課長職にマネジメントの革新を!
RSS

若手社員は「根性」「プラス思考」で残業削減を求める上司に困惑している!

若手社員は「根性」「プラス思考」で残業削減を求める上司に困惑している!

(2017年3月 8日更新)

 
  • はてなブックマーク
  • Yahoo!ブックマーク
  • Check

大手広告会社の過重残業が社会問題になってからというもの、全社的に残業削減の指示が出るケースが増えています。仕事が多くて残業を減らせない若手社員に、根性論・精神論をぶつけてくる管理職。このすれ違いを、どう考えたらいいでしょうか。

 

*   *   *

 

仕事が多くて残業を減らせない部下に「根性」「プラス思考」の上司

「働き方改革」「時短」「残業ゼロ」「ワークライフバランス」と、日本人の働き方を変えていこうとする言葉が飛び交っています。経営者は、現場の管理職に「残業を減らせ!」と指示を出します。課長や係長は、部下に同様の指示をしますが、実際に多くの業務を抱えている部下は、持ち帰り残業をしたり、無視してそのまま残業を続けたりするなど根本的な解決ができていない……そんなケースを多々見かけます。

仕事が多くて残業を減らせないのに、「日々改善だ」「プラス発想で工夫するチャンスだ」「我々の若い頃は……」と根性論をぶつけてくる上司は、部下にとってはごまかしているとしか思えません。相談をする気も失せるでしょう。

 

なぜ管理職は根性論になってしまうのか

困った根性論の上司ではありますが、ごまかしているわけではありません。それではなぜ根性論・精神論になってしまうのでしょうか。それは、彼らが若手社員であった時期に、上司から「根性」「改善」「プラス発想」を植え付けられ、我慢して昇進し、その時代を生き抜いてきたからです。

昔は会社に家族的な人間関係があり、皆でがんばり抜き、喜び合えました。我慢すれば昇進につながることもありました。昇進すると収入がアップし、マイホームや車、ブランド品の購入、海外旅行等、自分や家族へのご褒美がありました。

今はどうでしょうか。家族的な人間関係がある会社は稀有な存在です。若者は物に執着せず、帰属意識が低く、自分の時間を大切にしようとします。

わかりやすい例をあげると、かつては会社の入社式や新入社員研修で「社長を目指す人はいますか?」と質問すると、新入社員の多くが手を挙げました。年配者は若者の夢の大きさに触発されたものです。しかし今、そのような質問をしようものなら、若者はシラケてしまいます。仕事や人生に対する考えや価値観が大きく変わってしまったために、若手社員とすれ違ってしまうのです。

 

「ゆとり教育世代」は論理的に考える

価値観が変わればマネジメントも大きく変える必要があります。精神論が通じにくい時代。現状を正しく捉え、課題の解決法を提示しながら指導してこそマネジメント能力があるといえます。

若手社員、とくに「ゆとり教育世代」は、論理的に考えるのが特徴です。情報過多の中で育ってきたため、自分で選別することに優れています。ゲームなどでも様々な攻略法を活用していますから、論理的思考力が発達しています。また、すぐにネットで検索し解決策のヒントを探しますので、スキルをもって解決する世代ともいえるでしょう。

彼らを指導する上司にも、冷静で客観的なマネジメントが求められます。まず次のことを頭に入れておく必要があります。

 

1)根性論・精神論だけではモチベーションは上がらないし指導もできない

2)具体的であり論理的な解決法を、部下と共に考える

3)時代にあった解決法を取り入れる

 

今の時代に求められるリーダーとは

日本の生産性は、主要先進7カ国で19年連続の最下位となっています。内閣府によると、その主な原因は「(長い・多い)会議と書類の多さ」となっています。日本はおもてなしの国ですから、丁寧なのがあだになって生産性が低下することもあるでしょう。生産性だけで評価するのがいいのかという議論もありますが、それはまた別の機会にさせていただくとして、「(長い・多い)会議と書類の多さ」は事実ではないでしょうか。形骸化した書類づくり追われていることはないか、モチベーションを失った定例会議はないか、仕事の偏りはないか、確認してみる必要があります。

また、今や現場で発生している問題の85%以上が、システムで解決できると言われています。中小企業では、こうした改革は進みにくいのですが、従業員数30名以上になる前に進めておかないと、大きくなっていく過程で弊害や非効率が発生しがちです。

ITの急速な発達等により、ビジネス社会は大きく変化しています。仕事現場も、そこで発生する問題も複雑になっています。上司の経験だけでは解決できません。時には部下のアイデアを活かしたり、専門家の知恵を借りたりしながら解決法を見出さないと、立ち遅れてしまうどころか、部下からの信頼も失ってしまうでしょう。

課題解決のために時代に即した発想でのぞみ、多方面から課題解決にアプローチできる上司こそ職責を果たしているといえます。優れたリーダーシップは、過去にこだわることでも、部下に指示命令ばかりすることでもありません。柔軟な発想力、先を見据えた判断力、問題解決能力があり、器が大きく信頼され、チームをまとめて成果を出していける人物こそ、今の時代のリーダーとしてふさわしいのではないでしょうか。

 

若手社員研修

 


 

阿部紀子(あべ・のりこ)

社員研修のハートリンク 代表。人材開発コンサルタント。 

銀行、コンサルタント会社にて、営業企画、秘書業務、雑誌・書籍編集等を経験し独立。企業や各種団体の新入社員から管理者までの従業員研修や企業内マニュアル作成に携わる。指導実績企業は全国で約350社。1件1件カスタマイズして課題解決をしながら研修をするのが特徴。


メールマガジン

更新情報をメルマガで!ご登録はこちらからどうぞ