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俺たちが若いころは・・・部下に武勇伝ばかり語るできない管理職を、どう教育する?

俺たちが若いころは・・・部下に武勇伝ばかり語るできない管理職を、どう教育する?

(2017年2月16日更新)

 
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「僕たちが若い頃はねえ……」。飲み会の場で、過去の成功体験、武勇伝を延々と語る管理職はいませんか? 部下がうんざりしているのにも、なぜか気づいていません。今回は、このような管理職をどう教育したらいいのかをお話します。

 

*   *   *

 

武勇伝を延々と語る管理職

「俺たちが若いころは、寝る時間も惜しんでがむしゃらに働いたもんだ」、「積極的に行動して営業成績をグングン上げ続けてきた」などと、延々と武勇伝を語る管理職がいます。部下が「昔のやり方は、とっくに通用しなくなっているのに……」と思いながらも、ご機嫌を損なわないように「へえ~」「すごいですね~」「マジですか~」と聞いているふりをするから、さらに暴走してしまいます。

過去の成功体験であればまだしも、「次の日が仕事でも上司と朝まで飲んだ」「ミスしたら、なぐられるのは当たり前だった」などと言いだし、挙句の果てに具体的なアドバイスをすることもなく、「だからお前も頑張れ!」とか、「今は我慢しろ!」という言葉で締めくくります。

多くの若手社員は「また始まった、この話……」「現場のことをわかってない」とうんざりし、迷惑に思っています。時代が変わったことにより、ほとんど通用しない無駄話を、愛想笑いをしながら聞かなければならないのは、苦痛でしかないのです。

このようなことが何度か続くと、部下は「なにを相談してもなにも解決しないし、時間の無駄だ」と感じ、なにかと理由をつけて飲み会の誘いを断わるようになります。自分が嫌われているから断られるにもかかわらず、そうした管理職は「今の若いやつは誘ってやっているのに付き合いが悪い」とぼやくのです。

 

「モーレツに働けば何とかなる」がまだ通用すると思っている

管理職はなぜ武勇伝を語りたがるのでしょうか? ひとつは自分の成功体験から離れられないからです。もうひとつは、現場の状況や解決策がわからないため、精神論に逃げてしまうのです。

昔は変化のスピードが遅かったので、管理職の言うことを聞いていればうまくいきましたが、今は環境の変化が激しく、3年も経てば過去のやり方は通用しなくなります。ところが武勇伝管理職は、こうした時代の変化に気づいていません。「モーレツに働けば何とかなる」が、まだ通用すると思い込んでいます。さらには部下の悩みを理解していないので、精神論で説教をしてしまうのです。特に無能な管理職に限って、自分の無能さを隠すために昔の功績を語り、自分の立場を守り、優越感を感じる傾向にあります。

若手社員は武勇伝ではなく、自分の悩みを解決するヒントや事例を聞きたいのです。

 

「指導」から「支援」へ。管理職の役割は変わっている

管理職はチームのリーダーです。「リーダーとは何か」という役割をしっかり考えさせる研修を実施することが大切です。時代の変化、価値観の変化、若者の変化、働き方の変化、理想のリーダー像の変化をしっかり理解させることが大切です。

部下指導は、「指導する」から「支援する」に変わってきました。部下を自分の思い通りに動かすのではなく、立派に成長してもらうことが目的です。そのためには、部下が会社や仕事をどのようにとらえているのかを、具体的に理解することが大切です。

部下の悩み、現状と課題、そして管理職に期待していることは何かを徹底的に聞き出すコーチング研修、部下の成長を支援するメンター研修、部下の気持ちを察して寄り添うカウンセリング研修など、心のコミュニケーション研修を実施することをお勧めします。

 

リーダーならビジョンを語れ!

若手社員はどのような管理職に魅力を感じるのでしょうか。今の若手社員は、チーム全体で同じ方向に進んでいけるように、ビジョンを語ってくれるリーダーを求めています。

「売り上げを○億円達成させて、みんながもっと報酬をたくさん得られて、もっとやりがいが持てるチームにしよう!」

「この研究を完成させて、世界からガンをなくそう!」

「3年後には君がこのチームのリーダーになってほしい!」

ワクワクする未来を語ることで、若手社員はリーダーに魅力を感じます。管理職にとって大切なのは、上から言われた目標や方針の受け売りではなく、自分の想いを自分の言葉で語ることです。今まで語る機会がなかったのであれば、管理職研修で事業計画の作成に関与させることで、会社の目標や方針を自分の目標や方針にブレイクダウンして、自分の言葉で語るような実習を盛り込むといいでしょう。

 

部下の成長を支援し成長させる管理職、自分の言葉でビジョンを語れる魅力的なリーダー。そうした人材を育てることが、企業の存続を考えるうえで不可欠な要素であることは間違いないでしょう。貴社の職場に“武勇伝管理職”が横行していないか、ぜひ一度、よく観察してみることをお勧めします。

 

課長研修

 

 


 

茅切伸明(かやきり・のぶあき)

株式会社ヒューマンプロデュース・ジャパン 代表取締役。
慶應義塾大学商学部卒業後、(株)三貴入社。 その後、(株)日本エル・シー・エー入社。 平成1年3月 住友銀行グループ 住友ビジネスコンサルテイング(株)(現SMBC コンサルティング(株))入社。セミナー事業部にて、ビジネスセミナーを年間200 以上、企業内研修を50以上担当し、他社のセミナーを年間50以上受講する。 平成18年4月 (株)ヒューマンプロデュース・ジャパンを設立。「本物の教育」「本物の講師」「本物の教育担当者」をプロデュースするという理念を掲げ、現在まで年間500以上、累計8,000以上のセミナー・研修をプロデュースするとともに、セミナー会社・研修会社のコンサルティング、セミナー事業の立ち上げ、企業の教育体系の構築なども手掛ける。 
著書に、『実践社員教育推進マニュアル』、通信教育『メンタリングで共に成長する新入社員指導・支援の実践コース』(以上、PHP研究所)、『だれでも一流講師になれる71のルール』(税務経理協会) 

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