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モチベーションを高めるコミュニケーションとは?~コーチングQ&A

モチベーションを高めるコミュニケーションとは?~コーチングQ&A

(2017年4月 3日更新)

 
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研修で学んだコーチングスキルを早く身につけ、最大限発揮できるよう、自分なりに実践しています。部下とのコミュニケーション機会をできるだけ多くし、彼らの話をよく聴き、適切なサポートや指導を行なうよう心がけています。

以前より確かに信頼関係が深まってきたと感じています。しかしながら、彼らのやる気をさらにかきたたせるようなサポートや指導が、どうしても不足しているような気がします。モチベーションアップこそ、私のような立場の者の最大の役割だと思うのですが。

これについては、結局は私次第であることはよくわかっていますが、何かよいアドバイスありましたらお願いいたします。(与田二郎・営業所課長〈仮名〉)

 

*   *   *

 

部下の「やる気(モチベーション)」を向上させることは、上司の立場にある人すべてに共通する最大課題であり、マネジメントとは、極言すればここに尽きるといってもいいでしょう。コーチングの目指すところも結局は当人のやる気の向上です。しかし、実はそれがなかなか一筋縄ではいかないテーマであり、マネジメント研修とかリーダーシップ研修はそのために組まれているとさえいえます。

ですから、このご質問に簡単にこうだとお答えできればいいのですが、そうもいかないというのがこのテーマの難しいところです。しかし、あらゆる組織に共通する基本的な要素はいくつか挙げられますので、それをお伝えして、後はご自身で工夫努力していただきたいと思います。

 

やる気向上の二つの要素

部下のやる気を向上させる要素にはいろいろなものがありますが、ぎりぎりまで突き詰めていくと、それは次の二つの要素に尽きるのではないかと思います。

 

(1)「意味」の理解と共感

わが社の、わが部門の目標、そして本人自身が担当する仕事の意義・意味をはっきりと理解し、共感することです。

共感するためには、その目指すものが社会的に価値があると感じられること、そして自分自身の成長や自己実現につながると感じられることが重要です。上司はそのことをきちんと語り、説明してあげなければなりませんが、重要なことは、まず上司自身がその意味・意義について正しく理解し、心から共感していることです。これがあいまいであれば、いかに言葉を尽くしても、部下の心を捉えることはできないでしょう。

 

(2)上司への信頼と尊敬

この上司のためならがんばろう、この上司と一緒に仕事をしたい、という強い思いを部下に抱かせることができるかどうかが非常に大きな鍵です。そのために上司はどうあらねばならないか、ご自身で考えていただきたいのですが、重要なポイントとしては次のようなことがあげられるでしょう。

 

◎ビジョン、課題の確立

会社から与えられた目標以外に、上司自身がこの組織をどうしていきたいのか、自ら取り組みたい課題は何か、といったことを熱く語ること

 

◎誰よりも強い熱意

会社から与えられた目標の達成についてはもちろん、自分が打ち出したビジョンや課題の実現や解決について、メンバーの誰よりも熱い情熱を持ち、懸命に取り組んでいること

 

◎言行一致

上司が言っていることとやっていることの間に、矛盾がないこと

 

もちろん、仕事の能力も重要ですが、この三点は能力以上に大きな意味をもつのではないかと思います。

 

部下のモチベーションアップは、相手の性格、経歴や現在の状況などによって、それぞれ異なる対応が必要です。コーチングスキルを活用したコミュニケーションも重要でしょう。しかし、根本的には、ここに挙げた二つのポイントがしっかり押さえられていないと、いかなるテクニックやスキルをもってしてもうまくいかないのではないかと思います。

これは私自身の経験からくる実感でもあります。ぜひ参考にしていただき、考えていただきたいと思います。

 

【POINT】「ビジョンの確立」「強い熱意」「言行一致」の三点が信頼される上司の基本条件

 


 

【Key Word】コミットメント

コーチングにおいては、クライアント自身が自らの達成すべき目標と責任を明確にすることが重要な要素となります。

相手が目的・目標を明らかにし、責任をもって主体的に行動し、必ずやり遂げるとしっかり決めることを「コミットメントする」といい、その内容そのものを「コミットメント」と呼びます。コーチングでは、相手が具体的な行動を起こし成果を出すことを目的にしていますから、いかにコミットメントするかが大切な要件となります。

 

 

出典:『リーダーのためのコーチング実践Q&A』(2005年8月/PHP研究所)

 

コーチング研修ベーシックコース

 

 


 

【著者プロフィール】

星雄一(ほし・ゆういち)

1969年、松下電器産業株式会社(現・パナソニック株式会社)に入社後、(株)PHP研究所に出向。月刊「PHP」編集部、出版部、直販普及本部などを経て、1997年、同社取締役。2008年、専務取締役。2009年、任期満了により退任。営業・編集・出版・子会社設立運営・人材育成と多方面の経験を活かして、PHPゼミナールの企画運営や研修講師育成にあたる一方、経営幹部のマネジメント、リーダーシップ全般の研修も担当。また、「PHPコーチング」プログラムを企画開発し、自らもコーチング講師として講演・講師活動を行なう。現在、(株)PHP研究所客員。


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