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がんばって仕事をしているのにミスが重なる若手社員を、どう育てる?

がんばって仕事をしているのにミスが重なる若手社員を、どう育てる?

(2017年4月12日更新)

 
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仕事をがんばっているのに仕事のミスや漏れがある若手社員。あなたの職場にもいませんか? 表面に現れた「がんばっている」のに「ミスを連発する」という現象だけをとらえると不思議に思えますが、しっかり話を聞いてみると原因は見つかるはずです。原因を正しく把握してこそ、適切な指導ができます。

 

上司・先輩からのコミュニケーションが必要

今の時代、上司や先輩が、部下や後輩の状態を把握するのが難しくなっているといえるでしょう。仕事中はパソコンに向き合い、休憩時間はスマートフォンを見て過ごし、職場でコミュニケーションを取る機会は大幅に減っています。その分、人間関係も希薄になっています。新入社員が仕事を覚えたり、若手社員が育っていったりする途中経過を見る機会も確実に減っていますし、彼らの状況を常に把握するのは難しいものです。逆に、若手社員も上司や先輩のアドバイスや体験談を聞く機会を失っているということも、意識しておかなければいけません。

そこで必要なのが、上司・先輩の側からのコミュニケーションです。一昔前までは、目下の者から積極的に質問するものだという考え方が主流でした。しかしこの考え方は、コミュニケーションを取りやすかった時代のことです。今は、上司や先輩から若手社員に対して積極的にコミュニケーションを取り、また制度として定期的な面談の機会を設けていかないと、若手社員の状況を理解できないままになってしまいます。若手社員の状況を常に把握しておくには、会社としての制度を整えることが欠かせません。

 

仕事のミスや漏れの原因は……?

さて、若手社員に仕事のミスや漏れがあるというこのケース。どう対応するのがいいでしょう?

よくあるのが、上司が「こんなミスをして! やる気はあるのか!」「気合が足りない!」と叱るケース。これは何の解決にもなりません。むしろ、がんばっている若手社員のやる気を奪ってしまうことになり、逆効果です。モチベーションと仕事能力の有無は分けて考えなければなりません。仕事能力の何かが不足していると考えられるので、そこを具体的に指導すればよいのです。がんばっている点は褒めてあげましょう。

たとえば、メモの活用の仕方に問題があることがよくあります。私が多くの若手社員の悩みを聞いた経験では、ほぼ100%メモの問題でした。たかがメモとは思いますが、仕事の原点ですから疎かにはできません。

上司や先輩の指示や話を聞くとき、若手社員はメモをとることに必死で、それができたら、とりあえずほっとします。教えている上司や先輩も、部下が熱心にメモをしている姿を見てほっとするものです。しかし、そのメモを活用しなければ仕事は完了しませんので、活用できるメモになっているかどうか、そこを指導することが欠かせません。そうすればミスは確実に減ります。

 

若手社員に教えたいメモ活用法

メモは、(A)仕事を覚えるための覚書メモ、(B)タスク管理のメモ、(C)伝言メモ の3種類に分けられます。今回の課題に関するものは(A)と(B)です。それぞれの指導のポイントをあげていきましょう。

 

【メモの取り方の注意点 (A)(B)共通】

(1)活用の仕方を考えてメモを作成する。

(2)基本的には、後で清書したり、パソコンに入力し直すことを考えないこと。

 

清書やパソコン入力は二度手間になり非効率です。真面目な人ほどやろうとしますが、結果的には、忙しくてできない、疲れてできないということになります。また、清書しようと思いながら作ったメモはわかりにくいので、これもまた非効率です。最初からいかに使うかを考えてメモを作成するよう指導します。

 

【(A)仕事を覚えるための覚書メモの注意点】

(1)仕事別等、分類を考えてメモをする。

聞いた順に記入していくと、後で見るつもりが、どこに何を書いたか捜すのに一苦労する。用紙を分けて書くなど工夫するよう指導する。

(2)左側3センチくらいを見出し欄にすると見つけやすい。

見出しは自分なりの言葉でつけるとよい。

(3)追加を書き込めるように、数行空けて次のことを書く。

 

メモの取り方

 

【(B)タスク管理のメモの注意点】

営業担当等で外出や移動の多い人の注意点は2点です。

(1)必ず期限を記入する。

(2)タスクがどんどん入ってきてメモ用紙が何枚にもおよぶ場合は、定期的に(例:1週間に1回等)実行順に書き直す。

この(2)を面倒に思う人が多く、これがミスや漏れ発生の原因になります。

デスクワークの人は、ポストイットで1枚1項目を記入し、期限順などに並べ替えて管理をするのがよいでしょう。スマートフォンを利用してもよいでしょうが、アプリを起動しないといけないので、手書きの方が早いと思います。

 

メモの例のように、若手社員には具体的なスキルを指導することが大切です。現場では、「おいおい、こんなことまで指導するのか」と上司・先輩が困惑するという話をよく聞きます。しかし、今の若者は教えられたことを素直に実行できますから、具体的に徹底的に教え込むことで、彼らもしっかりと理解し、実行レベルに移すことができます。上司や先輩が今の若手社員の状況をしっかりと把握し、きちんと向き合うことが、彼らを成長させる近道なのです。

 

若手社員研修

 


 

阿部紀子(あべ・のりこ)

社員研修のハートリンク 代表。人材開発コンサルタント。 

銀行、コンサルタント会社にて、営業企画、秘書業務、雑誌・書籍編集等を経験し独立。企業や各種団体の新入社員から管理者までの従業員研修や企業内マニュアル作成に携わる。指導実績企業は全国で約350社。1件1件カスタマイズして課題解決をしながら研修をするのが特徴。


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