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部下への上手な「伝え方」のポイントとは?~コーチングQ&A

部下への上手な「伝え方」のポイントとは?~コーチングQ&A

(2017年3月24日更新)

 
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先日、部下全員と面接しましたが、通常の業務に関することについては、多少ギクシャクした面もありましたが、コーチングを意識しつつ、しっかり伝えることができたように思います。

しかし、新たなことへチャレンジしてもらいたいことを伝えるのに苦労しました。まだまだコーチングの力が不足していることを痛感しましたが、今後どのような点に留意すればいいでしょうか。 (薄田三郎・営業所課長〈仮名〉)

 

*   *   *

 

薄田さんは、部下との面接でちょっと苦労しておられるようですね。それは、文面から推察するに、「伝える」ことの難しさによるもののようです。そこで、「伝える(話す)」ことと「聴く」ことをきちんと分けて考えることをお勧めしたいと思います。

コーチングは、あくまで「聴く」ことがベースです。答えは相手がもっており、考えさせて、それを引き出す、ということのために、適切な質問や承認の言葉を挟みながら、徹底的に聴くスタンスをとることが何よりも重要です。

部下との面接は、それぞれ目的はあるでしょうが、コーチングのまたとない機会でもありますので、この「聴く」というスタンスをベースにしてください。

 

「伝える」前にまず「聴く」

例えば、「新たにチャレンジしてもらいたいこと」についても、薄田さんの考えを伝える前に、まずは次のような質問で相手の中にあるものを聞き出すことに留意してみましょう。

「君は来年度はどういう課題に取り組みたいと思ってるの?」

「来年の君自身の目標について聞かせてくれないか」

といった按配です。

相手が薄田さんの望むような、あるいはそれ以上の課題・目標を提示すれば、それは素晴らしいこととして承認し励ましてあげればいいでしょう。

もし薄田さんの期待レベルよりかなり低いようであれば、「その目標はぜひチャレンジして達成してほしいね。何か僕にできることがあれば応援するから、いつでも言ってきてよ」というように、まず承認します。

そして、その上で、

「僕は君にはもう一つ別の目標にもチャレンジしてほしいと思っているんだが、聞いてくれるかな」

「君にはもっと高いレベルにチャレンジしてほしいと思っているんだが……」

というような形で、薄田さんの考えをはっきり伝えます。ここからは「伝える」という作業が中心になります。

 

意見を伝える際のポイント

上司として部下に自分の意思や考え、要望を伝える場合、心にとどめておきたい重要ポイントが二つあります。

一つは、「配慮」はしても「遠慮」は無用、ということです。

部下の置かれた状況や、彼の能力、性格などには十分配慮しなければなりません。しかし、その上で出した結論については、遠慮しないではっきり伝えることです。それが上司としての役割なのです。部下に遠慮をすると、上司としてとるべきマネジメントスタイルが崩れてしまうことになりかねないのです。

もう一つは、部下の成長を心から願う、というスタンスです。

自部門や会社の置かれた状況によっては、心ならずも部下に厳しすぎる要求をしなければならないこともあるでしょう。あるいは、部下の言動の問題点を注意し、ある場合には叱責してまで改善させなければならないこともあるでしょう。そういう場合であっても、その言葉が上司の個人的な感情から出たものではなく、上司としての役割上必要な言葉であり、その根底に部下の成長を願う心があふれていることを感じ取れれば、部下は心から受け入れるものです。

私心や立場にこだわった言葉は、たとえどんなにきれいな表現でも、すぐに見抜かれてしまい、何の効果も生まないでしょう。

 

【POINT】部下に対しては「配慮」はしても「遠慮」はせずに、はっきりと自分の考えを伝えよう

 

 

出典:『リーダーのためのコーチング実践Q&A』(2005年8月/PHP研究所)

 

コーチング研修ベーシックコース

 

 


 

【著者プロフィール】

星雄一(ほし・ゆういち)

1969年、松下電器産業株式会社(現・パナソニック株式会社)に入社後、(株)PHP研究所に出向。月刊「PHP」編集部、出版部、直販普及本部などを経て、1997年、同社取締役。2008年、専務取締役。2009年、任期満了により退任。営業・編集・出版・子会社設立運営・人材育成と多方面の経験を活かして、PHPゼミナールの企画運営や研修講師育成にあたる一方、経営幹部のマネジメント、リーダーシップ全般の研修も担当。また、「PHPコーチング」プログラムを企画開発し、自らもコーチング講師として講演・講師活動を行なう。現在、(株)PHP研究所客員。


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