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若手社員研修はビジネスマナーの復習だけでいいのか?

若手社員研修はビジネスマナーの復習だけでいいのか?

(2017年2月17日更新)

 
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若手社員研修ではビジネスマナーの復習が定番となっています。しかし早期離職などの課題を抱える今、ほんとうにその内容だけでいいのでしょうか。阿部紀子氏が解説します。

 

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集合研修でしかできない内容がある

入社半年後から3年目まで若手社員研修では、「ビジネスマナーの復習」が定番になっています。研修内容についても、それを中心に考えられる人事教育担当者の方が少なくありません。

もちろんビジネスマナーは重要です。しかし、相変わらず高い若手の離職率や、一方で早期戦力化が強く求められる現状を考えると、ほんとうにその内容でいいのか検討してみることも必要です。

 

かつてビジネスマナーは、ビジネス書を読んだり、上司や先輩から教わったりしなければわからないものでした。しかし今や、ビジネスマナーの内容のほとんどについて、ネット検索で答えを見いだせます。名刺交換の仕方は、動画サイトで実践と解説付きで配信されています。あるいはeラ-ニングでも詳しく学べます。

また、接客業等でマナーが特に重要な場合は、単にビジネスマナーを復習させるのではなく、現場に即したレベルの高いマナーや販売技術等をあわせて研修する方が、より効果が出ます。

そう考えると、集合研修では集合研修でしかできない内容に時間をあてる方が有益なのではないでしょうか。ましてや外部講師に依頼する場合は費用もかかりますので、外部講師にしかできない内容を依頼することをぜひ考えてみていただきたいと思います。

 

企業が求める若手研修と、若手社員が学びたい内容

若手社員の教育にかかわって20年になりますが、時代とともに若手社員研修に求められるものが、大きく変遷しているのを強く感じます。

ここ数年、企業の教育担当者からのご要望が多いテーマは「悩みの吐き出し」「問題解決力」「報告・連絡・相談の徹底」といったものです。

また、入社2年目までの社員自身から要望が多いテーマは「コミュニケーション能力」。主に年配の上司やお客様との話し方、メールについて学びたいという話をよく聞きます。入社2~3年目の社員からは「効率的な仕事の仕方」「プレゼンテーション能力」を学びたいという要望があります。

研修実施後、受講者に評判の良かった内容として「自立する力」「いやな上司や先輩の克服の仕方」「やりたい仕事でなかったらどうするか」といったものがあげられます。

 

スキルアップと離職防止のための3テーマ

私は、より質の高い仕事をして真に自立するために、長く役立つ内容を教えることをお勧めしています。具体的には、次のようなテーマが考えられます。いずれも、ビジネス社会で活躍し、キャリアを築いていくために必要になるものです。

 

1)コミュニケーション能力

2)自立する力

3)問題解決力

4)効率的な仕事の仕方

5)プレゼンテーション能力

6)後輩指導の仕方

 

なかでも、入社3年目までにぜひ身につけてほしいのは「問題解決力」「効率的な仕事の仕方」「プレゼンテーション能力」の3つです。どの業務についても役立つものです。

また、これらの能力は、離職防止にも役立ちます。入社2~3年目の頃は理想と現実の間で悩む時期であり、マンネリを感じる時期でもあります。離職の危険性がとても高いのがこの頃です。問題解決のステップを知るだけでも、むやみに悩まないで仕事をこなす力を養えますし、プレゼンテーション能力というのは「伝える力」ですから、相手が多数でも1人でも、職場内、会議の場、お客様に対して等あらゆる場面で役立ちます。

 

成長の機会を与えることに意味がある

若手社員研修のスタイルは様々です。社内講師で実施するケース、外部講師で実施するケース、社内講師と社外講師の組み合わせで実施するケース。研修前に若手社員にアンケートをとる企業もあります。

アンケートの内容は主に2タイプです。

1)若手社員の状態について(モチベーションの状態や悩みを聞くもの)

2)研修で学習したいこと

どちらも記述式の部分を設けるとよいでしょう。

実際に企業で実施されたアンケートを見ると、若手社員は実によく記入しています。記入がない場合は、モチベーションをなくしているなど問題があるという様子が掴めます。アンケートをもとに面談をする、あるいは先輩との交流会を開くというケースもあります。

 

また、こうした研修をふくめた教育計画を、採用時だけでなく既存の社員にも周知させるとよいでしょう。「もう辞めたい」と思っていたところに研修の連絡があり、「あと3か月で○○研修があるから、そこまでがんばろう」と思ったという話を聞くこともあります。目標があれば頑張れるのでしょう。

いずれにしても、若手社員にとっては、会社が成長の機会を与えてくれるということに大きな意味があります。今まで若手社員に対する手立てをしていなかった企業にとって、若手社員研修が離職防止や社員のレベルアップにつながることは間違いありません。

 

 

若手社員研修

 


 

阿部紀子(あべ・のりこ)

社員研修のハートリンク 代表。人材開発コンサルタント。 

銀行、コンサルタント会社にて、営業企画、秘書業務、雑誌・書籍編集等を経験し独立。企業や各種団体の新入社員から管理者までの従業員研修や企業内マニュアル作成に携わる。指導実績企業は全国で約350社。1件1件カスタマイズして課題解決をしながら研修をするのが特徴。


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