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負担が大きい仕事には消極的になる部下~コーチングQ&A

負担が大きい仕事には消極的になる部下~コーチングQ&A

(2017年4月24日更新)

 
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研修受講後、部下に対して、活動の内容や成果の大小にかかわらず、言葉に出して「ほめる」「認める」ように心がけております。おかげで部下は臆病なところが少しずつとれ、わからない点等を素直に認め、発言するようになってきています。

あとは自らがもっと進んで行動できるようになってほしいところであります。好む課題であっても、自己負担が大きくなると、まだ引っ込んでしまったり、行動する前に考え込む傾向があります。

自己負担大小の思いの匙加減を把握するための質問のスキル例をご教示ください。 (塩田二郎・団体職員・課長〈仮名〉)

 

*   *   *

 

「自己負担大小の思いの匙(さじ)加減を把握する」というのはなかなか難しい表現ですが、このテーマが本人にとってどの程度困難に見えているのかを上司としてどう把握し、やる気にさせるかということだと捉えていいでしょうか。とすれば、以下のようなアプローチが考えられます。

 

(1)部下の言葉以外の声や態度、仕草などを注意深く観察し、自信ややる気の強弱を読み取る

 

(2)このテーマの意味・重要性を認識させる

「これが達成できたらわが部門はどういう状態になるだろうね?」

「これが達成できたら、君自身は何が得られると思う?」

 

(3)部下本人の達成見通しを聞く

「このテーマが達成できる見通しは何%ぐらいかな?」

 

(4)上記でかなり低い見通しを示す場合、その根拠を聞く

「君が難しいと思う理由は何だろうね」

「どういう点に難しさを感ずるのかな?」

 

(5)対策(「資源」と「選択肢」)を考えさせる

「何があればその壁を越えられるだろうか」

「ほかにどんな方法が考えられるかな?」

 

(6)サポートの要望を聞く

「私にサポートできることがあれば、何でも言ってくれよ」

 

小さな成功を承認する

補足として三つほどご提案させていただきます。

 

(1)言葉に出して「承認」することを継続してください。「承認」は、部下の心に前向きなエネルギーを蓄積し、具体的な行動を促します。

 

(2)塩田さんの部下は、「やる気」をもって仕事に取り組んでいる反面、やや自信がないように感じられます。一気に負担の大きな仕事を任せるのではなく、小さな階段を一歩一歩上るように負担の度合いを少しずつ加減しながら任せ、「小さな成功」を数多く体験させることお勧めします。小さいけれど着実な成功に対して「承認」を重ねていくことによって、彼の自信は次第に力強いものになり、やがてより大きく前向きな仕事ができるようになるでしょう。

 

(3)仕事の「結果・成果」を評価するより、努力のプロセスに焦点をあてて「勇気づける」ことに留意してください。「臆病な」部下にとって塩田さんの「勇気づけのメッセージ」はとても有効に機能することでしょう。どうか大切に育ててあげてください。

 

【POINT】「認める」ことで部下に前向きなエネルギーを与えよう

 

出典:『リーダーのためのコーチング実践Q&A』(2005年8月/PHP研究所)

 

コーチング研修ベーシックコース

 


 

【著者プロフィール】

星雄一(ほし・ゆういち)

1969年、松下電器産業株式会社(現・パナソニック株式会社)に入社後、(株)PHP研究所に出向。月刊「PHP」編集部、出版部、直販普及本部などを経て、1997年、同社取締役。2008年、専務取締役。2009年、任期満了により退任。営業・編集・出版・子会社設立運営・人材育成と多方面の経験を活かして、PHPゼミナールの企画運営や研修講師育成にあたる一方、経営幹部のマネジメント、リーダーシップ全般の研修も担当。また、「PHPコーチング」プログラムを企画開発し、自らもコーチング講師として講演・講師活動を行なう。現在、(株)PHP研究所客員。


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