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なぜ新入社員の定着にメンター制度が有効なのか?

なぜ新入社員の定着にメンター制度が有効なのか?

(2016年1月25日更新)

 
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新入社員の定着・育成を目的にメンター制度を導入する企業が増えています。新入社員の定着にメンター制度がもたらすメリットとは? 茅切伸明氏の解説です。

 

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ここ数年で、新入社員の定着・育成を目的にメンター制度を導入する企業が増えました。中小企業ではまだまだなじみのない制度ですが、厚生労働省の調査で、新入社員や若手社員の離職率が低減し、周りの育成意識が向上したという効果が出ています。(厚生労働省「ロールモデルの育成およびメンター制度の導入に関するアンケート調査(平成24年11月)」)

新入社員は、やる気を持って入社しても、すぐに壁にぶつかって、やる気を失ったり悩んだりします。あなたも思い出してみれば心当たりがあると思います。入社1年目は右も左もわからない状態で不安でいっぱいです。経験したことのないビジネス社会で初めて仕事に取り組むのですから、上手くいかなくて当然です。

そんなときに、相談に乗ってくれる、サポートしてくる人がいるだけで新入社員は心強くなります。人間関係が希薄になり、人材の流動化が当たり前になった今こそメンターの役割は重要になったと言えます。職場のコミュニケーションが希薄になっている、社員を育成する風土がない、という企業はメンター制度の導入をおすすめします。

 

メンター制度とは?

まず、メンター制度とは何なのかを簡単にご紹介します。一言で言えば、「新入社員のサポーター制度」です。つまり、上司とは別に、指導や相談役を任された社員(メンター)が新入社員(メンティ)をサポートする人材育成制度です。昔は自然に発生していた先輩・後輩の人間関係を制度化したものです。新入社員の仕事上の悩みなどについて解決・支援することで、彼らがやる気をなくしたり、自信を失ったり、早期に退職したりすることがないようにサポートします。

また、メンタリングとは、メンターが経験の少ない新入社員(メンティ)の夢と挑戦を引き出し、成長や目標達成、夢の実現のために、惜しみない指導・支援をすることです。方法としては、新入社員(メンティ)の相談に個別対応でのりながら、指導・支援をしていくものです。

メンターには、直属の上司や、10歳以上年齢が離れた先輩を選出すると失敗します。一般的には、入社5年から7年目の先輩が最適でしょう。

 

メンター制度を導入する前に

メンター制度は、離職を防止することだけが目的ではありません。むしろ、人を育てるという熱意がメンターにあるかどうかが問われます。ですから、メンターと新入社員の直属の上司とが情報交換をしながら、協力して、新入社員の育成をしていけるかどうかが、成果を大きく左右します。

この制度を実施する前に、会社はメンター研修を実施することはもとより、先輩に相談しやすい社内の雰囲気をつくっておくといいでしょう。さらに、メンターを経験することを昇進における評価に加味したり、優秀なメンターを表彰するなど、会社として制度が機能するように環境を整えておくことが大切です。

 

新入社員のメリットとは?

実際にこの制度を導入した企業の新入社員に感想を聞いてみますと、「悩みを相談できる人が身近にいてよかった」、「先輩のアドバイスが参考になった」など、いい評価が得られています。

具体的には、先輩社員(メンター)のアドバイスなどをもらえることにより、問題を振り返る習慣を身につけることができています。また、上司には気軽になかなか話せないことも、年の近い先輩社員(メンター)なら話せることもあります。そういう人がいるだけでも、新入社員に安心感を与えます。

 

先輩社員(メンター)のメリットとは?

一般的に管理職にならない限り部下を持つことはありません。しかし、メンター制度は管理職になる前に部下指導の練習する機会を得ることができるのです。また、指導する立場に立つことにより、視野が高くなり、職場の問題点に気づいて、仕事のやり方について改善を提案することができるようになります。

 

メンター制度は企業が成長していくための素晴らしい制度

このようにメンター制度を導入することで企業に長期的にすばらしい成果が生まれます。簡単にまとめますと次の7つの効果が企業の成長を促します。

 

(1)人材育成風土を醸成する

(2)人材流出や、それによる企業ノウハウの流出を防止する

(3)新入社員やメンターの仕事に対するモチベーションを高める

(4)新入社員やメンターの人間的な成長を早期に促す

(5)メンターが職場の問題を発見し、解決を図っていく

(6)メンターの部下指導力が強化される

(7)メンタルヘルスのケアを推進・強化できる

 

 

 
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【著者プロフィール】
茅切伸明(かやきり・のぶあき)
株式会社ヒューマンプロデュース・ジャパン 代表取締役。
慶應義塾大学商学部卒業後、(株)三貴入社。 その後、(株)日本エル・シー・エー入社。 平成1年3月 住友銀行グループ 住友ビジネスコンサルテイング(株)(現SMBC コンサルティング(株))入社。セミナー事業部にて、ビジネスセミナーを年間200 以上、企業内研修を50以上担当し、他社のセミナーを年間50以上受講する。 平成18年4月 (株)ヒューマンプロデュース・ジャパンを設立。「本物の教育」「本物の講師」「本物の教育担当者」をプロデュースするという理念を掲げ、現在まで年間500以上、累計8,000以上のセミナー・研修をプロデュースするとともに、セミナー会社・研修会社のコンサルティング、セミナー事業の立ち上げ、企業の教育体系の構築なども手掛ける。 
著書に、『実践社員教育推進マニュアル』、通信教育『メンタリングで共に成長する新入社員指導・支援の実践コース』(以上、PHP研究所)、『だれでも一流講師になれる71のルール』(税務経理協会) 

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