト、ハードが「話し方」ではなく「話の内容」に関してということであれば、仕事なのですから、ソフトになどと考える必要は毛頭ないと思います。中身をソフトにするということは、「指示すべきことをきちんと指示しない」ということとほとんど同義になってしまうでしょう。

 

【POINT】コーチングは部下を操作・支配するための手段ではない

 

出典:『リーダーのためのコーチング実践Q&A』(2005年8月/PHP研究所)

 

 



 

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【著者プロフィール】

星雄一(ほし・ゆういち)

1969年、松下電器産業株式会社(現・パナソニック株式会社)に入社後、(株)PHP研究所に出向。月刊「PHP」編集部、出版部、直販普及本部などを経て、1997年、同社取締役。2008年、専務取締役。2009年、任期満了により退任。営業・編集・出版・子会社設立運営・人材育成と多方面の経験を活かして、PHPゼミナールの企画運営や研修講師育成にあたる一方、経営幹部のマネジメント、リーダーシップ全般の研修も担当。また、「PHPコーチング」プログラムを企画開発し、自らもコーチング講師として講演・講師活動を行なう。現在、(株)PHP研究所客員。

 


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