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部下を育てる叱り方とは?~メールで叱責する課長

2017年7月20日更新

部下を育てる叱り方とは?~メールで叱責する課長

部下を育てるために、どのような叱り方をすればいいのでしょうか? 言いにくいからとメールで一方的に叱責する「メール課長」の事例から考えます。
朝からパソコンに向かったまま、メールで指示、注意、叱責する課長。言いにくいこと、面倒くさいことはほとんどメールであることから「メール課長」と言われています。
しかし、仕事のコミュニケーションをメールだけで済ませてしまうと、問題が発生する場合があります。

あなたの職場に「メール課長」はいませんか?

「メールを見てないのか!」「メールをちゃんと読んでいるのか!」と叱る課長。あなたの職場にはいませんか?
目の前にいるのにメールで指示したり、叱ったりする課長に、「メールだけでは指示の意図がよくわからない」「メールで一方的に叱られた」「一緒に仕事をしているのだから、声くらいかけてくれても……」と部下が不満を募らせています。


「メール課長」はなぜメールで仕事をするのでしょうか?

(1)忙しい時に部下からの相談やお客様からの電話で仕事を中断されたくない。
(2)好きな時に読んで、好きな時に送信できるので自分のペースで仕事ができる。
(3)内容が記録として残り、「言った、言わない」のもめごとがなくなる。
(4)言いにくいことでもメールだと言いやすい。
(5)仕事に集中できるので、業務の効率化につながる。

このようにメールでの指示は一見効率的ではありますが、弊害も大きいものです。

誰でもメールを見ることができないくらい忙しい時もあります。また、若手の部下になると、メールの文章だけで課長の意図や思いまで理解できないこともあります。ましてや、メールの行間を読んで、課長の頭の中や心の中まで察することはできません。
結局、二度手間、三度手間になって、課長の期待に応えられません。場合によっては、クレームやトラブルなどの原因になってしまいます。

メールは便利なツール。でもフォローが大切

部下に指示を出す、上司に報告する、部下を指導する、お客様に連絡する……そんな時に、メールは大変便利なコミュニケーションツールです。自分の「都合」で、相手の「時間」も奪わずに、また一度に「多数」のメンバーに、「同時」に「確実」に伝えることができます。
しかしデメリットもあります。文字情報だけだと具体的に意図や詳細を伝えることに限界があります。また、部下がどれほどきちんと把握したかもわかりません。ましてや、「曖昧、抽象的、言葉足らず」な指示をしてしまうと、部下は困惑するだけです。
このようなメールのデメリットを補うには、メールと口頭を使い分け、必ず確認のために口頭でフォローしなければなりません。

夜間や休日のメール説教で部下のモチベーションが下がる

面と向かって言いにくいから、部下を傷つけるのが嫌だからと、メールで注意をしたり叱ったりする課長がいます。すぐ近くにいるにもかかわらず、部下の些細なミスやエラーを指摘します。
言いにくいことでもメールだと言いやすくなり、かなり辛辣に長文メールで説教する人もいます。さらにエスカレートしてくると、部下が帰宅した夜間や休日にも携帯電話メールに送ってくる人がいるようです。ここまですればパワハラ以外の何物でもありません。
メールで一方的に叱ってしまいますと、部下のモチベーションは下がり、人間関係は悪くなるばかりです。

メールで叱る場合に注意すべきことは?

メールで部下を叱るときは、一方的に説教してしまわないように注意してください。ただ悪い事実を指摘するだけで、部下を追い込んではいけません。
たとえば、部下になぜミスをしたのかを考えさせる質問を投げかけると素直に反省してくれます。そして、翌日に部下と面談して、部下の反省を聞いてあげると、逆に部下のモチベーションは上がり、人間関係もよくなります。
メールで叱るときもコーチングが有効です。「なぜ目標を達成できなかったんだ!」と責めるのではなく、「何が原因だと思う?」「来月目標を達成するためには何をしますか?」と質問をして、部下が自分で考えて答えを出せるように促すと効果的です。
また、愛情を込めて必ず期待や励ましの言葉を添えるようにすると、部下のモチベーションも上がります。

「メール課長」を「コミュニケーション課長」に教育するには?

アメリカの心理学者アルバート・メラビアンが提唱した「メラビアンの法則」を聞いたことがあるかと思います。 人の行動が他人にどのように影響を及ぼすかという実験の結果からわかったことは、視覚情報(見た目・表情・動作など)が55%、聴覚情報(声の大きさ、抑揚など)が38%、言語情報(話の内容)が7%、という割合でした。
「メラビアンの法則」からもわかるように、メールが便利だからといって文字情報に頼りすぎてしまうと、想いや感情が伝わりにくいことを、管理職研修できちんと教えることが必要です。メール送信して終わるのではなく、できるだけ部下やお客様と向き合って、対話や口頭でフォローするという教育をするとよいでしょう。

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茅切伸明(かやきり・のぶあき)
株式会社ヒューマンプロデュース・ジャパン 代表取締役。
慶應義塾大学商学部卒業後、(株)三貴入社。 その後、(株)日本エル・シー・エー入社。 平成1年3月 住友銀行グループ 住友ビジネスコンサルテイング(株)(現SMBC コンサルティング(株))入社。セミナー事業部にて、ビジネスセミナーを年間200 以上、企業内研修を50以上担当し、他社のセミナーを年間50以上受講する。 平成18年4月 (株)ヒューマンプロデュース・ジャパンを設立。「本物の教育」「本物の講師」「本物の教育担当者」をプロデュースするという理念を掲げ、現在まで年間500以上、累計8,000以上のセミナー・研修をプロデュースするとともに、セミナー会社・研修会社のコンサルティング、セミナー事業の立ち上げ、企業の教育体系の構築なども手掛ける。
著書に、『実践社員教育推進マニュアル』、通信教育『メンタリングで共に成長する新入社員指導・支援の実践コース』(以上、PHP研究所)、『だれでも一流講師になれる71のルール』(税務経理協会)

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