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「ほめる」と「叱る」の基準、ポイントは?~コーチングQ&A

「ほめる」と「叱る」の基準、ポイントは?~コーチングQ&A

(2016年8月29日更新)

 
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「コーチング=ほめること」のような単純な認識はしていませんが、ほめてやる気にさせることは重要な要素であると認識しています。

ほめると叱るはどちらか一方だけということはあり得ないと思いますが、比較的「叱り中心」で育てられ、叱りが多い現状の私からして注意すべき点、「ほめる」と「叱る」のタイミング等、ポイントをお教えください。

(南田一郎・商社営業課長〈仮名〉)

 

*   *   *

 

「ほめる」と「叱る」のバランスやタイミングは、まさに部下を持つ人の多くが、どうしてもぶつかる問題の一つであるようです。

これについては、上司自身と部下の性格や、仕事の種類、職場の風土などによってさまざまなケースがあり得ますので、共通して一番いいパターンはこうだと言うことはできないと思います。

ただし、南田さんも書いておられるように、どちらか一方だけでうまくいくということはまずあり得ないでしょう。

また、ほめるも叱るもその時の気分次第のようなメリハリのない対応も効果が薄いでしょう。このような場合にはほめる、このような場合には叱る、というその上司なりのルールというか基準がはっきりしていることが望まれます。

 

「ほめる」「叱る」の基準を持つ

「ほめる」ということに関して言えば、コーチングでは「存在承認」「結果承認」「事実承認」という三つの基準がありますから、参考になるでしょう。「叱る」については、「私」ではなく「公」、つまり、社会的なルールや法律、会社の理念や方針などを基準とするのが望ましいといえます。

ともあれ、自身の基準に照らしてよしと思えばすぐほめる、外れたらすぐ叱る、というスタンスを基本とすべきでしょう。いつ叱ろうか、いつほめようか、などと考えているうちにタイミングを失すればいずれの効果も急減してしまいますので、そうならないためにも、気づいた時点で即、という原則で臨まれたらいかがでしょうか。

それから、叱るとほめるのバランスですが、これも一概には言えません。ただ、普段ほとんど叱られてばかりの上司にたまにほめられるとものすごく嬉しい、逆に、普段ほめられることが多いのでたまに叱られると骨身に応える、ということはよくあるようです。

つまり、叱る・ほめる半々よりも、どちらかが七~八割、というほうが効果的だといえるようです。どちらを主体にするかは、ご自身の性格タイプに応じてお考えください。

 

誠心誠意「ほめて」「叱る」

なお、叱る・ほめるについて、いくつかの留意点をあげておきます。

 

(1)「事実」をほめる、あるいは叱る

特に叱る場合は、その人自身を叱るのではなく、事実そのものを叱ることに留意しないと、人格否定になる可能性がありますので要注意です。また、過去の事実を蒸し返して叱るのも逆効果になることが多いものです。

 

(2)叱るのはあくまで教え諭し、相手の気づきを促す行為である

上司の感情の発露であってはなりません。一方的に、頭ごなしに叱るのではなく、相手の意図や反省や改善案などもしっかり聴くことを忘れないでください。

 

(3)ほめるにせよ叱るにせよ、相手の成長を心から願うという基本スタンスの上に、気づいたときに誠心誠意ほめる・叱ることが大切

 

この基本がしっかりしてさえいれば、バランスやタイミングなどにあまり気を遣う必要はないのではないでしょうか。気を遣いすぎると、かえって部下を操作するためのテクニックと感じられる可能性があります。

 

【POINT】「ほめる」「叱る」はテクニックではないことを肝に銘じよう

 

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【Key Word】「ミラーリング」

相手との良好な信頼関係をつくりだすためのペーシングの方法の1つです。

相手の表情、仕草や振る舞い、声の調子、スピードなどをこちらが鏡のように映し出すことから「ミラーリング」といいます。

仲の良い友人同士や恋人同士は自然にミラーリングができているものですが、意図的にこの方法を活用すれば効果的に相手(部下)との信頼関係を強化することができます。

 

 

出典:『リーダーのためのコーチング実践Q&A』(2005年8月/PHP研究所)

 



 

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【著者プロフィール】

星雄一(ほし・ゆういち)

1969年、松下電器産業株式会社(現・パナソニック株式会社)に入社後、(株)PHP研究所に出向。月刊「PHP」編集部、出版部、直販普及本部などを経て、1997年、同社取締役。2008年、専務取締役。2009年、任期満了により退任。営業・編集・出版・子会社設立運営・人材育成と多方面の経験を活かして、PHPゼミナールの企画運営や研修講師育成にあたる一方、経営幹部のマネジメント、リーダーシップ全般の研修も担当。また、「PHPコーチング」プログラムを企画開発し、自らもコーチング講師として講演・講師活動を行なう。現在、(株)PHP研究所客員。


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