課長職にマネジメントの革新を!
RSS

人事部が内定者・新入社員研修を企画するときに考えておいてほしいこと

人事部が内定者・新入社員研修を企画するときに考えておいてほしいこと

(2015年7月16日更新)

 
  • はてなブックマーク
  • Yahoo!ブックマーク
  • Check

新卒の採用活動もいよいよ佳境の時期。と同時に、採用担当者としては、せっかく内定を出した学生のロイヤリティとモチベーションを高めて入社式を迎えてもらうための内定者フォロー施策を検討すべき時期になりました。

ここでは、内定者フォローにあたって、採用・人事担当者としておさえておいてほしい基本的な心得を考えてみたいと思います。

 

企業の役割とは

1987年度から1995年度までに生まれた若者については、中学校・高等学校でゆとり教育を受けたことから“ゆとり世代”と呼ばれ、その特徴として、打たれ弱い、自主性がない、コミュニケーション能力が低い、常識に欠けるなど、あまり評判の良くない声を頻繁に耳にします。そんな現代の若者を教育するうえで、人事担当者は苦労がたえないかもしれません。しかし、「企業は公器」という観点から考えれば、自社が選んで採用した一人ひとりの人間を、社会人として立派に通用する人材に育てる。そんな使命のようなものを社会から求められているということを、基本的におさえておく必要があるのではないでしょうか。そうした使命感を人事担当者がもち、職場の管理職に伝えていくことが、すべての出発点になるといえるでしょう。

 

内定者はみなダイヤモンドの原石

学生から社会人への節目は、人生にとってたいへん大きく重要な転換期です。内定者は、夢や希望と同時に、「この会社でほんとうによかったのか」「会社での人間関係はうまくいくのか」「社会人としてやっていけるのか」など、さまざまな不安を抱えています。これはいつの時代も変わらない普遍的な心理です。

また、社会人のスタートラインに立った内定者は、一人ひとりがいろいろな色を放っているダイヤモンドの原石といえます。彼らはこれからさまざまな仕事や経験を通して、主体的に自分自身を作り上げ、磨きをかけて成長していきます。そこで、まずは、前述したような不安を一つひとつ解消しながら「なぜ働くのか」といった根本的なテーマを考え、働くことの目的や意義を正しく理解し、仕事を通して自らを向上させようとする意思、意欲、態度などのマインド面を醸成していくことが大切です。そのうえで、社会人として求められる常識・良識・マナーなどを修得させていくことになります。

カタチの前にマインドを。抽象的に感じられるかもしれませんが、自ら考え、行動できる人材を育てていくうえで、このポイントははずせません。そして、そうしたマインドを内定から新入社員の時期に確立させられるかどうかで、入社後のスタートダッシュ、その後ののびしろに大きな差が出てきます。

 

内定者研修は新入社員研修との一貫性を

では、具体的にはどのような教育が効果的なのでしょうか。弊社では、「内定者研修は新入社員研修と連動した一貫性のあるものでなければならない」と考えます。というのも、入社数年経った若手・中堅社員であれば学んだことを自分の経験に関連させて学習します。しかし、内定者の場合は実際の仕事の経験がないため、例えば「社会人のマナー」といったことを学習しても、知識としては習得できますが、実際にやってみるとなかなかできるものではありません。それは、新入社員研修の場でロールプレイングなどを体験することで、初めて知識からスキルとなり、実践できるようになるのです。よくいわれるように、「知っている」ことと「できる」ことは違うのです。入社前に「知っている」ことを新入社員研修で「できる」に変えるためには、内定者研修と新入社員研修とを連動した内容にすることが大切です。 

 

内定者研修においては、内定者懇親会・研修会を開催したり、通信教育、eラーニングによるフォローを実施している企業が多いと思われます。しかし、そこで内定者に伝えたいこと、教えたいことは、入社時の導入研修やフォローアップ研修、さらには職場でのOJTも想定して、一貫したコンセプトのもとで企画しておられるでしょうか。もちろん内定者・新入社員研修のやり方は、それぞれの業種・業態、社風などによってさまざまです。どこに力点をおくかはトップや人事部の方針によってかわってくるかもしれません。しかし、企業として求める人材像があるからこそ、それにふさわしい人材を採用したわけですから、その育成目標をふまえて、研修会を企画し、テキストを選定することは、最低限やっておくべきことと思われます。

 

採用・人事研修担当者の心得

ただ、どのような人材像、育成目標を掲げていたとしても、内定者を「1日も早く一人前のビジネスパーソンに育てあげたい」という点は共通するポイントだと思われます。それは会社として、組織としての強い要請であり、教育研修部門の使命であることは間違いありません。ただし、ここで忘れてはならないことは、内定者フォロー・研修も新入社員研修も、会社にとって必要であると同時に、内定者一人ひとりの人生にとっても重要なプロセスであるということです。

内定者にとってこの機会は、社会人としての成長の第一歩であり、自信をもって次のステップに進んでいくための貴重な学習機会です。 ですから、「よい内定者・新入社員研修」というものがあるとすれば、それは「会社・上司も満足、人事・教育部門も満足、受講生も満足」という、WIN-WIN-WINの姿でしょう。しかし、これはそれほど簡単なことではありません。では強いて言えば、この三者の中でどれを優先すべきでしょうか。それは疑いもなく内定者自身であるべきだと考えます。彼らがこの研修は間違いなく自分たちのためのものだ、本当に自分の成長のためになる、と感じてこそ、本当に彼らの身につき、ひいては上司や人事・教育スタッフも満足するという結果になるといえます。しかしここで注意しなければならないのは、内定者が喜ぶような研修が、必ずしも効果的な研修だとは限らない、ということです。人事・教育スタッフの皆様は、この点をつねに意識しながら研修プログラムを立案する必要があるといえそうです。

 

ここで松下幸之助が語った人材育成観について紹介します。

「人材の育成とは、単に技術力のある社員、営業力のある社員を育成すればよいということではない。自分が携わっている仕事の意義、社会に貢献するという会社の使命をよく自覚し、自主性と責任感旺盛な人材を育成すること、いわば産業人、社会人としての自覚をもち、経営の分かる人間を育てるということである」

 

PHP研究所では、こうした人材育成観をもとに、これまで培ってきた経験やノウハウを活かしたプログラムづくりから、実際の研修運営までをサポートさせていただきます。どのような些細な疑問、課題でもお気軽にご相談ください。使命感あふれる、自主性と責任感旺盛な人材の育成のために、ご提案をさせていただきます。

 

株式会社PHP研究所 教育出版局編集長 平井克俊

 

saranikuwashiku.png


メールマガジン

更新情報をメルマガで!ご登録はこちらからどうぞ