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部長に求められるリスクマネジメント

部長に求められるリスクマネジメント

(2016年8月 1日更新)

 
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部長研修では、部門内のリスクマネジメント責任を果たすための実践的な知識を身につけさせることが求められます。現場の責任者として部長が実践すべきリスクマネジメントについて解説します。

 

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前々回の「課長と部長はどう違うのか――部長に求められるマネジメント力」においてリスクマネジメントの重要性が高まっていることをお話しました。

一つのミスや不祥事が企業の存続を大きく脅かします。特に、部長は部門経営者、責任者として、日頃からコンプライアンス意識を高めるとともに、自部門での発生が想定されるリスクを洗い出し、未然防止策を講じることが求められます。また、万が一事故が発生した時の対応を想定しておきたいものです。今回は、部長が実践すべき「リスクマネジメント」についてお話しします。

 

経営を脅かすリスクの種類

一般的に企業経営を脅かすリスクは、次の5種類に分類されるといわれます。

 

(1)会社財産リスク

火災・爆発・地震・風災害(台風など)・盗難などによって、会社が所有している財産が損なわれるリスクのこと。

 

(2)営業活動リスク

会社の売上や利益が減少するリスクのこと。たとえば、取引先の倒産、事業継続リスク、サプライチェーンリスク、CS・クレーム対応、事業承継リスク、食品安全など。

 

(3)法務リスク

会社が株主、従業員、消費者から賠償責任を問われるリスクのこと。製造物責任や代表者・取締役の賠償責任を問われての訴訟、そして、内部統制、リコール、情報管理リスク(個人情報保護)など。

 

(4)人材リスク

経営者、役員、従業員の死亡・事故・疾病・メンタルヘルス・インフルエンザ・信用損失などのリスクのこと。

 

(5)経営戦略リスク

新製品開発や海外進出などの営業戦略上のリスク、海外知財リスクおよび株式投資・商品取引・為替相場・他社への融資などの資産運用上のリスク、税務リスクのこと。

 

日本年金機構や大手教育企業による個人情報の漏えいは記憶に新しいところです。情報漏えい事故を引き起こしてしまった場合には、お詫び状の作成・送付といった対策や予防措置にかかる費用といった経済的損失に加えて、社会的信用の失墜や企業イメージのダウンによる経営上の損失が発生します。それらはすぐに取り返すことはできません。顧客離れや人材離れが起こり致命的な事態に陥ることもあります。

また、今年度から導入されたマイナンバー制度によって、すべての企業が、規模や業種を問わず、従業員などのマイナンバーを取り扱うことになり、セキュリティ対策が急務となっています。

個人情報保護など情報管理リスクへの対応は、企業全体としても、さらに組織単位においても、とりわけ重要度を増していると言えるでしょう。

 

部長が実践すべきリスクマネジメント

現実の不祥事やコンプライアンス違反は現場で起こることが多いため、現場の責任者として部長の管理責任が問われます。自部門に存在するリスク、あるいは部門業務に関わるリスクを洗い出し、必要なリスクマネジメントを施すことは、部長にとって重要な仕事です。

リスクマネジメントとは、これから起きるかもしれないリスクに対して、最小のコストで防止し、適切な処理を行うことで、損失や被害を最小限にする経営管理活動を指します。損失や被害を未然に防ぐことは、同額の営業利益を獲得するに匹敵する価値を持っています。逆に、未然に防げなかったときは、会社に重大な危機を招くことになりかねません。

「予防に勝る対策はなし」といわれます。あなたの会社はリスクマネジメント教育・研修を実施しているでしょうか? 特に、コンプライアンス意識や部門業務に関連するビジネス法務は徹底的に教えなければなりません。

多くの会社で問題になっているサービス残業やハラスメント、メンタルヘルスなどは、起こってから対応していては遅いので、早急に研修を実施するなど予防策を講じることをお勧めします。さらに、日頃から、悪い情報ほど早く伝えることの徹底と風土づくりも、部長のリスクマネジメントの一つです。

また、万が一、事故が発生してしまった時の対応を予め準備しておくことも重要です。部長には、トラブル発生時の陣頭指揮が求められますが、「起こったらどうするか」まで考えている部長はほとんどいないのが実態です。

 

人材開発担当者は、部長研修で部門内のリスクマネジメント責任を果たすための実践的な知識を身につけさせ、部門責任者としてリスク対応を徹底させる必要があります。

 

 


 

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【著者プロフィール】

茅切伸明(かやきり・のぶあき)

株式会社ヒューマンプロデュース・ジャパン 代表取締役。
慶應義塾大学商学部卒業後、(株)三貴入社。 その後、(株)日本エル・シー・エー入社。 平成1年3月 住友銀行グループ 住友ビジネスコンサルテイング(株)(現SMBC コンサルティング(株))入社。セミナー事業部にて、ビジネスセミナーを年間200 以上、企業内研修を50以上担当し、他社のセミナーを年間50以上受講する。 平成18年4月 (株)ヒューマンプロデュース・ジャパンを設立。「本物の教育」「本物の講師」「本物の教育担当者」をプロデュースするという理念を掲げ、現在まで年間500以上、累計8,000以上のセミナー・研修をプロデュースするとともに、セミナー会社・研修会社のコンサルティング、セミナー事業の立ち上げ、企業の教育体系の構築なども手掛ける。 
著書に、『実践社員教育推進マニュアル』、通信教育『メンタリングで共に成長する新入社員指導・支援の実践コース』(以上、PHP研究所)、『だれでも一流講師になれる71のルール』(税務経理協会) 

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