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部下への好き嫌いが出てしまう~コーチングQ&A

部下への好き嫌いが出てしまう~コーチングQ&A

(2016年6月29日更新)

 
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コーチング研修を受講してから、部下の話をきちんと聴きながら接するよう、心がけるようになりました。確かにその効果はあるように思います。しかし、部下への好き嫌いが、部下と接するときの自分の態度にどうしても出てしまうように感じています。どのように改善すればよいでしょうか。

(岡田一郎・メーカー・営業課長〈仮名〉)

 

*   *   *

 

部下の話をきちんと聴きながら接するよう心がけるようになったとのこと、素晴らしいですね。これが心がけなくても自然にできるレベルに、早く達していただきたいと思います。

 

気の合う合わないは、やむなし

さて、ご質問ですが、人間誰しも、気の合う相手合わない相手、好意のもてる相手もてない相手はあるものです。全員を好きになれ、とどんなに自分に命じても、まず無理な話です。ですから、人に対して好悪の感情をもつのはやむを得ないことと、まず受け入れてしまいましょう。

さてその上でどうするか、です。一緒に仕事をしている相手、まして部下となれば、嫌いだから話をしないということでは、お互いに気分がいいはずはありませんし、好ましい成果を上げ続けられるとも思えません。やはり、「いい関係」を構築したいものです。

 

信頼関係とコミュニケーションの相関関係

一般に、相互の信頼関係・好意・親密感の度合いと、コミュニケーションの質・量とは、比例する関係にある、と言われます。簡単に言えば、気の合う相手とはいろいろな話をするが、嫌いな相手とは必要以外の話をしない、といったことで、岡田さんもこの感覚はおわかりでしょう。

このことは、信頼感や好意が高まればコミュニケーションはよりよいものになり、コミュニケーションがよりよいものになっていけば信頼感や好意はより高まる、というプラスのスパイラル(螺旋)が描けることを意味します。もちろん、逆の場合はマイナスのスパイラルを描くことになります。

ですから、好ましくない関係を好ましいものにしていくには、コミュニケーションの量を増やし、内容を高めていくことが鍵になるのです。

そしてこの鍵を握るのは、ほかならぬ上司自身です。それはそうでしょう。お互いに好意をもっていない上司部下の間で、部下のほうからどんどん話しかけてくる、などということは非現実的です。しかし上司は、自らの使命として、部下とよりよい関係を構築し、より高い成果を上げる責任があります。つまり、コミュニケーション改善の第一歩を踏み出すのは、好むと好まざるとにかかわらず、上司たる者の役割なのです。

 

コミュニケーションの「量」を増やす

と言っても、そんなに難しいことではありません。まず日常の挨拶。そして頻繁な声かけ。とりあえず「質」は置いておいて、交わす言葉の「量」を増やしてください。

相手が挨拶したら返してやる、などと上司の沽券にこだわらずに、自分から「おはよう」「お疲れさん」と声をかけてみましょう。

報告についても、これまでは部下が報告にくるまで黙って待っていたとしたら、「例の件、その後の状況を聞かせてくれないか」と気軽に声をかけ、否定や叱責や詰問抜きに、じっくり聞いてあげる。まずはそんなところからです。

要は、「この上司は自分に関心をもってくれている」「意外によく話を聴いてくれるんだ」というように、部下の認識に対して変化を起こすことが眼目です。上司の側にも、「彼は思ったよりしっかりしている」とか、「なかなかいいところもあるな」といった認識変化が起こってくるはずです。

そこまでくれば、会話の中身(質)も徐々に高くなっていくでしょう。こうして上昇スパイラルに入ってしまえば、相互の関係はどんどん改善向上していくものです。

 

他人を変えることはできない

大切なことは、その部下の性格や言動にどうも気に食わないと感じる面があるとしても、相手を自分の思うように変えることなど“不可能”だということです。

変えられるのは自分だけ(それも、まずは自分の「行動」だけ)です。しかし、自分の行動の変化は相手にも感じ取られ、お互いの関係の変化を生み出します。そしてその変化は、必ず好ましいものであるはずです。まず自分から変えなければ何も変わらない――このことを心に留めておいていただければ幸いです。

 

【POINT】苦手な相手ほど、意識して話す機会を増やしていこう

 

 

出典:『リーダーのためのコーチング実践Q&A』(2005年8月/PHP研究所)

 

 



 

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【著者プロフィール】

星雄一(ほし・ゆういち)

1969年、松下電器産業株式会社(現・パナソニック株式会社)に入社後、(株)PHP研究所に出向。月刊「PHP」編集部、出版部、直販普及本部などを経て、1997年、同社取締役。2008年、専務取締役。2009年、任期満了により退任。営業・編集・出版・子会社設立運営・人材育成と多方面の経験を活かして、PHPゼミナールの企画運営や研修講師育成にあたる一方、経営幹部のマネジメント、リーダーシップ全般の研修も担当。また、「PHPコーチング」プログラムを企画開発し、自らもコーチング講師として講演・講師活動を行なう。現在、(株)PHP研究所客員。


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