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入社前、内定者に伝えたいこと

2017年5月31日更新

入社前、内定者に伝えたいこと

社会人としてのスタートラインにたった内定者は、ダイヤモンドの原石です。これからさまざまな仕事経験を通して、主体的に自分自身をつくりあげ、磨きをかけていきます。人材開発担当者として、そんな内定者に伝えるべきこととは?

PHP研究所の入社内定者向け通信ゼミナール「チャレンジ!ビジネスライフ」のテキストから、「あなたも企業も願いは一つ」の一部をご紹介します。貴社の内定者を対象にした入社前教育実施にあたり、本コースの採用を、ぜひご検討ください。

内定者~入社前の落ち着かない日々

翌日、小川君が起きたのは昼すぎでした。昨日の疲れが残っているのか、身体がスッキリしないのです。
「昨日は疲れたよ」
「何だ、少し遅くなったぐらいで」
「そうかもしれないけど。だけど急に言われても困るよなあ」
「仕事なんて急なことばっかりだよ」
「ところでお父さん、休みなのに何してるの? 仕事?」
「仕事じゃないよ。ちょっと考えてるだけだよ」
「考えてるだけって、結局は仕事じゃない。お父さんのような人を"会社人間"って言うんだろうな」

今のアルバイトは、かなり前からやっていますが、内定通知をもらってからというもの、社員の人たちがどんなふうに仕事をしているのかが気になってきました。用事で事務所に行ったときには、皆が忙しそうに動き回っている姿や電話応対している様子を見て、「会社ってこういう感じか」と思うのです。

昨日も営業所に戻り、当然今日は終わり、と思っていたのが、三上さんはそのまま仕事を続けたり、休日にたまたま営業所の前を通ったとき、中に入っていく社員を何度か見たことがあるのです。そんな姿に父親の日々の生活が重なり、「みんなそうなのかなあ」とか「自分もそうなるのだろうか」などと思うのです。また、「どんな仕事をしているのか」とか「どんな思いで仕事をしてるんだろう」などと、思うようになってぎたのです。そんな自分自身の変化に気づき"おかしな"気分になるのです。

小川君は「仕事は大切にしたい。やりがいを感じる仕事もしたい。しかし、仕事が人生のすべて」とは考えていません。父親のことを"会社人間"と言ったけど、いったいその正体は何なんだろう、と考えることもあります。

「自分に合った、自分らしい仕事の仕方や自分らしい生き方をしたい。そのためには会社と仕事は不可欠である。でも、なぜそれが会社人間なのだろう」と思うのですが、それ以上の具体的なことは、わからないのです。

しかし、「会社に入ると、自分一人のための生き方ではダメで、会社や集団のことを最優先しなければならない」とよく聞きます。ちょっと嫌な感じもします。目分を犠牲にして他の人と一緒に幸せを考えるなんて、過去20年ほど、一度も経験がないことなのです。

だれも、幸福を願っている

幸福ってどんなことでしょうか。百人いれば百個の幸福論があるほどの難問です。

(1)経済的に豊かに暮らすこと。
(2)時間のゆとりがあること。
(3)楽しくやりがいのある仕事。
(4)愛する人と愛する子供と明るく楽しい家庭を築くこと。
(5)庭のある家。
(6)カッコいい車 

などは、だれでも豊か、と感じることができるものでしょう。

しかし、その豊かさだってむずかしいテーマです。豊かさの基準は、人によって違うため、いろいろな豊かさがあって当然ですね。

まず、人間には(1)「何かをためる豊かさ」があります。切手や小物の収集など、集める物は千差万別です。人間はためることが好ぎな動物なのでしょう。貯金が趣味の人だっています。この場合は、何をためたいかを見つけることがキーポイントになります。

でも、ためるだけでは面白くないし、それがすべてではありません。何かのために使って初めて豊かさを感じることもたしかです。だから、(2)「使う豊かさ」というものがあるのではないでしょうか。何に使うかは個人の好みの問題です。

例えば、車が大好きな人がいます。はた目には「何ともったいない」と見えるかもしれませんが、たびたび車を買い替えています。しかし、新しい車を見て心が豊かになるなら、結構なことです。

また、同じ使うにしても、形のあるものでなく、無形のもののために使う人もいます。例えば、教養を高めようと読書にお金と時間を使うなどです。スポーツやレジャーを通して、幅広く人間性を磨こうとする人もいます。人とのつながりを大切にしょうと、友人に時間の投資をする人もいます。これらは、(3)「身につける豊かさ」ということになるのでしょう。どんな豊かさを求めるかは、その人の価値観や生き方の問題です。大切なことは、今から豊かさや幸福観を狭く限定しないことです。

あなたは、まだ無限の可能性を追求し、幸福獲得に大いに欲張りになってください。そのためには仕事はもちろん、遊び、趣味、人とのつながりなど、生活にできるだけ多くの柱を持ってほしいものです。

出典:PHP通信ゼミナール『チャレンジ! ビジネスライフ』

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水井正明 (みずい・まさあき)
1938年、京都に生まれる。1960年、関西学院大学文学部哲学科卒業。1991年、南山大学大学院経営学研究科経営学専攻博士前課程修了。1996年、関西学院大学大学院社会学研究科博士後期課程修了。1962年、経営コンサルタント活動を始める。1966年、兵庫県芦屋市に「産業社会学研究室」開室。
1968年、名古屋市に(株)産研を設立する。現在、産業社会学研究室室長。松下グループを始め各社で、行動科学、組織開発、社会学をベースにした教育、教育担当育成、海外での教材開発、講演活動、企業診断を担当する。著書多数。

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