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質問しても相手の反応が鈍いのは?~コーチングQ&A

質問しても相手の反応が鈍いのは?~コーチングQ&A

(2017年3月 3日更新)

 
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私は現在は直属の部下がいませんので、コーチングは、職場内での業務上の問題解決や業務に関して、同僚・後輩などから相談を受けた場合などに実施しています。

その際、相手方からの気づきを引き出すべく質問を投げかけてもこれに対する反応が鈍く、相手の中にある答えをうまく引き出すことができないことがあります。

質問の方法については、最初は限定質問(例「取扱要領にはどのような記載があるの?」)から始め、意識的に拡大質問にもっていくようにしていますが、期待するような答えがなかなか出てきません。うまく相手の答えを引き出すにはある程度の経験が必要なのでしょうか。また、相手の答えを引き出すためには質問は多くすべきなのでしょうか。

(沢田二郎・電気工事会社係長〈仮名〉)

 

*   *   *

 

沢田さんのご質問は「質問のスキル」そのものの上達に関することであり、これこそがコーチングそのものと言ってもいいくらい、奥が深く、難しいものです。

 

相手の沈黙が意味するもの

沢田さんは「質問に対する反応が鈍い」と書いておられますが、この状況には二つのケースが考えられます。

一つは、本当に答えを見つけられない場合です。沢田さんの質問内容に関して、これまでまったく考えたことがなく、それに関する情報量も極端に少ない、というようなケースです。つまり、「考えるための材料」が少なすぎるのです。このような場合には、「何か必要な情報はあるかい?」「どんなサポートや情報があればいい?」といったリクエスト質問を投げかけてください。もちろん、場合によってはティーチングも必要になります。とにかく、考えるための材料を増やしてあげるなど、考える環境を整えてあげることがポイントです。

もう一つは、質問を受けて真剣に考えている状態、言い換えれば「深く自分の中に分け入っている状態」に相手がいるという状況です。

この場合、相手は沈黙していますので、「反応が鈍い」ように見えますが、相手の意識の中では答えを探す作業が急ピッチで進められているはずです。つまり、「反応が鈍い」ということとは根本的に違うので、この違いをしっかり見極めてあげることが大切です。このときは相手が答えを見つけるまで時間を与えてあげることが必要です。また、その場で答えることができなければ、「しばらく考えてみて、答えが見つかったら教えてくれないか」のように冷却期間を置くのも効果的です。

 

質問の効果を見極めるためには

実は、すぐに答えが返ってくるのは、意識の浅いところで答えを見つけている場合が多いので、さらに質問を続けて考えを深めさせることが大切です。したがって相手が考えこむほどの質問の方が相手の深い内側の答えを導き出すという意味で優れた質問といえるかもしれません。質問が上手になるには、多くの質問をして相手の反応を観察し、その質問の効果を見極めていくといった経験を積むことが必要です。これからもどんどん質問をして、スキルを磨き上げていってください。

 

【POINT】質問のスキルは数をこなして初めて上達する

 

 

出典:『リーダーのためのコーチング実践Q&A』(2005年8月/PHP研究所)

 

コーチング研修ベーシックコース

 


 

 

【著者プロフィール】

星雄一(ほし・ゆういち)

1969年、松下電器産業株式会社(現・パナソニック株式会社)に入社後、(株)PHP研究所に出向。月刊「PHP」編集部、出版部、直販普及本部などを経て、1997年、同社取締役。2008年、専務取締役。2009年、任期満了により退任。営業・編集・出版・子会社設立運営・人材育成と多方面の経験を活かして、PHPゼミナールの企画運営や研修講師育成にあたる一方、経営幹部のマネジメント、リーダーシップ全般の研修も担当。また、「PHPコーチング」プログラムを企画開発し、自らもコーチング講師として講演・講師活動を行なう。現在、(株)PHP研究所客員。


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