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セルフコーチングのすすめ~コーチングQ&A

セルフコーチングのすすめ~コーチングQ&A

(2016年7月 8日更新)

 
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今回のコーチング研修を受講してから、日常業務においては部下の行動や言動をよく観察し、それぞれの能力をできるだけ引き出すように心がけています。以前に比べて、部下それぞれの特徴や持ち味はかなり把握できてきたかなと感じています。

ところで、私は性格がセッカチなためか、自分のことはなかなか客観的に見ることができず、自分の言動の問題点などに関してはなかなか気が付きません。

それを早期に気付いて是正するにはどうすればいいでしょうか。また、時々部下に対して不適切な言動(口が悪い)が出ることがあります。これはどう改善すればいいでしょうか。

(川田二郎・小売チェーン店店長〈仮名〉)

 

*   *   *

 

川田さんの最初のご質問は、部下についてではなく、ご自身の変革に関することですね。

ご自身の性格がせっかちである、自分のことにはなかなか気がつかない、と書いておられますが、まず、このようにご自分を認識しておられることはとても素晴らしいことです。正しい自己認識が自己変革への第一歩なのですから。

 

セルフコーチングのすすめ

さて、その自己変革のための方法ということですが、それには「セルフコーチング」という手法が非常に有効です。

これは要するにコーチングスキルを自分に対して使うということで、自分で自分に適切な質問を投げかけ、答えを見つけ出す、という作業を意味します。

これはコーチングスキルに熟達すれば比較的容易にできるものですが、川田さんはまだコーチング修行中の身ですから、そう簡単ではないでしょう。しかし、次のようなやり方なら可能ではないでしょうか。

 

セルフコーチングの実践法

毎晩10~20分程度、「今日の振り返り」の時間をつくるようにします。要するに「反省の時間」です。まず、「今日うまくいったこと」と「うまくいかなかったこと」を思い浮かべてどれか一つずつをテーマにします。最初に「今日うまくいったこと」について、次のような質問を自分に投げかけ、答えを探します。

 

(1)あの件がうまくいったのは、どうしてだろう(自分のやり方のどこがよかったのか、どんな条件、環境があったのか、等)

 

(2)もっとうまくやるには、どんな方法が考えられるだろう

 

次に「うまくいかなかったこと」についても同様の質問を投げかけ、答えを探します。

 

(1)なぜあの件はうまくいかなかったのか(自分のやり方のどこかまずかったのか、どうすればうまくいっただろうか、等)

 

(2)なぜ自分はあのようなやり方をとってしまったのか(焦っていたのか、カッとしたのか、この方法がベストと信じていたのか、等)

 

この段階で常に明確な結論を得るという必要はありません。自らを振り返る習慣づけ、そしてちょっとした気づきの積み重ねが重要なのです。

他人と過去は変えられない、変えられるのは自分と未来だけだ、というようなことをよく言いますが、実は自分を変えることもそう簡単ではありません。気づきが積み重なり、「どうしても自分をこう変えなければ」、と心から強く思う段に至って、そこで初めて行動が変わり、自己変革が起こり始めるものです。焦らずに取り組んでいただきたいと思います。

 

相手の人間性に対する攻撃は絶対に避ける

なお、ご質問の後半で「不適切な言動が出ることはよくないことか」とありますが、この場合の「不適切な言動」のニュアンスがよくわかりません。ご自分で書いておられるように「口が悪い」という程度のことならば、心の底に「ともに仕事ができることへの感謝」と「部下の成長を願う気持ち」があれば、部下も分かってくれるはずです。

しかし、「不適切な言動」が、部下の人間性を傷つける言葉や、自分の非を棚に上げての責任追及のようなものも含むとなると、これは要注意です。このような言動が続くと、その人への尊敬や信頼が失われるのはもちろん、嫌悪感や軽蔑までも抱かれかねません。

どんな相手であれ「人間として対等・平等」という基本的な認識と、先に述べた部下への感謝と愛情を常にベースに置いて、しかしざっくばらんで飾らない物言いをする人、という態度で接するならば、「口の悪さ」もかえって好ましい特徴と受け取られるのではないでしょうか。

川田さんの実際の姿がわからないので抽象的なアドバイスになってしまいましたが、参考にしていただければ幸いです。

 

【POINT】自分を変えることはできる。しかし、それは容易ではないことをまず心得よう

 

出典:『リーダーのためのコーチング実践Q&A』(2005年8月/PHP研究所)

 



 

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【著者プロフィール】

星雄一(ほし・ゆういち)

1969年、松下電器産業株式会社(現・パナソニック株式会社)に入社後、(株)PHP研究所に出向。月刊「PHP」編集部、出版部、直販普及本部などを経て、1997年、同社取締役。2008年、専務取締役。2009年、任期満了により退任。営業・編集・出版・子会社設立運営・人材育成と多方面の経験を活かして、PHPゼミナールの企画運営や研修講師育成にあたる一方、経営幹部のマネジメント、リーダーシップ全般の研修も担当。また、「PHPコーチング」プログラムを企画開発し、自らもコーチング講師として講演・講師活動を行なう。現在、(株)PHP研究所客員。


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