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コーチングを学んだが、上司とのコミュニケーションはうまくいかない~コーチングQ&A

コーチングを学んだが、上司とのコミュニケーションはうまくいかない~コーチングQ&A

(2017年4月18日更新)

 
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自分の上司とのコミュニケーションがなかなかうまくいかず、戸惑っています。何かアドバイスがいただければ幸いです。

スタッフとのコミュニケーションは、気づかせる、考えさせる、承認する、任せる、といったスキルを活用して、かなりうまくできていると思います。コーチングの効果を感じています。(船田三郎・商社係長〈仮名〉)

 

*   *   *

 

船田さんは、部下(スタッフ)とのコミュニケーションはコーチングスキルを活用してうまくいっているとのこと、そのことだけでも素晴らしいことです。今後も、コーチングのスキルを磨く努力を続けていただき、部下(スタッフ)の能力、自主性、可能性を大きく伸ばしていってあげていただきたいと思います。

 

上司とのコミュニケーションをどうするか

さて、問題は上司とのコミュニケーションですね。一般的に言って、上司という存在は、部下に指示命令したり厳しく管理監督したりすることが主な役割だと思っている人が多いものです。ですから、職場にコーチングを根付かせ、職場の活力を上げていくためには、コーチングに対する上層部の理解認識が極めて重要なのです。しかし船田さんの職場の現実がそうなっていない以上、船田さんには何ができるでしょうか。

ここから私と船田さんとの間でコーチングを始めたいのですが、一回のメールではそうも行きませんので、次の二つの方法をアドバイスしたいと思います。

 

(1)上司とのコミュニケーションの量を増やす

一般に、相手に対する信頼感・好意・親しみなどの強さと、その相手とのコミュニケーションの質・量は、比例するものです。簡単に言えば、苦手な相手、いやな相手とは、必要以外の話をしない、というようなことです。

船田さんと上司の方との関係がどうなのかはわかりませんが、もしそれに近いものであれば、コミュニケーションの量を増やすことから打開への道が開けることが多いようです。

要するに、とにかくこまめに声をかける、挨拶する、ホウレンソウを頻繁に行なう、といったことです。これによってお互いが交わす言葉の量が増えてくれば、お互いの人柄・気持ち・考えなどがこれまでよりもよくわかるようになって、次第に話しやすくなり、話の質も高まってくるものですし、お互いの信頼感や親密感も向上していくものです。

これは本来、上司の側から行なうべき行動ですが、上司にそういう意思がないのであれば、船田さんのほうからチャレンジする価値は十分にあるでしょう。

 

(2)上司にコーチングを説明する

仮に上司の方がコーチングをまったくご存じないとすれば、一度少し時間をとってもらって(ノミュニケーションの場でもOKです)、研修で学んだコーチングの概要を聞いてもらってはどうでしょう。

その上で、自分はコーチングに可能性があると強く感じるので、部下に対して極力使っていきたい、ついては、上司にもそのバックアップをしていただきたい(要するに足を引っ張らないでほしい、ということです)、ということを伝えます。

その説明によって、上司の方にコーチングに肯定的な関心をもってもらえれば、コーチングスキルまでは使えなくても、「自分も(部下である)船田さんの話をもう少しきちんと聴くようにしようか」「指示命令ばかりでなく、時には部下の考えを聴くようにしてみようか」といった意識が生まれ、その後のコミュニケーションはかなりやりやすくなる可能性が高いでしょう。

 

「教える」ことは「学ぶ」こと

この方法にはもう一つのメリットがあります。それは、他者にコーチングを説明することによって、船田さん自身のコーチングに対する理解認識が一段と深まるということです。「教えることは学ぶこと」という言葉がありますが、自分ではわかっているつもりでも、他人にわかるように説明するのは意外に難しいもので、そのためにもう一度全体を振り返り、説明の仕方を考える、といった工夫が必要になります。これが非常に大きな「学び」になるのです。

上司がコーチングに理解を示し、肯定的な関心をもってくれるかどうかは、まさに船田さんの説明のできと熱意次第といえるでしょう。

この二つの方法、どちらもそんなに簡単ではありませんが、とても無理というほどのものでもないのではないでしょうか。できれば両者を併用すれば、さらに効果的でしょう。やるかやらないか、それは船田さんご自身がお決めください。成果を期待しています。

 

【POINT】社内上層部のコーチングに対する認識は、社内のコーチング浸透に大きく影響すると心得よう

 

 

出典:『リーダーのためのコーチング実践Q&A』(2005年8月/PHP研究所)

 

コーチング研修ベーシックコース

 

 


 

【著者プロフィール】

星雄一(ほし・ゆういち)

1969年、松下電器産業株式会社(現・パナソニック株式会社)に入社後、(株)PHP研究所に出向。月刊「PHP」編集部、出版部、直販普及本部などを経て、1997年、同社取締役。2008年、専務取締役。2009年、任期満了により退任。営業・編集・出版・子会社設立運営・人材育成と多方面の経験を活かして、PHPゼミナールの企画運営や研修講師育成にあたる一方、経営幹部のマネジメント、リーダーシップ全般の研修も担当。また、「PHPコーチング」プログラムを企画開発し、自らもコーチング講師として講演・講師活動を行なう。現在、(株)PHP研究所客員。


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