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部下のごきげんをとる課長をどう教育する?

2017年5月31日更新

部下のごきげんをとる課長をどう教育する?

部下に思ってもいないおべんちゃらを言う課長。最近は、パワハラや若手の早期退職を恐れて、部下のごきげんをとる課長も増えています。 今回は、部下に迎合したり、部下のご機嫌をとったりする課長に対して、部下はどう思っているのかを検証し、どのように教育すれば部下から信頼される課長になれるのかをお話します。

部下をおだてたり、ご機嫌を取ったりする課長の実態

パワーポイントができない課長と部下の事例です。コピペで作成した企画書を、大して目を通していないのに「さすがだね!いい企画だよ」と適当にほめる課長はいませんか? こういう人に限ってあとでしっかり内容を修正していますが……。
ムダな作業を指示してくる課長と部下の事例です。「そもそもこの仕事をやる意味があるのですか?」と課長の指示を拒絶する部下に対して、「そういわずにやってくれよ。優秀な君ならすぐにできるだろう?」と部下のご機嫌を取る課長はいませんか?
課長として自信もプライドもなく、自分の考えや意見も持っていません。このように部下から嫌われないように振る舞う課長を部下は信頼しているでしょうか?

課長は会社で最も辛いポジション

なぜ課長は元気がなくなり、部下に迎合するようになったのでしょうか?
業績が悪くなると、管理職、特に課長が一番やり玉に挙げられます。名ばかり管理職にもかかわらず業績責任を問われ、プレイングマネージャーとして部下より高い目標を背負って、率先垂範でチームを引っ張っていかなければなりません。
コンプライアンスやリスクマネジメントなどの取り組みも課せられた上、残業の削減や「ゆとり世代」の部下指導まで担わされています。気の毒なくらい忙しいと思います。
さらに、IT化やグローバル化が進むにつれ、課長の威厳も失われました。特にパソコンや英語は、部下のほうが得意だったりします。部下が上司にパソコンの操作を教えたり、上司よりも部下のほうが英語を話せたりして、上司と部下のパワーバランスが崩れています。
部下は、仕事で困った際、上司に相談するよりも、Googleで検索したほうが早いし、いい情報が得られると言います。そして、サービス残業の問題やパワハラ・セクハラ、働き改革が叫ばれるようになって、過去の成功体験が否定され、課長は完全に自信を喪失しています。今や会社で「最も辛いポジション」といっても過言ではありません。

部下に迎合する課長の心理は?

このように自信を喪失した課長が部下に指示・命令をしようとすると、部下のご機嫌を取りながら遠慮がちになってしまいます。部下にお世辞を言ったり、部下の意見を聞き入れることは、一見「いい上司」「優しい上司」に見えますが、部下からは「甘い上司」「頼りない上司」のレッテルを張られるだけです。そして、部下から信頼されない、見下された状態が続くと、ますます部下に迎合していくのです。
部下に迎合するとどのような問題が起こるのでしょうか? 平常、「優しい上司」「物分かりのいい上司」は好感を持たれますが、何か問題が起きたときにリーダーシップを発揮できません。「いい上司」は部下にとって「都合のいい上司」です。自分の考えもなく部下の意見に迎合することで、逆に信頼を失う場合もあります。また、模範となるべき上司がこれでは、部下が育たないばかりか、仕事が回らなくなります。
では、実際には、どのような問題が起こるのでしょうか。なにか部下に頼みたいことがあっても、「すみません、急ぎの案件が重なっており、手が離せません。誰かほかの人に依頼していただけますか?」と言葉では丁重に断りながらも、本心では、「自分ができないからって、なんで助けないといけないの?」と思っています。本当に困っている時に助けてくれません。
それどころか、課長がミスした時には、それまでの鬱憤を晴らすかのように、部長に告げ口をする部下もいるでしょう。

チームの信頼関係を築く研修を実施する

部下から信頼されるためには、部下から好かれようとするのではなく、部下との「信頼関係」を生み出す努力が大切です。信頼関係を築くことにおいて、一番大切なことは部下とのコミュニケーションをしっかりとることです。仕事の現状や悩みを聴いてあげたり、自分の考えや部下への期待を伝えたり、本音で語り合う時間が必要です。そのためにもコミュニケーションの機会を増やすことが必要でしょう。部下の良い行動や小さな成果を褒めるだけではなく、プライベートな話ができる関係性を築くために昼食や夕食をごちそうしてあげるとよいでしょう。
コミュニケーションの質を上げて、信頼関係を築くスキルを身につけるには、チームビルディング研修やコーチング研修を実施することをおすすめします。コミュニケーション研修を検討する際、座学だけの一方的な講義ではなく、体感型ゲームなどを取り入れた講師やプログラムを選定するようにしてください。参加者ごとに抱えている課題に対して気づきが得られるため、とても有効です。またその研修と並行して、課長に1対1のコーチングや個別指導を取り入れることで効果がより加速します。

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茅切伸明(かやきり・のぶあき)
株式会社ヒューマンプロデュース・ジャパン 代表取締役。
慶應義塾大学商学部卒業後、(株)三貴入社。 その後、(株)日本エル・シー・エー入社。 平成1年3月 住友銀行グループ 住友ビジネスコンサルテイング(株)(現SMBC コンサルティング(株))入社。セミナー事業部にて、ビジネスセミナーを年間200 以上、企業内研修を50以上担当し、他社のセミナーを年間50以上受講する。 平成18年4月 (株)ヒューマンプロデュース・ジャパンを設立。「本物の教育」「本物の講師」「本物の教育担当者」をプロデュースするという理念を掲げ、現在まで年間500以上、累計8,000以上のセミナー・研修をプロデュースするとともに、セミナー会社・研修会社のコンサルティング、セミナー事業の立ち上げ、企業の教育体系の構築なども手掛ける。
著書に、『実践社員教育推進マニュアル』、通信教育『メンタリングで共に成長する新入社員指導・支援の実践コース』(以上、PHP研究所)、『だれでも一流講師になれる71のルール』(税務経理協会)

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