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挨拶も返事もしない新人・若手を、どう指導すべきか?

2017年3月28日更新

挨拶も返事もしない新人・若手を、どう指導すべきか?

挨拶をしない、返事をしない、平気で遅刻を繰り返す......そんな若手社員に頭を抱える管理職が増えています。なぜそうなるのか、どう教育すべきか、若手社員教育に精通したプロ講師が解説します。

INDEX

まわりの気持ちを察しない今どきの若手社員

挨拶をしない、返事をしない、平気で遅刻を繰り返す、メールで遅刻を連絡する、報連相をしない、派手なネイルをしてくる、上司にタメ口......。

ビジネスマナーの基本どころか、社会人としての常識をわきまえない行動をとる若手社員に、頭をかかえる管理職が増えています。彼らはまわりの人が困る、不愉快になるということが想像できないのでしょう。それは育った環境に起因するのです。

メールやSNSが当たり前の時代に育った彼らのなかには、生身の人間とのコミュニケーション機会が少ない中で過ごしてきた人もいます。人と対面で会話する、時には摩擦を引き起こす、そしてそれを乗り越えて良好な人間関係を築いていくという経験が不足しているのです。学校教育の「個性尊重」の風潮も手伝って、教師も厳しい指導をしにくくなり、ある意味、甘やかされて育ってきたという一面があるかもしれません。

そして彼らのなかには、社会人になってからも、会社の休憩時間にスマートフォンの画面を見て過ごしている人が見受けられます。学生時代にもそうしてきたのです。コミュニケーションが苦手。苦手だから避ける、避けるからさらに苦手になるという連鎖です。まわりの人の気持ちを察するという態度も身に付きません。「背中を見て学べ」の育成方法はもう通用しなくなっているのです。

企業は入社直後に"しつけ教育"を徹底せよ!

では、今どきの若手を一人前の社会人にするには、どう教育したらいいでしょうか。
まず企業では、新入社員として入社したら、すぐに"しつけ教育"をするのが効果的です。新入社員研修といえば「社会人としての心構えとビジネスマナー」が定番ですが、それ以前の"しつけ教育"から始めます。遅刻はするし、挨拶も返事もしないのでは、いくら敬語ができても問題です。入社直後は基本的には素直で意欲的ですので、効果が見込めます。

"しつけ教育"の内容を整理しておきましょう。
1)「会社を代表する存在として外部から見られている」という意識付けをする
2)「親しき中にも礼儀あり」という心構えを徹底する
3)挨拶や返事をきちんとすることを教える
4)社会人としての態度、身だしなみに気をつけるよう教える
5)時間厳守を徹底させる
6)「互いを思いやり、気を配る」意識を醸成する

「こんなことまで教えるのか!」という管理職の声が聞こえてきます。しかし、腹を立てていても解決しません。彼らと共に働き、将来を託さなくてはならないからです。

職場一丸となって"しつけ教育"をする意味

"しつけ教育"は専門家に依頼してもよいですが、OJT担当者を中心に職場一丸となって指導することが効果的です。自社にあった"しつけ教育"の内容を決めたら、次のようなステップを踏んで理解させます。

「なぜ必要か」→「実行するとどのような効果があるか。実行しなかったらどうなるか」→「実行する際のポイント」→「(あれば)事例」。

たとえば「挨拶」を教える際には次のようになります。

1)なぜ挨拶が必要か
互いを尊重し気持ちよく仕事をするため、人間関係構築のためであり、人の道として出会ったら挨拶をすることは当然。

2)挨拶をすると、どのような効果があるか。挨拶をしなかったらどうなるか
心をこめて挨拶をすると、お互いに気持ちがよいはず。挨拶をしなかったら相手は気分を害する。あなた自身に好感を持ってもらえなくなり、あなたの技術や仕事の実力が認められなくなる。

3)挨拶をするときのポイント
挨拶は明るく、相手より先にする。※出社時、退社時、来客時など場面別に、適切な台詞とやり方を教える。

4)(あれば)事例
事例をあげて理解を深めさせる。

これまでのように「見て覚えろ!」ではなく、意味合いをきちんと説明することがポイントです。そのあとに、上司や先輩が模範を見せるといいでしょう。これにプラスして、「ほめること」「叱ること」も効果的に使います。実行したら、小さなことでもほめてください。
面倒ではありますが、悪い面ばかりではありません。職場で"しつけ教育"をすることで、上司や先輩にとっても、改めてビジネスマナーや社会人としての心がまえを勉強するいい機会になります。

"しつけ教育"の効果を改めて実感したK社

K社では、新入社員として入社した直後に、言葉遣いや電話応対を学ばせるのではなく、まず"しつけ教育"を実施しています。その後、一般的な「新入社員研修」をします。そうすることで、心構えや姿勢が違ってきます。
ある年、"しつけ教育"を緩めにしたことがありました。その年の新入社員たちが、職場で問題行動を多発したことはいうまでもありません。その年、K社の人事課長は「毎年きちんとできていたので、今年は少し甘くしたら、この結果です」と頭をかきながら後悔の言葉を口にしていました。
"しつけ教育"は、新入社員の人格形成の一端を担います。愛情を注ぎながらも、しっかりと"しつけ教育"をすることで、数年後には一人前の若手社員として活躍できるようになっていくでしょう。

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阿部紀子(あべ・のりこ)
社員研修のハートリンク 代表。人材開発コンサルタント。 
銀行、コンサルタント会社にて、営業企画、秘書業務、雑誌・書籍編集等を経験し独立。企業や各種団体の新入社員から管理者までの従業員研修や企業内マニュアル作成に携わる。指導実績企業は全国で約350社。1件1件カスタマイズして課題解決をしながら研修をするのが特徴。

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